救う会全国協議会

〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
TEL:03-3946-5780 FAX:03-3946-5784 info@sukuukai.jp

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

動くか北朝鮮-最新報告4(2023/07/28)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2023.07.28)

■動くか北朝鮮-最新報告4

◆北朝鮮にとっても「タイム リミット」の2つの意味

 北朝鮮にとっても「タイム リミット」ということには2つの意味があるので
すが、親の世代がなくなった後にめぐみさんたちが帰ってきても、日本人は怒る
だけだと繰り返し言っていますが、2つ目は、北朝鮮が今人道支援を必要として
いるからです。それが食糧危機です。

 今市場で子どもの乞食がたくさんいます。物乞いもいっぱい出ている。90年
代後半300万人の餓死者が出た時と状況が似てきている。そういう中で、底辺
で金正恩政権に対する不満が高まっています。

 おかしなことが起きているということなのですが、実は、4月に尹錫悦大統領
が国賓として訪米し、北朝鮮の核ミサイルに対する米韓同盟による拡大抑止強化
についてバイデン大統領と話し合った。4月28日の両首脳の会見でバイデン大
統領は、「北朝鮮が核兵器を使えば北朝鮮政権は終焉する」と発言しました。

 これがすごく北朝鮮に響いたそうです。バイデン大統領の発言はそのまま北朝
鮮では報道されないのですが、4月26日の会見について29日に、金与正副部
長が朝鮮中央通信社を通して米韓首脳を激しく非難する声明を発表しました。そ
して朝鮮中央テレビではその全文をアナウンサーが読み上げた。声明には次の一
節がありました。

「敵国の統帥権者が、全世界が見守る中で「政権の終焉」という表現を公然と直
接使ったことである。これを老いぼれのぼけと見るべきか」と。

 これを聞いた北朝鮮の住民は、「アメリカの大統領が北朝鮮の政権を終わらせ
ると言った。早くやってほしい」と。「政権」と言っていて、「北朝鮮の人民を
抹殺する」とは言っていないので、余計心に響いて、その話がわーっと広がって
しまい、保衛省(政治警察)が取り締まっている。

 なぜそんなことを言わせたのだ。誰の責任だ、ということになっている。本当
に今食糧がなくて餓死者が出ている状況なのです。1つは政策ミスで「新糧穀制
度」というのを導入したのですが、配給ができないので秋になって協同農場に行っ
て、党や軍や治安機関が持っていくわけです。

 しかし、農民たちにも食べるものが必要ですよね。だから配給に回す物がない
のです。ところがチャンマダンという市場には食料がある。北朝鮮人民の月給は
平均5千ウォンくらいですが、チャンマダンではコメ1キロ5千ウォンです。し
かし、チャンマダンで買って食べるしかないのです。

 党が決めた職場に男は出なければなりませんが、お母さんたちや老人たちはチャ
ンマダンで商売をしたりして食べている。それを見た党の幹部たちが、「チャン
マダンにはコメがあるじゃないか。それを配給に回せばいいじゃないか。チャン
マダンでコメを売ることを禁止しろ」という政策をとることになった。

 だから今チャンマダンにコメはないのです。だからと言って国家に安い値段で
売るか。売らないのです。持っている人は隠すんです。買いたい人たちがチャン
マダンに行って米屋を見ると、「ちょっと、こっちに来てください」と言って、
自宅に隠すとみつかるから、別の所に隠し倉庫があって、そこで売る。

 だから余計流通しなくなって、お金のない人が餓死する。コメはないわけでは
ないのです。でも先ほど言ったように通常の物価の百倍くらいで売り買いする。
ちょっとお金がある人は一番安い秋に1年分買う。もうちょっと金がある人は、
もっと余計に買う。高くなったら売る。差益で儲ける。

 しかし本当に貧乏な人はそれができないので、その日稼いだお金で、その日の
分を買う。今中朝国境が封鎖されているため、コメ以外の靴や服は中国製品だっ
たのですが、物が入ってこなくなったのでチャンマダンの取引量が縮小して、取
引ができなくなった。その人たちが死んでいく。

◆北朝鮮の内部情報

 それともう一つ、今の状況で深刻なのは、去年の秋から軍の将校、彼らは家族
持ちですが、家族への配給が止まった。安全員という警察官、保衛員という政治
警察の家族への配給がなくなった。

 今年の6月に軍の将校と、安全員、保衛員への配給が止まったという情報があ
ります。もちろん、その中で商売をやっている人は1年分買っていますから、す
ぐ彼らが飢え死にするわけではないのですが、配給があることを前提に買い占め
をしていない家もあるのです。そういう家は親戚の家にコメを借りに行く。

 肉や魚の配給は完全に止まっていますので、彼らは油気のあるものは一切食べ
ていない。栄養失調になっている。

 軍の兵士たちに配られる食料も量が減っているので、栄養失調が多く、夜にな
ると兵士が暴徒化している。日本のマスコミはそういうことを取材して書かない
のですが、6月15日に、イギリスの「BBC」がソウル発で、「北朝鮮の首都
でも近所の人が餓死?国民がBBCに苦境を語る」という記事が発信されました。
ある脱北者団体を使って、3人の北朝鮮市民にインタビューした。匿名ですがそ
の内一人は平壌の人です。

「首都ピョンヤン(平壌)で暮らす女性ジヨンさんは、知り合いだった3人家族
が自宅で餓死したとBBCに話した。「水をあげようとドアをノックしたのです
が、誰も出てきませんでした」。当局者が中に入ると、家族は死んでいたという」。

「中国との国境近くに住む建設作業員の男性チャンホさんは、食料の供給があま
りに少ないため、彼の村ではすでに5人が餓死したと話した。最初は新型コロナ
ウイルスで死ぬのではないかと不安でしたが、そのうち餓死するのではないかと
心配になり始めました」。

「北朝鮮は2600万人の国民に十分な食料を生産できたことがない。2020年1月に
国境を閉鎖すると、中国からの穀物だけでなく、食料の生産に必要な肥料や機械
の輸入も止まった。

 一方で、国境をフェンスで強化した。警備隊は越境しようする人を射殺するよ
う命じられているとされる。これにより、多くの国民が利用する闇市場で売る食
料を密輸入することが、ほぼ不可能になった。

 北朝鮮北部の市場で商いをしている女性ミョンスクさんは、地元の市場にはか
つて商品が並び、その4分の3近くが中国からの輸入品だったが、『今は空っぽ』
だと語った。

 ミョンスクさんも、密輸品を売って生計を立ててきた他の人たちも、収入のほ
とんどを失った。家族がこれほど食べ物に困っているのは初めてだと、ミョンス
クさんは言う。最近は、あまりに腹をすかせた人たちが彼女の家のドアをノック
し、食べ物を分けてほしいと訴えてくると話した。

 ピョンヤンのジヨンさんは、生活に行き詰まって自宅で自殺したり、山に入っ
て死んだりした人の話を耳にしたと述べた。

 ジヨンさんはまた、子どもたちを食べさせるのに必死だと話した。2日間食事
を取れなかった時には、寝ている間に死んでしまうのではないかと思ったという」。

 今飢饉が起きているのです。人道支援が必要なわけです。中国から支援がある
のではないかという話がありますが、あったらこんなことは起きないのです。北
朝鮮では90年代後半の「苦難の行軍」時代が来たとみんな言っています。

 日本には古米がいっぱいあります。それを出すことができる。人道問題、人権
問題だからです。しかし、「被害者を全員返す」という決断を金正恩委員長がす
れば私たちは反対しない。政府も、こういう人民の状況に同情するという立場で、
「必要であればすぐにも食糧支援ができる」と言いながら、交渉をしてほしいと
思います。

 チャンスが来ています。積み木細工のようなもので、崩れてしまうかもしれな
いと心配ではありますが、このチャンスを是非活かしてほしいと思います。
以上です。次に横田哲也さんのお話を聞きしたいと思います(拍手)。

◆今の韓国政権に向けて我々もアクションを起こすべき

横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)

 皆さん、こんばんは。お忙しい中、お越しいただきありがとうございます。

 6月25日にこの場で特別集会があり、金聖●(キム・ソンミン、王へんに文)
さんを初めとする脱北者の皆さんに、北朝鮮の困窮状態の実情についてお話をい
ただきました。

 集会の後に懇親の場があり、色々話をうかがいました。私からある方に、「北
朝鮮に帰りたいですか」と聞いたところ、それまでずっと笑顔で対話していたの
ですが、その瞬間に表情が変わって、涙を流しながら、「帰りたくない」とおっ
しゃいました。

 その涙の意味には色々あるでしょうが、家族や友人が表現できないような苦難
を受けていることを思い出したのか、それとも本当は帰りたいのだけど帰る状況
ではないという悔しさがあったのだろうと思い、私ももらい涙をして、「なんて
辛い状況が目の前にあるのか」と思ったところです。

 懇談の場には、初代の韓国の家族会の会長の崔祐英(チェ・ウヨン)さんとい
う女性の方もおられたのですが、その方の発言を聞いている時に、韓国国内には
拉致を解決しようとする気運が全くない、国民の関心もまったくないとのことで、
半ばあきらめているような感じを受けました。

 気安く、「あきらめないで」とか「頑張りましょう」とか言えないのですが、
「とにかくあきらめないでほしい」と申し上げました。日本の拉致問題が解決す
れば、連動して韓国の拉致被害者や、その他の外国人の拉致被害者の問題も解決
すると見るのか、今の韓国の政権に向けて、我々もアクションを起こすべきだと
思いました。改めて、これは放っておくべきでないと思いました。

 西岡先生から食糧支援の話がありましたが、昨日、おとといのニュースを見て
いても、北朝鮮の地方都市で餓死者が出たり、生活苦にあえいでいるというニュー
スが出ており、テレビへの信頼が揺らがないためにも、党の中央組織が地方の幹
部に対して「自己批判をしろ」と、「何が悪いか考えろ」という文書が出ていた
そうです。

 地方の幹部が悪いわけではなく、党の中央あるいはトップの政策が悪かった結
果であり、そういうニュースを見る時も、本当に不幸な国だなと、いつまで茶番
劇をやっているのかと思ったところです。

◆岸田総理が胸を張って交渉に臨めるよう後押しを

 昨年9月27日に、安倍元総理の国葬儀がありましたが、私は個人的に参加す
ることができなかったのですが、今月の7月8日に一周忌があり、これには参加
させていただくことができました。

 安倍さんは、拉致問題解決に向けて誰よりも取り組んで来た方で、総理を退い
てからも非常に影響力のあった政治家ではないかと思っています。日本にとって
も私たちにとっても非常に貴重な人材が、一人の見当違いの人間によって命を絶
たれたことは、残念でならないと改めて思いました。

 一周忌に参加された方への返戻金が安倍家からなされたのですが、その中の一
つにブルーリボンバッジが入っていました。これを受け取った時に、安倍元総理
は何としても拉致問題を解決したいという思いがあったということと、それを間
近でご覧になっていた昭恵夫人もおれらました。このお二人の思いを、何として
も成果を出すべく、改めて拉致問題解決に向けて全力で戦わなければならないと
思った所です。

 安倍総理亡き後、菅総理、岸田総理も、拉致問題を政権の最優先事項として取
り組んでいくと話されました。5月27日の国民大集会では、岸田総理が、「首
脳会談を実現すべく総理直轄のハイレベル協議を行いたい」との発言がありまし
た。

 そうは言いながら、北朝鮮政府が何を考えているのか分かりませんが、とにか
くトップ同士の会談が行われて、日本政府が騙されたり、安易な決着をはからな
いようにしてほしいですし、注視していきたいと思います。

 ユーチューブ等で色々な動画が出ていますが、安倍元総理が、「花は咲く」と
いう曲をピアノで弾いているのがありました。本当に悲しく思うのですが、拉致
問題で撒いてきた様々な種が結果として出るように、立派な花が咲くように、で
きることを粛々として働きかけを続けていきたいと思っています。

 そのためにも国民の後押しが一番大事ですので、ご参加の皆様、動画をご覧の
皆様、政府への後押しをもっと頑張れ、こうしなければだめだとおっしゃってい
ただければ、岸田総理も胸を張って交渉に臨めると思いますので、引き続きお力
をお貸しいただければと思います。ありがとうございました(拍手)。

以上




★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿

■救う会全国協議会ニュース

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
  
■ サイト内検索 ■


■ メールニュース ■
2024/12/20
国際セミナー報告4
2024/12/20
国際セミナー報告3
2024/12/18
国際セミナー報告2
2024/12/16
国際セミナー報告1
2024/12/06
国際セミナー12/13(金)ご案内

■過去のメールニュース■

  ■ 2024年
  ■ 2023年
  ■ 2022年
  ■ 2021年
  ■ 2020年
  ■ 2019年
  ■ 2018年
  ■ 2017年
  ■ 2016年
  ■ 2015年
  ■ 2014年
  ■ 2013年
  ■ 2012年
  ■ 2011年
  ■ 2010年
  ■ 2009年
  ■ 2008年
  ■ 2007年
  ■ 2006年
  ■ 2005年
  ■ 2004年
  ■ 2003年
  ■ 2002年
  ■ 2001年
  ■ 2000年
  ■ 1999年
■あなたにも出来る救出運動■
あなたにもできること

 ■ 映画「めぐみ」 ■ 

映画「めぐみ」

■ 書 籍 ■