救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

動くか拉致問題 2-最新報告1(2023/10/02)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2023.10.02)

■動くか拉致問題 2-最新報告1

 9月29日に東京・文京区民センターで東京連続集会125が開催されました。
 北朝鮮は5月29日に、両国首脳が「会えない理由はない」という外務次官談
話を出しましたが、それ以降日朝協議のニュースはありません。北朝鮮は戦術核
攻撃訓練を繰り返す中、食糧難が深刻化しています。ロシアとの武器取引が進み
ますが、戦争中のロシアは大規模な人道支援を行う余裕はありません。中国も北
朝鮮が昨年秋に頼んだ50万トンの食糧支援を断っています。
 北朝鮮指導部からすると、日本からの大規模な人道支援への魅力は下がってい
ません。外務次官談話を引き出した岸田政権が多方面で動いていることは間違い
ないようです。横田拓也家族会代表が近況報告を行い、西岡会長が最新報告2を
行いました。概要以下の通り。

西岡 力(救う会会長)

 皆さん、今晩は。何も動いていないのではないかといらいらする人が多いと思
いますが、今朝、日朝秘密接触に関する驚くべき記事が「朝日新聞」の1面に出
ました。私の感触でも、何も動いていないのではなく、まだ表面に出る段階では
ないのではないかと思います。

 まず、横田拓也さんに近況報告と最近感じていることなどをお話いただきます。

◆ハイレベルな協議を着実に進めてほしい
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)
 皆様、こんばんは。家族会代表の横田拓也でございます。
 お忙しい中、北朝鮮による日本人拉致事件必ず解決させるという思いを一つに
して、本日もお集まり頂きましたこと、心から御礼申し上げます。ありがとうご
ざいます。
 日朝首脳会談が平壌で開催されたのが2002年9月です。5人の拉致被害者
ご本人とそのご家族を取り戻せただけで、それ以降私の姉横田めぐみを初め誰一
人も奪還する事が出来ないまま21年という長い時間が経過しています。北朝鮮
は今も人質外交を続け、重大な人権侵害を行っています。許すわけにはいきませ
ん。
 私が家族会の代表を飯塚繁雄さんから受け継いだのが2021年12月です。
拉致問題を取り巻く環境は何一つ変わっていません。北朝鮮で私達の救いを待っ
ている私達の家族や兄弟・姉妹に本当に申し訳ない気持ちで一杯です。
 岸田首相は、本年5月27日の国民大集会の場で金正恩委員長向けに向けたと
思われる踏み込んだ発言をされました。改めてご紹介しますと、
「日朝間の実りある関係を樹立することは、日朝双方の利益に合致するとともに、
地域の平和と安定に大きく寄与いたします。しかしながら、現在の状況が長引け
ば長引くほど、日朝が新しい関係を築こうとしても、その実現は困難なものになっ
てしまいかねません。一瞬たりとも無駄にせず、今こそ大胆に現状を変えていか
なければなりません」、「日朝間の懸案を解決し、両者が共に新しい時代を切り
開いていくという観点からの私の決意を、あらゆる機会を逃さず金正恩委員長に
伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベルで協議
を行っていきたいと考えております」、と発言されました。
 水面下でのハイレベルな協議はどこまで進んでいるのでしょうか。今西岡会長
から、「朝日新聞」の記事についてお話がありましたが、日本政府は人権問題で
ある北朝鮮による日本人拉致事件に対して真剣且つ必死で向き合っているのでしょ
うか。
 表向きにはその動きを私達は全く認識する事は出来ません。そうしている間に、
拘束されている私達の家族や兄弟・姉妹は苦しみ続けています。日本政府の真剣
且つ具体的な取り組みを望みます。
 最近のトピックスとして、岸田首相による内閣改造と露朝首脳会談が印象的に
目に留まりました。
 拉致問題担当大臣を松野官房長官が引き続き兼務されます。私は支持します。
北朝鮮は交渉相手が度々変わる事に信用を置きません。また交渉相手が実権を持っ
ていなければ真剣に対峙しようとはしません。官邸主導で、そして岸田首相の強
いリーダーシップのもと、北朝鮮と真剣に向き合い、一日も早い拉致事件解決に
繋げて欲しいと思います。その為には日朝首脳会談を開催する必要があります。
ハイレベルな協議を着実に進めて欲しいと思います。
 二つ目は露朝首脳会談についてです。専門的な事は有識者の方々にお任せする
として、私は金正恩委員長の発言で許せない事があります。それは、「我々は常
にプーチン大統領とロシア政府の決定を支持する」と言う部分、またウクライナ
侵攻を巡り「ロシアは主権と安全を守るため聖戦に立ち上がった」と全面支持す
る発言をした事です。
「一方的な力による現状変更」で、ウクライナの主権・領土・文化・生活・家族
の絆は破壊され続けています。こうした残虐行為を全面的に支持する事など許さ
れて良いはずがありません。北朝鮮はと言えば、45年前から”一方的な力によ
る現状変更”で日本の主権・領土を侵害し、家族の絆を引き裂く形で無実の13
歳の少女を拉致し、人権侵害・人質外交を続けています。日本国民の一人一人が、
我が事としてこの問題を捉え、絶対にこの様な邪悪な相手を許さない、必ず全拉
致被害者の即時一括帰国を求め続けると言う覚悟を強く堅持して頂きたいと思い
ます。
 私達は絶対に諦めません。母早紀江と姉めぐみが再会し、抱き合える日が来る
まで声を上げ続けます。今後ともご支援頂けますようどうぞ宜しくお願い致しま
す。ありがとうございます(拍手)。

◆官房長官が拉致問題対策本部担当大臣を兼任するのが一番いい

西岡 力 先ほど拓也さんの話にあった、松野官房長官が今回の内閣改造で今回
も拉致問題担当大臣を兼任したことですが、私も大変よかったなと思っています。

 一人が兼任ではなく、単独で担当大臣をした方がいいのではないかという人も
いるようですが、それは誤解です。官房長官が一番いい。第二次安倍政権の初め
ころストックホルム合意がありましたが、あの時は拉致問題担当大臣は国家公安
委員長と兼任でした。

 横田ご夫妻のモンゴルでのお孫さんとの面会から始まった一連の動きについて、
拉致問題担当大臣はほとんど知らされていませんでした。後から報告を受けまし
たが、外務省が主導して進めました。

 しかし官房長官が担当大臣だと、外務大臣は官房長官の調整を受けます。各省
庁にまたがる案件については、官房長官が調整することが法律で決められていま
す。この問題は様々な省庁にまたがる問題ですので、拉致担当大臣を飛び越えて
何かが進むということはありえないのです。

 また政権の事実上のナンバーツーですから、その人が拉致を担当しているとい
うことは、本当に最優先課題で取り組んでいることになるわけです。菅官房長官
が兼任し、その後菅政権では加藤官房長官が兼任した体制が大変良かったのです。
それが今も続いているということは、何らかの動きが出てきた時に政府がばらば
らにならないで一枚岩で進められるということで、これ以上の体制はないです。

 今回松野さんが代わらなかったこともありがたいことですが、官房長官兼任の
体制が続いたのは大変よかったと思います。

 拉致問題対策本部は今8億円、9億円の予算がついているようですが、官邸機
密費を持っているのが官房長官で、情報を取る時には、通常の予算執行ではでき
ないお金の使い方をしなければならないことも当然出てきます。

 私たちが繰り返し政府に求めているのは、確実な生存情報あるいは所在情報を
たくさん取ってほしいということです。それなしに岸田総理を平壌に送ったら、
また騙されるかもしれない。

 その場合にも官房長官が兼任していると大変いいのです。各省庁から上がって
くる情報も官房長官の所に来るわけです。そういう点でも岸田総理はよく分かっ
ておられて、安倍総理が最後にそういう体制を作り、それが菅政権、岸田政権に
まで続いている面では、大変いいことだと思います。

 またある所から聞いたのですが、官房長官は大変忙しいのです。忙しいことは
少しマイナスかもしれませんが、松野官房長官は自分が担当大臣だという意識を
ものすごく持っている。事務方から上がってくることをこなすだけではなく、こ
うしたらどうか、ああしたらどうかといつも考えていらっしゃるようです。それ
は自分が担当大臣だという意識があるからです。

 もちろん官房長官ですから、岸田総理より先に、絶対表には出ないという姿勢
を貫いていますが、この問題は自分の問題だと考えているというふうに複数の人
から聞いていますし、私もそうだなと思っています。そういう点で、拓也さんが
「支持する」とはっきりおっしゃいましたが、私も同感です。

◆時間的制約は日本にも北朝鮮にもある

 今の状況をどう見るか、そして「朝日新聞」の報道をどう見るかですが、その
ことを話す前提として、私たちが今年の運動方針で、「全拉致被害者の即時一括
帰国が実現するなら(北朝鮮への)人道支援に反対しない」と決めた背景が3つ
あります。そのことをまず頭に入れていただいて、今の状況の説明をしたいと思
います。

 第一に、時間が限られてきたということです。家族会の親の世代で生存されて
いる方は、横田早紀江さんが87歳、有本明弘さんが95歳になっています。早
紀江さんはこの夏晋三の手術をされました。ご本人が明らかにされましたので私
も公開の席で言っています。また、有本のお父さんは車椅子でしか移動できなく
なっています。年齢から言っても、いつ何があるか分からないことになっていま
す。

 私たちの運動は、26年前に家族会が立ち上がった時から始まったのですが、
その時の主たるメンバーは親の世代でした。しかし、その親の世代が一人欠け、
二人欠けと言うことで、今二人しか残っていません。早紀江さんと明弘さんに、
めぐみさんと恵子さんを会わせたい。それができなければ私たちの運動はある面
で失敗なのではないか。

 その時間的制約ということは、実は北朝鮮にとっても言えることです。北朝鮮
は日本から物やお金を取りたいと思っている。人質として拉致被害者を使おうと
思っている。

 私は菅政権の時、4回総理に呼ばれて1対1で会って、「どうしたらいいと思
うか」と聞かれました。政府がやっていることは教えてもらえませんが。その時、
「親の世代が生きている間に被害者を返さなければあなたたちもほしい物をもら
えなくなりますよ」と訴えてほしいと言いました。

 あまり言いたくないことですが、早紀江さんや明弘さんに何らかのことがあっ
た後に、めぐみさんや恵子さんが帰ってきても、日本人は喜びませんよ。「なぜ
親が生きている間に返さなかったのか」と怒りますよ、と。

 何か取りたい物があるなら日本人が「よかった」と思わなければならない。い
くら総理が約束しても「よかった」と国民が思わない限り、日本は民主主義で選
挙がありますから通りませんよ。「よかった」と思うためには、親の世代が存命
中に、それがもう二人になっているんですよということを北朝鮮に訴えてほしい、
と言い続けてきました。

 私もまったくルートがないわけではないので、そういう(生存情報や所在情報)
の作業をしています。北朝鮮の側からみて今何か取りたいのであれば、時間的制
約がでてきた。そのことを岸田総理も去年の10月以降、「時間的制約」という
言葉を使い始めています。以上が第一点です。

◆核・ミサイル問題と拉致問題を切り離さなす

 2点目は、核・ミサイル問題は少なくともバイデン政権の間は動かない。今回
北朝鮮は憲法を改正して、「核武力を発展させる」というような内容を書き加え
た。既に憲法に、「核武装国である」ということは書いてあるわけです。

 そして昨年は核をどういう時に使うのかという法律まで作っています。それま
では「自衛のため」と言っていましたが、「最高首脳部が砲撃された時など相手
が核を使わなくても核の先制攻撃をする」という法律を作っています。

 そしてミサイル発射についてはご承知の通り頻繁にやっています。こういう状
況で国際社会は厳しい経済制裁をかけていますが、アメリカとの間での核・ミサ
イル交渉は完全に途絶えたままです。

 トランプさんがもう一度政権を取ったら金正恩・トランプの人間関係はありま
すから、どうなるか分からない面がありますが、少なくともバイデン政権の間は
無理でしょう。核について法律を作り、憲法にも書いたのですからなかなか難し
いでしょう。

 だから核・ミサイル問題と拉致問題を切り離さない限り、「時間的制約」に間
に合わないのです。これが二番目の状況です。

(2につづく)



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