国民大集会報告1(2024/05/13)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2024.05.13-1)
5月11日、国民大集会が千代田区の砂防会館のシェーンバッハ・サボーで開
催されました。以下はその報告です。
西岡力(救う会会長、総合司会)
「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」を始めたいと思います。
今日は、私西岡力が司会を務めます。宜しくお願い致します(拍手)。
それではまず、主催者の一つである家族会を代表して横田拓也さんにご挨拶をい
ただきます。宜しくお願い致します(拍手)。
◆苦渋の判断で対話路線に軸足を移した
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)
皆様こんにちは。家族会代表の横田拓也です。
必ず北朝鮮による日本人拉致問題を解決させると言う強い覚悟と意思をもって
会場にお集まり頂いた皆様、心から感謝申し上げます。
また、岸田首相並びに林官房長官におかれましては、大変お忙しいなか国民大
集会にご出席頂きまして誠に有難うございます。
家族会・救う会・拉致議連の三団体は4月29日?5月3日にかけて訪米して
参りました。ご同行頂いた古屋先生、山谷先生、塚田先生、北村先生、そして空
港で熱い気持ちでお見送り頂いた松原先生、誠に有難うございました。議連秘書
会の皆様方、拉致問題対策本部・外務省・在米日本大使館の皆様方にもお礼申し
上げます。
今回の訪米の目的は一点に絞られます。今年2月に作成した家族会・救う会の
運動方針を米国側にご理解頂くためです。
新しい運動方針である「親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰
国が実現するなら、我が国が人道支援を行うことと、わが国がかけている独自制
裁を解除することに反対しない」という中の、「独自制裁を解除する事に反対し
ない」と言う部分について、その文言の背景を丁寧に説明しご理解頂くためです。
私個人の北朝鮮への感情は“怒り”、“憎しみ”、“敵対心”、“恨み”しか
ありません。拉致されなければ自由で明るい人生を送れたはずの時間や家族との
絆を、“一方的な暴力による現状変更”で大切な人生を奪われた事を考えれば当
然です。絶対に許す事は出来ません。
それでも親世代の家族が健在の内に、拉致された家族や兄弟との再会を実現さ
せる事を優先するために、苦渋の判断で対話路線に軸足を移した事を伝えてきま
した。
また、国際社会が課している制裁の枠組みを逸脱しない日本独自の制裁解除に
反対しないと言う主旨、更に北朝鮮が拉致問題解決つまり全拉致被害者の即時一
括帰国を約束しない限り制裁を緩めてはならない事を訴えて来ました。
面会させて頂いた全ての方から私達の方針と考え方にご理解を頂き、異論や反
対の声は一切ありませんでした。実りある成果を得る事が出来たと思います。
家族会は1997年に設立し、現在親世代で健在な方は有本恵子さんのお父様
明弘さん95歳、そして13歳で拉致された横田めぐみの母であり私の母でもあ
る横田早紀江88歳の二人だけです。本日も無理を押して国民大集会に参加し、
拉致問題の解決を願って戦っています。時間的制約のある人権問題・人道問題で
ある事を改めて認識する必要があります。
日本と北朝鮮との間で水面下交渉が行われている事は金与正(キム・ヨジョン)
副部長の談話を見ても明らかな事実です。
北朝鮮は「拉致は解決済みだ」と繰り返し発言していますが、私達はこれを一
切受け入れる事は出来ません。どれだけ汚い言葉で私達を揺さぶろうとも、どれ
だけ攻撃的表現で人権侵害の事実を無かったものにしようと試みようが私達が動
じる事はありません。
“暴力と恐怖の支配の力”以上に私達の“家族愛の力”が強いからです。拉致
事件の解決の定義は加害者側が決めるものではなく、被害者側が決めるものです。
◆金正恩委員長に
金正恩委員長に伝えます。
今私達は歴史の転換点に立っています。あなたの代ではなく過去の代で実行さ
れた人権問題・人道問題である拉致事件を解決し、両国が明るい未来を描くため
の鍵をあなたが持っています。過去の邪悪な負の遺産をあなたに押し付けようと
している連中の言葉に惑わされないで下さい。
日朝が良好な関係を生み出すには人道問題である拉致事件を解決させる必要が
あります。過去の代と同じ轍を踏めば、この先何十年も苦難の道を歩み続け、
「白いご飯と肉の入ったスープ」を口にする夢は到底叶いません。国際社会から
人権侵害を名指しで非難されたまま、後継者にその汚名を引き継ぐことは賢明で
はありません。
これまで幾度も伝えている通り、拉致被害者が帰国した後に秘密を聞き出し暴
露する事はしません。また全拉致被害者の即時一括帰国が果たされれば日朝国交
正常化に反対する事はしません。この点をどうか信じて下さい。私達は単純に拉
致された自分達の家族や兄弟を帰して欲しいだけなのです。
金正恩委員長の勇気ある英断に掛かっています。過去の代で行われた負の歴史
と決別して欲しいと願っています。
◆日本政府に
日本政府にお願いです。
水面下の交渉で厳しい条件闘争があるのだと思いますが、どうか「全拉致被害
者の即時一括」という要求の水準を下げることなく、怒りの気持ちを強くもって
交渉を続けて欲しいと思います。
また、北朝鮮から持ち掛けられるであろう「合同調査委員会」や「連絡事務所」
の設置と言った幕引きや時間稼ぎのための誘いに決して乗る事が無いよう注意し
て頂きたく思います。
最後に、姉横田めぐみは今年の10月で60歳を迎えます。私達家族には13
歳の中学生の頃の顔しか記憶がありません。母早紀江と姉めぐみがこの日本の地
で再会し、抱き合える事が出来るよう力を貸して下さい。青い空に浮かぶ白い雲
を見ながら「やっと自由になれたね」とめぐみに伝える事が母早紀江の夢です。
どのご家族もこうした小さな夢と希望を持って再会を待っています。絶対に負
ける訳にはいきません。諦める事の出来ない戦いです。引き続きのご理解とご支
援を頂けますようどうぞ宜しくお願い致します。ありがとうございます(拍手)。
◆大集会で私たちが何を言うか、平壌は注視している
西岡 今日の大集会は、非常に重大な意味を持っていると思います。昨年の5月、
同じ土曜日に国民大集会を開きました。そうしたら月曜日に、「岸田首相がこの
集会で高いレベルで協議をしたいと言った」と引用された外務次官談話が出まし
た。今日もここで私たちが何を言うか、平壌は注視していると思います。
今の拓也さんのメッセージも金正恩委員長に確実に伝わると私は思っています。
この大集会で、みんなで、「日本中が怒っている。決断してほしい」という気持
ちを伝えようではありませんか。宜しくお願い致します(拍手)。
◆参加家族紹介
ここで参加された家族会メンバーを紹介します。
まず横田拓也家族会代表。今挨拶されました(拍手、以下略)。
次に、横田めぐみさんの母、横田早紀江さん。
ご本人も拉致被害者であり、また拉致被害者曽我ミヨシさんの娘、曽我ひとみさん。
横田めぐみさんのもう一人の弟、横田哲也さん。
田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん。
田口八重子さんの兄、本間勝さん。
有本恵子さんの父、有本明弘さん。
市川修一さんの兄、市川健一さん。
増元るみ子さんの弟、増元照明さん。
松木薫さんの姉、斉藤文代さん。
松木薫さんの弟、松木信宏さん。
松本京子さんの兄、松本孟(はじめ)さん。
寺越昭二さんの長男、寺越昭男さん。
帰国された地村富貴恵さんの兄、浜本七郎さん。
以上の家族を代表して、横田早紀江さんに訴えをお願いいたします(拍手)。
◆金正恩氏に「心を入れ替えて頑張ってください」
横田早紀江(横田めぐみさん母)
皆様、こんにちは。たくさんの皆様にご来場いただき、本当にありがとうござ
います。
段々と体が衰えてなかなかうごけなくなる状況ですが、今年は調子がよくて、
頑張らなければと思っています。
私は今日、金正恩氏にお願いをいたします。
いつもかわいい女の子があなたの横にいらっしゃいますよね。私たちの子ども
たちもみんなのようにかわいくて、大事に大事に育ててきました。今あなたの横
にいるそのお子様が突然消えて、まったく分からない状況が続いたらどうでしょ
うか。
既に40数年が過ぎてしまいましたが、まだめぐみちゃんの様子は何も分から
ない。どこでどうしているかも分からないままで、私たちは帰りを待っています。
色々な方に助けられて何とかこれまで活動が続いていますが、肝心なものが何に
も見えてこない。どうしてこんなに長くかかるんだろうと思っています。
金正恩さん、あなたのお嬢様が突然今日の夕方、何の意味もなく消えてしまい、
どこにいるかも分からないという状態になった時に、あなたはどのようなお気持
ちになりますか。この国では一人くらいいなくなったっていいんだ、と思われる
のでしょう。
人間とはそんなものではないのです。血潮が流れており、みんなが愛し合って、
仲良く暮らしていこうというのが人間なんです。
どうしてこのように恐ろしいことが起きるのか。私たちは本当に悲しく思って
います。どうか心を変えてください。そこに元気でいる皆さんを全部親の元にお
返しください。そしてみんなが仲良く暮らしていけるように心を入れ替えて頑張っ
てください。心からお願いをいたします。お返しください(拍手)。
◆母の日に、母にカーネーションをあげてみたい
曽我ひとみ(帰国した拉致被害者、曽我ミヨシさん娘)
皆さん、今日は。本日はお休みの所、たくさんの方がこの場に足を運んでいた
だき、心から感謝しています。ありがとうございます。
3月の初めでした。もう15年以上、夢にも出てきてくれなかった母が、急に
夢に出てくれました。母は、暖かいこたつに入って、にこにこと笑って私の方を
見ていました。
私たち親子が拉致事件にあわなければ、冬の寒い時、みんなで楽しい話をしな
がら暖かいこたつに入って、おいしいみかんを食べていたと思います。そんな、
ごく普通のことが、できないのです。
私は、母と一緒にこたつに入って、笑いながらたくさん話をしたいと思ってい
ます。あすは母の日です。もう46、7年もの間、母にカーネーション1本あげ
ることもできないでいます。
時々店に行くと、「明日は母の日です。何かお母さんにプレゼントするのはど
うですか」というアナウンスが流れることがあります。なぜ私の母は、私のそば
にいないんだろう。一体私たち親子が何をしたというのでしょうか。絶対に許す
ことのできない拉致問題です。本当に時間がありません。一日も早く、日朝が交
渉のテーブルにつき、二人が並んで、拉致被害者全員が家族のもとに1日、1時
間でも早く帰ってくることを私は心から願っています。
そのためには皆様方のお力が大変大きいと思います。今後ともご支援を宜しく
お願い致します。本日はありがとうございました(拍手)。
◆金正恩が目論んでいることは拉致問題の風化
古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)
いつも申し上げていることですが、今年もこの全国大会を開催せざるを得ず、
誠に申し訳ありません。本当に忸怩たる思いです。
21年前に一部の拉致被害者が帰って以来、進展がありません。家族会は、す
べての拉致被害者の即時一括帰国を強く主張しています。しかしまだそれが実現
していないことは、我々にとっても本当に申し訳ない気持ちです。
しかし皆さん、相手は独裁者である北朝鮮の金正恩委員長です。その北朝鮮は
国連や国際社会の再々の警告を全く無視して、ミサイル開発や核開発にのめりこ
んでいます。
そしてロシアとは武器の提供、労働力の提供で手を握っています。プーチン・
金正恩会談が行われたということ一つとっても、我々は怒りを覚えます。
北朝鮮の実態は皆さんご承知の通り、経済事情も食糧事情も最悪です。現に、
北朝鮮の在外公館は相次いで撤退しています。そして国内では、常軌を逸した粛
清を始めとする人権侵害が行われている。
北朝鮮は、核とミサイルさえ実用化すれば、大国アメリカとも堂々と渡り合え
ると思い込んで、のめり込んでいるのが現実です。
家族会、救う会、拉致議連は連休を利用して訪米してきました。精力的に色々
な関係者と会いました。特に拉致問題に非常に関心を示す上下両院の議員、ある
いは国務省を始めとする政府の高官、そしてシンクタンクの識者と精力的に議論
をしてきました。
そして拉致問題解決への共通認識することができました。これは大変な成果だっ
たと思います。家族会の横田代表からもお話がありましたように、ポイントはハ
ガティ元駐日大使(上院議員)、そして日本人拉致問題で国会議決を目指そうと
いう議員、国務省の事務方のトップである筆頭次官補代理等と真摯な議論ができ
ました。
拉致問題解決に向けての日米の連携の絆、信頼は、今までになく強まっている
ことを、私たちは皮膚感覚で実感することができました。
そしてもう一つ印象的だったのは、NSC上級部長(ホワイトハウス)で大統領
補佐官を務めるラップ=フーパーさんで、「私も二人の子どもを持つ母親だけど、
拉致がいかに非人道的か本当に痛いほどよく分かる。米国政府も徹底的に協力し
たい」とおっしゃっていました。
昨日は我々は官邸に、岸田総理に報告に伺いましたが、真摯に我々の言葉を聞
いてくださいました。後ほどご挨拶いただきますが、岸田総理も公式の場で、
「時間的制約のある拉致問題はひとときもゆるがせにできない」、「金正恩氏と
の首脳会談を目指し直轄のハイレベル協議を進めていきたい」と言明しています。
国会においても同様の答弁をしています。
我々拉致議連も、この総理の覚悟に全面的に賛同し、そして背中を押して、そ
れぞれの立場であらゆる手段を尽くしていくことをお約束したいと思います。
金正恩委員長は、1月の能登半島地震の時、異例のメッセージを送ってきまし
た。何かのサインかもしれません。あらゆるチャンネルを駆使して、その真意を
しっかり分析して、金正恩委員長がすべてのことを決めているあの北朝鮮におい
て、金正恩委員長に、「拉致問題を解決することこそが唯一北朝鮮に明るい未来
をもたらすこと」をしっかり分からせることが大切だと思います。
今日はそのために全国から大勢の皆さんに集まっていただきました。ありがと
うございます。
金正恩が目論んでいることは何か。拉致問題の風化なんです。絶対にそれを許
してはいけないんです。だからこそ、多くの若い世代の皆さんにも、拉致は国家
によるテロなんだ、究極の人権侵害なんだということをはっきり訴えていただい
て、その強い覚悟で啓発を全国で引き続きやっていただきたい。金正恩委員長が
一番嫌なことなんです。だからこそやっていただきたいと心からお願い申し上げ
ます。宜しくお願い致します(拍手)。
(2につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
5月11日、国民大集会が千代田区の砂防会館のシェーンバッハ・サボーで開
催されました。以下はその報告です。
西岡力(救う会会長、総合司会)
「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」を始めたいと思います。
今日は、私西岡力が司会を務めます。宜しくお願い致します(拍手)。
それではまず、主催者の一つである家族会を代表して横田拓也さんにご挨拶をい
ただきます。宜しくお願い致します(拍手)。
◆苦渋の判断で対話路線に軸足を移した
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)
皆様こんにちは。家族会代表の横田拓也です。
必ず北朝鮮による日本人拉致問題を解決させると言う強い覚悟と意思をもって
会場にお集まり頂いた皆様、心から感謝申し上げます。
また、岸田首相並びに林官房長官におかれましては、大変お忙しいなか国民大
集会にご出席頂きまして誠に有難うございます。
家族会・救う会・拉致議連の三団体は4月29日?5月3日にかけて訪米して
参りました。ご同行頂いた古屋先生、山谷先生、塚田先生、北村先生、そして空
港で熱い気持ちでお見送り頂いた松原先生、誠に有難うございました。議連秘書
会の皆様方、拉致問題対策本部・外務省・在米日本大使館の皆様方にもお礼申し
上げます。
今回の訪米の目的は一点に絞られます。今年2月に作成した家族会・救う会の
運動方針を米国側にご理解頂くためです。
新しい運動方針である「親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰
国が実現するなら、我が国が人道支援を行うことと、わが国がかけている独自制
裁を解除することに反対しない」という中の、「独自制裁を解除する事に反対し
ない」と言う部分について、その文言の背景を丁寧に説明しご理解頂くためです。
私個人の北朝鮮への感情は“怒り”、“憎しみ”、“敵対心”、“恨み”しか
ありません。拉致されなければ自由で明るい人生を送れたはずの時間や家族との
絆を、“一方的な暴力による現状変更”で大切な人生を奪われた事を考えれば当
然です。絶対に許す事は出来ません。
それでも親世代の家族が健在の内に、拉致された家族や兄弟との再会を実現さ
せる事を優先するために、苦渋の判断で対話路線に軸足を移した事を伝えてきま
した。
また、国際社会が課している制裁の枠組みを逸脱しない日本独自の制裁解除に
反対しないと言う主旨、更に北朝鮮が拉致問題解決つまり全拉致被害者の即時一
括帰国を約束しない限り制裁を緩めてはならない事を訴えて来ました。
面会させて頂いた全ての方から私達の方針と考え方にご理解を頂き、異論や反
対の声は一切ありませんでした。実りある成果を得る事が出来たと思います。
家族会は1997年に設立し、現在親世代で健在な方は有本恵子さんのお父様
明弘さん95歳、そして13歳で拉致された横田めぐみの母であり私の母でもあ
る横田早紀江88歳の二人だけです。本日も無理を押して国民大集会に参加し、
拉致問題の解決を願って戦っています。時間的制約のある人権問題・人道問題で
ある事を改めて認識する必要があります。
日本と北朝鮮との間で水面下交渉が行われている事は金与正(キム・ヨジョン)
副部長の談話を見ても明らかな事実です。
北朝鮮は「拉致は解決済みだ」と繰り返し発言していますが、私達はこれを一
切受け入れる事は出来ません。どれだけ汚い言葉で私達を揺さぶろうとも、どれ
だけ攻撃的表現で人権侵害の事実を無かったものにしようと試みようが私達が動
じる事はありません。
“暴力と恐怖の支配の力”以上に私達の“家族愛の力”が強いからです。拉致
事件の解決の定義は加害者側が決めるものではなく、被害者側が決めるものです。
◆金正恩委員長に
金正恩委員長に伝えます。
今私達は歴史の転換点に立っています。あなたの代ではなく過去の代で実行さ
れた人権問題・人道問題である拉致事件を解決し、両国が明るい未来を描くため
の鍵をあなたが持っています。過去の邪悪な負の遺産をあなたに押し付けようと
している連中の言葉に惑わされないで下さい。
日朝が良好な関係を生み出すには人道問題である拉致事件を解決させる必要が
あります。過去の代と同じ轍を踏めば、この先何十年も苦難の道を歩み続け、
「白いご飯と肉の入ったスープ」を口にする夢は到底叶いません。国際社会から
人権侵害を名指しで非難されたまま、後継者にその汚名を引き継ぐことは賢明で
はありません。
これまで幾度も伝えている通り、拉致被害者が帰国した後に秘密を聞き出し暴
露する事はしません。また全拉致被害者の即時一括帰国が果たされれば日朝国交
正常化に反対する事はしません。この点をどうか信じて下さい。私達は単純に拉
致された自分達の家族や兄弟を帰して欲しいだけなのです。
金正恩委員長の勇気ある英断に掛かっています。過去の代で行われた負の歴史
と決別して欲しいと願っています。
◆日本政府に
日本政府にお願いです。
水面下の交渉で厳しい条件闘争があるのだと思いますが、どうか「全拉致被害
者の即時一括」という要求の水準を下げることなく、怒りの気持ちを強くもって
交渉を続けて欲しいと思います。
また、北朝鮮から持ち掛けられるであろう「合同調査委員会」や「連絡事務所」
の設置と言った幕引きや時間稼ぎのための誘いに決して乗る事が無いよう注意し
て頂きたく思います。
最後に、姉横田めぐみは今年の10月で60歳を迎えます。私達家族には13
歳の中学生の頃の顔しか記憶がありません。母早紀江と姉めぐみがこの日本の地
で再会し、抱き合える事が出来るよう力を貸して下さい。青い空に浮かぶ白い雲
を見ながら「やっと自由になれたね」とめぐみに伝える事が母早紀江の夢です。
どのご家族もこうした小さな夢と希望を持って再会を待っています。絶対に負
ける訳にはいきません。諦める事の出来ない戦いです。引き続きのご理解とご支
援を頂けますようどうぞ宜しくお願い致します。ありがとうございます(拍手)。
◆大集会で私たちが何を言うか、平壌は注視している
西岡 今日の大集会は、非常に重大な意味を持っていると思います。昨年の5月、
同じ土曜日に国民大集会を開きました。そうしたら月曜日に、「岸田首相がこの
集会で高いレベルで協議をしたいと言った」と引用された外務次官談話が出まし
た。今日もここで私たちが何を言うか、平壌は注視していると思います。
今の拓也さんのメッセージも金正恩委員長に確実に伝わると私は思っています。
この大集会で、みんなで、「日本中が怒っている。決断してほしい」という気持
ちを伝えようではありませんか。宜しくお願い致します(拍手)。
◆参加家族紹介
ここで参加された家族会メンバーを紹介します。
まず横田拓也家族会代表。今挨拶されました(拍手、以下略)。
次に、横田めぐみさんの母、横田早紀江さん。
ご本人も拉致被害者であり、また拉致被害者曽我ミヨシさんの娘、曽我ひとみさん。
横田めぐみさんのもう一人の弟、横田哲也さん。
田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん。
田口八重子さんの兄、本間勝さん。
有本恵子さんの父、有本明弘さん。
市川修一さんの兄、市川健一さん。
増元るみ子さんの弟、増元照明さん。
松木薫さんの姉、斉藤文代さん。
松木薫さんの弟、松木信宏さん。
松本京子さんの兄、松本孟(はじめ)さん。
寺越昭二さんの長男、寺越昭男さん。
帰国された地村富貴恵さんの兄、浜本七郎さん。
以上の家族を代表して、横田早紀江さんに訴えをお願いいたします(拍手)。
◆金正恩氏に「心を入れ替えて頑張ってください」
横田早紀江(横田めぐみさん母)
皆様、こんにちは。たくさんの皆様にご来場いただき、本当にありがとうござ
います。
段々と体が衰えてなかなかうごけなくなる状況ですが、今年は調子がよくて、
頑張らなければと思っています。
私は今日、金正恩氏にお願いをいたします。
いつもかわいい女の子があなたの横にいらっしゃいますよね。私たちの子ども
たちもみんなのようにかわいくて、大事に大事に育ててきました。今あなたの横
にいるそのお子様が突然消えて、まったく分からない状況が続いたらどうでしょ
うか。
既に40数年が過ぎてしまいましたが、まだめぐみちゃんの様子は何も分から
ない。どこでどうしているかも分からないままで、私たちは帰りを待っています。
色々な方に助けられて何とかこれまで活動が続いていますが、肝心なものが何に
も見えてこない。どうしてこんなに長くかかるんだろうと思っています。
金正恩さん、あなたのお嬢様が突然今日の夕方、何の意味もなく消えてしまい、
どこにいるかも分からないという状態になった時に、あなたはどのようなお気持
ちになりますか。この国では一人くらいいなくなったっていいんだ、と思われる
のでしょう。
人間とはそんなものではないのです。血潮が流れており、みんなが愛し合って、
仲良く暮らしていこうというのが人間なんです。
どうしてこのように恐ろしいことが起きるのか。私たちは本当に悲しく思って
います。どうか心を変えてください。そこに元気でいる皆さんを全部親の元にお
返しください。そしてみんなが仲良く暮らしていけるように心を入れ替えて頑張っ
てください。心からお願いをいたします。お返しください(拍手)。
◆母の日に、母にカーネーションをあげてみたい
曽我ひとみ(帰国した拉致被害者、曽我ミヨシさん娘)
皆さん、今日は。本日はお休みの所、たくさんの方がこの場に足を運んでいた
だき、心から感謝しています。ありがとうございます。
3月の初めでした。もう15年以上、夢にも出てきてくれなかった母が、急に
夢に出てくれました。母は、暖かいこたつに入って、にこにこと笑って私の方を
見ていました。
私たち親子が拉致事件にあわなければ、冬の寒い時、みんなで楽しい話をしな
がら暖かいこたつに入って、おいしいみかんを食べていたと思います。そんな、
ごく普通のことが、できないのです。
私は、母と一緒にこたつに入って、笑いながらたくさん話をしたいと思ってい
ます。あすは母の日です。もう46、7年もの間、母にカーネーション1本あげ
ることもできないでいます。
時々店に行くと、「明日は母の日です。何かお母さんにプレゼントするのはど
うですか」というアナウンスが流れることがあります。なぜ私の母は、私のそば
にいないんだろう。一体私たち親子が何をしたというのでしょうか。絶対に許す
ことのできない拉致問題です。本当に時間がありません。一日も早く、日朝が交
渉のテーブルにつき、二人が並んで、拉致被害者全員が家族のもとに1日、1時
間でも早く帰ってくることを私は心から願っています。
そのためには皆様方のお力が大変大きいと思います。今後ともご支援を宜しく
お願い致します。本日はありがとうございました(拍手)。
◆金正恩が目論んでいることは拉致問題の風化
古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)
いつも申し上げていることですが、今年もこの全国大会を開催せざるを得ず、
誠に申し訳ありません。本当に忸怩たる思いです。
21年前に一部の拉致被害者が帰って以来、進展がありません。家族会は、す
べての拉致被害者の即時一括帰国を強く主張しています。しかしまだそれが実現
していないことは、我々にとっても本当に申し訳ない気持ちです。
しかし皆さん、相手は独裁者である北朝鮮の金正恩委員長です。その北朝鮮は
国連や国際社会の再々の警告を全く無視して、ミサイル開発や核開発にのめりこ
んでいます。
そしてロシアとは武器の提供、労働力の提供で手を握っています。プーチン・
金正恩会談が行われたということ一つとっても、我々は怒りを覚えます。
北朝鮮の実態は皆さんご承知の通り、経済事情も食糧事情も最悪です。現に、
北朝鮮の在外公館は相次いで撤退しています。そして国内では、常軌を逸した粛
清を始めとする人権侵害が行われている。
北朝鮮は、核とミサイルさえ実用化すれば、大国アメリカとも堂々と渡り合え
ると思い込んで、のめり込んでいるのが現実です。
家族会、救う会、拉致議連は連休を利用して訪米してきました。精力的に色々
な関係者と会いました。特に拉致問題に非常に関心を示す上下両院の議員、ある
いは国務省を始めとする政府の高官、そしてシンクタンクの識者と精力的に議論
をしてきました。
そして拉致問題解決への共通認識することができました。これは大変な成果だっ
たと思います。家族会の横田代表からもお話がありましたように、ポイントはハ
ガティ元駐日大使(上院議員)、そして日本人拉致問題で国会議決を目指そうと
いう議員、国務省の事務方のトップである筆頭次官補代理等と真摯な議論ができ
ました。
拉致問題解決に向けての日米の連携の絆、信頼は、今までになく強まっている
ことを、私たちは皮膚感覚で実感することができました。
そしてもう一つ印象的だったのは、NSC上級部長(ホワイトハウス)で大統領
補佐官を務めるラップ=フーパーさんで、「私も二人の子どもを持つ母親だけど、
拉致がいかに非人道的か本当に痛いほどよく分かる。米国政府も徹底的に協力し
たい」とおっしゃっていました。
昨日は我々は官邸に、岸田総理に報告に伺いましたが、真摯に我々の言葉を聞
いてくださいました。後ほどご挨拶いただきますが、岸田総理も公式の場で、
「時間的制約のある拉致問題はひとときもゆるがせにできない」、「金正恩氏と
の首脳会談を目指し直轄のハイレベル協議を進めていきたい」と言明しています。
国会においても同様の答弁をしています。
我々拉致議連も、この総理の覚悟に全面的に賛同し、そして背中を押して、そ
れぞれの立場であらゆる手段を尽くしていくことをお約束したいと思います。
金正恩委員長は、1月の能登半島地震の時、異例のメッセージを送ってきまし
た。何かのサインかもしれません。あらゆるチャンネルを駆使して、その真意を
しっかり分析して、金正恩委員長がすべてのことを決めているあの北朝鮮におい
て、金正恩委員長に、「拉致問題を解決することこそが唯一北朝鮮に明るい未来
をもたらすこと」をしっかり分からせることが大切だと思います。
今日はそのために全国から大勢の皆さんに集まっていただきました。ありがと
うございます。
金正恩が目論んでいることは何か。拉致問題の風化なんです。絶対にそれを許
してはいけないんです。だからこそ、多くの若い世代の皆さんにも、拉致は国家
によるテロなんだ、究極の人権侵害なんだということをはっきり訴えていただい
て、その強い覚悟で啓発を全国で引き続きやっていただきたい。金正恩委員長が
一番嫌なことなんです。だからこそやっていただきたいと心からお願い申し上げ
ます。宜しくお願い致します(拍手)。
(2につづく)
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■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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