救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

政府主催国際シンポジウム報告(2023/12/20)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2023.12.20)

■国際シンポジウム報告1

 令和5年12月16日(土)、東京・内幸町のイイノホールにおいて、、政府
主催拉致問題に関するシンポジウム「全ての拉致被害者の一日も早い帰国にての
実現に向けて」が開催されました。

 その中で、家族会から横田拓也代表と飯塚耕一郎事務局長が発言をしています
ので、それを送らせていただきます。

◆絶対に負けられない命のかかった戦い

横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)

 皆様こんにちは。

「北朝鮮による拉致問題を必ず解決させるのだ」という強い気持ちを抱き、会場
にお集まり頂きまして有難うございます。

 最初に、「北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール2023」にご応募頂いた
中学生・高校生の皆様、重大な人権問題である北朝鮮による日本人拉致問題を我
が事として捉え、自分自身に何が出来るのかを考え、そして作文の形で意思表示
して頂きまして感謝致します。

 私の姉横田めぐみは46年間も自由や明るい未来の無い絶望の境地の中で北朝鮮
当局によって人質として拘束され続けています。私の母早紀江は現在87歳です。
本日も本シンポジウムに無理を押して参加させて頂いておりますが、身体の衰え
は隠す事は出来ません。有本恵子さんのお父様明弘さんは95歳の中、救出を求め
る声を上げ本日も遠路から参加されています。どうしても拉致された自分の家族
・子供と再会したい、自由な日本の地に取り戻したいという一心で、言葉を武器
にして戦っています。

 北朝鮮の工作員達が日本の領土に侵入し、主権国家から無実の日本人を拉致し
ているのです。誰かの問題ではなく、国民一人一人が試されている人権問題なの
です。もし自分自身が一方的な暴力による現状変更、つまり工作船の船底の鍵の
かかった部屋に閉じ込められ、家族との絆を引き裂かれたらどう考えるか、皆様
の大切なお子様やご家族が暴力的に拉致された挙句に、食料も不十分で、医療の
恩恵を享受出来ない中で50年近く人質として拘束されたと考えたら、このままで
良いのかを考えて欲しいと思います。

 北朝鮮当局は2500万人の北朝鮮国民の人権、そして私達の大切な家族の人権と
尊厳を犠牲にした上で核開発や弾道ミサイルそして軍事偵察衛星を発射していま
す。許される話ではありません。もっと大きな声で「拉致した日本人全員を帰せ!」
と声を上げて行かなければなりません。

 北朝鮮当局は厳重な監視下で拉致被害者が「いつ・どこで・誰が・何をしてい
るか」を把握しています。拉致被害者がどこにいるか分からないと言う事は無い
のです。分からないという誤った認識に立ち、「連絡事務所」や「合同調査委員
会」などの設置は必要ありません。こうした聞こえの良い提案に耳を傾けてはな
りません。彼らの時間稼ぎと幕引きの工作に手を貸すことになります。日本政府
はこの点を間違ってはいけません。

 家族会・救う会の方針は一貫して政府の認定・未認定にかかわらず「全拉致被
害者の即時一括帰国」というものです。北朝鮮当局の思惑は、部分的解決・段階
的解決のアプローチで出来るだけ少ない拉致被害者を日本に帰国させ、一方で大
規模な経済協力を日本から引き出すのが狙いです。出来るだけ人権侵害のダメー
ジを少なくさせた上で日朝国交正常化に向けた流れを作ろうとしています。安易
な妥協で、北朝鮮が真摯な対応で全ての拉致被害者を帰国させるという幻想は抱
くべきではありません。絶対に「全拉致被害者の即時一括帰国」という要求の水
準を下げてはなりません。

 また家族会・救う会は解決の定義にタイムリミットを設けています。待ってい
る親世代、つまり有本恵子さんのお父様明弘さん、横田めぐみの母早紀江が健在
の内に再会出来なければ解決にはならないと言う事を繰り返し北朝鮮に突き付け
ています。万が一、親世代が他界した後に拉致被害者が帰国出来ても、日本の世
論は「何故親世代が生きている内に帰国させなかったのか」と怒り、日朝国交正
常化交渉を進めて行く事に全力で反対・抗議する事になります。時間的制約のあ
る人権問題なのだと言う事を北朝鮮当局はよく理解するべきです。

 先月11月26日に家族会・救う会・拉致議連が主催した国民大集会に岸田首相に
ご臨席頂きました。その席で踏み込んだ発言をされました。「様々なルートで働
きかけを続けているが、早期の首脳会談実現に向け、働きかけを一層強めて行く」
と話されました。今こそ日本の政治力・外交力が試されています。速やかに日朝
首脳会談を開催し、全拉致被害者が日本に帰国し、家族と再会出来るよう動いて
欲しいと思います。政治の停滞は許されません。

 絶対に負けられない命のかかった戦いです。諦める事の出来ない人権問題です。
皆様の引き続きのご支援とご理解を頂けますようどうぞ宜しくお願い致します。


◆真の解決のために残された時間は長くない

飯塚耕一郎(田口八重子さん長男、家族会事務局長)

 本日は年末のお忙しい中にも関わらず、多くの方々にお集まり頂き誠にありが
とうございます。また、作文コンクールでの発表された方々、中学生サミットに
ご参加された方々誠にありがとうございます。

 今年も12月となり、残りわずかとなりました。この時期になると、よく前代表
であり私の育ての父 飯塚繁雄が「今年も被害者を救えなかった。北朝鮮の地で
待たせ続けていると思うと、本当に申し訳ない」とよくいっていたことを思い出
します。

 私と父は、2000年前半に帰国された5名の方々に伺い、北朝鮮での生活の様子
など色々お話を伺いました。北朝鮮の冬は本当に寒く、生活が本当に大変だった。
電気や燃料などの生活インフラの供給が安定していなかった。それぞれの家には、
オンドルと暖房機器があり、床下で薪などの燃料を炊き、家全体を温めるという
ものです。しかし、ある程度優遇されていた拉致被害者を含めた外国人ですら、
燃料の配給が乏しく、部屋の中も極寒だったそうです。着られる洋服は全て着て、
部屋の片隅に家族全員が集まり寒さをしのいでいたそうです。

 拉致被害者たちは、北朝鮮で我々日本人のようにいつでも好きなものを食べら
れるわけではなく、生活環境は十分でなく、自由は一切なく、同じ招待所で暮ら
している北朝鮮人に監視され、暮らしていると聞きました。

 母 田口八重子は、北朝鮮の暮らしの中で映画に映る子供を見ては涙を流し、
夜しばしば子供を思い出し、涙を流していたと聞いています。北朝鮮の生活の全
容はわかりませんが、ただ孤独を感じ、ただ子供を想い、ただ日本を思い出し、
暮らしていることでしょう。しかもそれが45年。とてつもなく長い期間です。人
生の半分以上です。

 彼女が、横田めぐみさんが、拉致被害者が、何かしたのでしょうか。ただ、被
害者の方々はそれぞれ自身が、その人なりに懸命に生活を送っていただけです。
それが北朝鮮の極悪な、理不尽な理由で、拉致をされ、北朝鮮の地に連れ去られ、
人生の多く時間や夢や希望を奪われました。そして今もそれは奪われ続けています。
拉致問題は現在進行形の問題で、一刻も早く、北朝鮮の地より拉致被害者を救出
する必要があります。

繰り返します。45年です。このとてつもなく長い時間が経過してしまった結果、
真の解決のために残された時間は長くありません。北朝鮮にいる被害者が生きて
健康なうちに帰国し、日本で帰りを待つ家族も健康なままで、涙を流し合いなが
ら再会を喜ぶ姿でなければ、真の解決ではありません。

 これ以上、拉致被害者とその家族、特に親の世代である有本明宏さん、横田早
紀江さんが再会できず、家族の間を死が分かつのであれば、我々はこれまでとは
異なり、心情を押し殺さず、北朝鮮を憎しみ、怒りで見ることになるでしょう。
これまでとは、違う形で北朝鮮へ発信し、戦うことになるでしょう。正直、今は
我々の理性が保てることができるギリギリのラインです。

 ここ数年、日本で帰国を待つ家族が亡くなっています。2020年には横田滋さん、
有本嘉代子さん、2021年には田口八重子さんの長兄であり、私の育ての親であっ
た飯塚繁雄さんなどが亡くなっています。彼らはもう家族に会うことはできませ
ん。

 日本政府は、本気で被害者の救出を考えていますか。もしこの先、また不幸な
出来事が起これば、これまでの家族が亡くなった時、同様「痛恨の極み」の一言
で済ますのですか。

 なぜ、北朝鮮にもっと強く、具体的に日朝首脳会談の開催を訴えないのですか。
毎日でも、毎週でも、毎月でも、首相が、日本政府が発信し、「我々は、一時た
りとも拉致被害者を忘れてない、必ず助ける」と公の場で声を上げてください。

 金正恩委員長と北朝鮮は、「全拉致被害者の即時一括帰国」の決断を行ってく
ださい。真の解決のタイミングは今しかないのです。これ以上、不幸が起これば
我々は貴方がたを命の限り許さないことになるでしょう。

 会場の皆さん、お願いです。我々と同じく声を上げてください。拉致被害者の
ことを周りに伝えてください。日本政府へ声を上げてください。 我々に寄り添っ
てください。我々家族と拉致被害者が、残されたわずかな人生の時間を、日本で、
静かな日常生活を送れるようご協力をお願いします。

 ご清聴有難うございました。

以上

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■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿

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