救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国連シンポで横田拓也さん、飯塚耕一郎さんが訴え(2023/07/03)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2023.07.03)

■国連シンポで横田拓也さん、飯塚耕一郎さんが訴え

 令和5年6月29日(木)、日本、米国、豪州、韓国政府及びEUの共催で、
拉致問題に関するオンライン国連シンポジウムが開催されました。

 シンポジウムは、国連のサイドイベントとして、国連加盟各国代表部の参加を
得て開催したものです。

 当日は、松野博一 内閣官房長官兼拉致問題担当大臣が基調報告を行った後、
米国、豪州、韓国、EUの国連常駐代表が挨拶し、古屋圭司拉致議連代表が挨拶、
続いて被害者家族から、横田拓也家族会代表、飯塚耕一郎同事務局長、北越優子
特定失踪者家族会会員、バンジョン・パンチョイ氏(タイ、アノーチャ・パンチョ
イさんの甥)が訴えました。その後パネルディスカッションも行われました。

 ここでは、横田拓也さん、飯塚耕一郎さんの訴えを掲載します。

 当日の動画はこちらから視聴できます。

 https://youtu.be/VKIo7mHloJY

◆金正恩委員長、ジュエさんの父親として速やかに拉致問題の解決を
 横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)

 皆様こんにちは、そしておはようございます。

 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表の横田拓也と申します。

 複数の世界に跨る北朝鮮による拉致事件解決のために、心を一つにして本日お
集まり頂きました事、とても心強く思います。

 私の姉横田めぐみは13歳の時に日本国内から北朝鮮の工作員達によって暴力
的に拉致されました。今年で46年が経過しようとしています。私の姉めぐみを
はじめ、人質として拘束されている私達の家族や兄弟は厳しい環境の中で今日も
「早く助けに来て欲しい」と声を押し殺して叫んでいると思います。私達の家族
や兄弟の人権は侵害されたままの状態が続いています。国際社会がこの様な事態
を決して許してはなりません。自由な社会で生きている私達が責任もって解決さ
せていく必要があります。

 北朝鮮の”一方的な力による現状変更”が46年近く前から行われ、家族の絆
は引き裂かれ、離れ離れのままです。拉致された我が子を待つ”親世代”の高齢
化は容赦なく進み、再会を果たせず他界されるケースが後を絶ちません。親世代
が存命・健在な内に再会が果たされない限り、この問題は解決とは言えません。
タイムリミットがあると言う事です。

 私達家族会・救う会が求める答えは「全拉致被害者の即時一括帰国」一点に絞
られます。段階的解決・部分的解決は受け入れられません。連絡事務所や調査委
員会設置による無意味な時間稼ぎも受け入れられません。北朝鮮当局は全ての拉
致被害者を24時間厳重な監視のもと”誰が・いつ・どこで・何をしているか”を
把握しています。最初から調査する必要など全く無いのです。金正恩委員長自身
が解決する意思があるのかどうかにかかっています。

 家族会・救う会は今年2月に今年度の運動方針を作成しました。

「親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が
国が人道支援を行うことに反対しない」という新しい提案です。

 そのために、日本政府・岸田首相は金正恩委員長との首脳会談を開催し、拉致
問題の全面解決そして拉致された被害者と帰国を待つ親や家族との再会が果たせ
るよう交渉を進めて下さい。

 両国が抱える人道問題を解決すれば双方に明るい未来がある事を岸田首相には
強く語って欲しいと思います。

 金正恩委員長に伝えます。私達はただ拉致された家族や兄弟を取り戻したいだ
けです。帰国が実現した後に、見聞きした秘密を聞き出し暴露する事そして全拉
致被害者が帰国出来た先にある日朝国交正常化交渉を妨げる事は考えていません。
どうか私達のこの考えを信じて首脳会談に応じて下さい。

 金正恩委員長、あなたが娘のジュエさんを愛しているのと同様に、私達家族も
自分達の娘や息子を愛しています。私達の苦しみは理解出来るはずです。暴力や
恐怖からは何も明るいものは生まれません。一国のリーダーとして、そしてジュ
エさんの父親として速やかに人道問題である拉致問題を解決し、明るい未来を描
けるよう決断して下さい。

 本日ここに集まる勇気ある私達は、家族や兄弟を取り戻すまで声を上げ続けて
行きましょう。言葉の力を信じ行動しましょう。

 皆様、今後ともご支援を頂けますようどうぞ宜しくお願い致します。

◆金正恩委員長の勇気ある英断に期待

飯塚耕一郎(田口八重子さん長男、家族会事務局長)

 本日、発言の機会を頂き誠に有難うございます。

 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会事務局長飯塚耕一郎です。

 私の母、田口八重子は45年前の6月29日に突如、1歳だった私と2歳の姉
を残し行方がわからなくなりました。それから彼女の所在は24年もの間わかり
ませんでした。2002年9月の日朝首脳会談の中で、彼女の所在が判明しまし
た。北朝鮮は彼女を拉致したことを認め、1987年に北朝鮮国内で交通事故に
より死亡したと日本政府へ伝達しました。

 しかし、その後の調査で、事実は異なることが判明しました。北朝鮮の報告で
ある「田口八重子、死亡」の情報は一切の根拠はなく、2002年に北朝鮮が提
示した「死亡診断書」は捏造されたものでした。2004年北朝鮮から新たに提
示された「交通事故報告書」という資料に田口八重子の名前も彼女の北朝鮮名で
ある李恩恵(リ・ウネ)という名前も一切はありませんでした。

 八重子さんのように日本人が北朝鮮に拉致されたケースは、日本政府が認定し
ているだけでも17名に上ります。このうち5名は2002年に帰国を果たしま
したが、21年経過した今なお、いまだ12名が帰国できていません。北朝鮮は、
この未帰還者12名については「8名死亡、4名未入国」と説明していますが、
いずれの説明にも不自然な点や矛盾点が多くあり、死亡を裏付けるものは何もあ
りません。

 更に北朝鮮による拉致事件は日本だけに留まりません。帰国した日本人拉致被
害者などの証言から、日本以外にも、韓国、タイ、ルーマニアなどの国民が北朝
鮮に拉致された可能性があるとされています。また、2014年2月に国連より
公表されたCOI報告書では、マレーシア、シンガポール、フランス、イタリア、
オランダ、中国といった諸外国にも拉致被害者が存在すると報告されています。
北朝鮮による拉致事件は日本のみならず、全世界各地で起こっており、国際社会
全体の問題と捉える必要があると考えます。

 北朝鮮は拉致被害者返還のための交渉や協調に応じる姿勢を全く見せおりませ
ん。

 拉致事件発生から40数年というとてつもなく長い時間が経過しており、真の
解決のために残された時間は長くありません。

 北朝鮮にいる被害者と日本で帰りを待つ家族がそれぞれ、生きて健康なうちに
帰国させなければ真の解決ではありません。

 しかし極めて、残念ながら、特にここ数年、日本で帰国を待つ家族が亡くなっ
ています。2020年には横田滋さん、有本嘉代子さん、2021年には田口八
重子さんの長兄であり、私の育ての親であった飯塚繁雄さんなどが亡くなってい
ます。彼らはもう家族に会うことはできません。人の命には限りがあります。日
本で帰りを待ち続ける家族も、北朝鮮で救出を待つ家族も高齢化しており、拉致
事件はもうこれ以上時間をかけていい問題ではありません。これ以上、拉致被害
者とその家族の再会を死がわかつのであれば、我々は北朝鮮を憎しみ、怒りでし
か見ることができなくなるでしょう。

 正直、今は我々の理性が保てることができるギリギリのラインです。

 我々、家族会は今年5月に訪米し、米国政府関係者と面会を果たし、我々の考
えや方針を説明してきました。その最重要の内容としては、

1.日本の北朝鮮交渉において、核・ミサイルより時間的制約がある拉致問題を
優先したい。

2.親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我
が国が人道支援を行うことに反対しない。
という内容であります。これらについては、面会した方々からは概ねこれを了承頂きました。

 改めて言いますが、我々被害者家族は、全拉致被害者の即時一括帰国が実現す
るのであれば、帰ってきた拉致被害者から秘密を聞き出すことや日朝国交正常化
に反対する意志はありません。我々、家族は拉致被害者と静かな日常生活を送る
ことのみをただただ切望しています。

 最後に、日本政府は、日朝首脳会談の早期の実現に向け、努力、邁進してくだ
さい。我々家族には残された時間はあまりにも少ないものと考えてください。

 金正恩委員長と北朝鮮は、過去の不要なしがらみから脱却し、「全拉致被害者
の即時一括帰国」の決断を行い、経済制裁解除や国際社会との連携の模索をし、
新たな建設的な未来へ進むべきです。金正恩委員長の勇気ある英断を期待します。

 ご清聴有難うございました。

 以上


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