救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

東京連続集会128訪米報告と北朝鮮の動きについて(2024/05/31)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2024.05.31)

令和6年5月30日、第128回救う会東京連続集会が、文京区民センターで開催され
ました。家族会・救う会は、4月29日から5月4日まで、拉致議連とともに訪米
しましたが、新運動方針について米政府関係者、上下両院議員、北朝鮮専門家の
理解、支持を得ることが目的でした。

 家族会の横田拓也代表、救う会の西岡力会長、島田洋一副会長が訪米の成果や
今後の課題などについて報告し、さらに、西岡会長が北朝鮮の最新の動きについ
て報告しました。

◆家族会・救う会の運動方針に米国側も理解と支持

横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)

 家族会代表の横田拓也と申します。お忙しい中、お集まり頂いた皆様、有難う
ございます。

 本日はこのゴールデンウイーク期間中に訪米した件についてご報告させて頂き
ます。

 4月29日から5月3日に掛けて、日本には4日に帰ってきましたが、家族会
・救う会・拉致議連の三団体で昨年に続き訪米して参りました。同行下さった拉
致議連メンバーは、自民党の古屋先生、山谷先生、塚田先生、北村先生です。

 面会先はアメリカの国家安全保障会議、国務省、財務省、上下両院議員、シン
クタンクの方々です。

 今回の訪米の目的は、今年2月に作成した家族会・救う会の運動方針をご理解
頂くためです。

 昨年の運動方針は「北朝鮮が全拉致被害者の即時一括帰国を約束すれば、日本
政府が北朝鮮に人道支援する事に反対はしない」、としました。また、全拉致被
害者の帰国にタイムリミットを設けています。親世代が健在な内、存命の内に実
行させる事を求めています。

 そして今年2月25日に、今年度の新たな運動方針を作成しました。「親の世
代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国が人道
支援を行うことと、わが国がかけている独自制裁を解除することに反対しない」
というものです。

 私個人の立場では、北朝鮮への感情は「怒り」「憎しみ」「恨み」「敵対心」
しかありません。姉めぐみの人生、尊厳、夢、希望を一方的に奪った相手を許す
事は絶対に出来ないからです。それでも、姉めぐみとの再会を実現するべく、対
話に舵を切ったのです。苦渋の判断です。

 この新たに文言追加した、「わが国がかけている独自制裁を解除することに反
対しない」という部分について、決して国際社会が課している制裁を逸脱するも
のではない事、北朝鮮が人権侵害問題である拉致問題解決をしない限り制裁を緩
めてはならない事を丁寧に伝え、私達の新たな運動方針に対しての反対の意見は
誰からも出る事はありませんでした。この確認を取れた事は大きな成果であった
と考えています。勿論、人道支援の使途について透明性確保が重要である事は言
うまでもありません。

 米国側の反応を在米日本大使館内で行った記者会見の場や、帰国後に岸田首相
・林官房長官にもお伝えし、その報道が広くされた事自体が北朝鮮側にしっかり
届いたと考えています。

 日朝の水面下交渉において、日本側の方針に米国が反対していない事を北朝鮮
側が知る事で、安心した交渉環境醸成に寄与したと認識しています。

 三団体の訪米前に日米首脳会談がアメリカで開催された事、岸田首相が米国議
会で発言された事が深く浸透しており、面会時の米国側の受け入れはとても深く
そして温かなものでした。調整頂いた外務省、在米日本大使館、拉致問題対策本
部の皆様に感謝すると共に、在京の米国大使館他の皆様にも感謝致します。

 訪米報告とは別に、今週5月28日に衆議院拉致特別委員会に参考人として出
席し、発言して参りました。家族会から私横田拓也、救う会から西岡会長、特定
失踪者問題調査会家族会から大澤さん、特定失踪者問題調査会から荒木代表がそ
れぞれ持ち時間10分の中で発言し、その後に各党からの質問に対して回答する
ものです。当日の様子は「衆議院インターネット審議中継」サイトでご確認頂け
ます。

◆解決の定義は、加害者が決めるものではなく、被害者が決めるもの

 私からは今回の訪米報告に加え、改めて私達が求めている解決の定義は、政府
の認定・未認定に関わらず「全拉致被害者の即時一括帰国」である事を説明し、
「部分的解決」や「段階的解決」は求めていない事や、「連絡事務所」や「合同
調査委員会」設置も求めていない事を表明しました。

 更に、日朝が対話局面にあるとはいえ、北朝鮮が引き続き人質外交を続け、親
世代が健在・存命の内に拉致問題の完全解決が果たされない事を視野に入れて、
日本の更なる強い独自制裁は何が出来るかを国会が真剣に今から議論して欲しい
事を求めてきました。

 つまり、災害や地震と一緒で、発生してから考え始めては遅いと言う事です。
対話局面は維持しつつも、万が一の事を想定して守りと備えをしておく必要があ
るという事です。

 この点については、衆議院拉致特別委員会の翌日に開催された自民党拉致問題
対策本部の席でも発言し、当該本部内でも党としてもこの家族会代表の訴えを真
剣に受け止めなくてはならないとのコメントを頂いた次第です。

 北朝鮮が投げてくる日朝交渉に向けた楽観的観測気球とその翌日には交渉自体
を否定し日本との関係を断つかのような威嚇的談話があり、心理戦の連続です。

 日本はこうした汚い言葉に動じることなく、原則論を貫いて外交交渉を徹底し
て欲しいと思います。彼らの発言の裏には、自らの焦りと心の揺らぎがあるだけ
です。加害者側が北朝鮮であり、被害者側が日本です。加害者側に譲歩する必要
はありません。解決の定義は加害者が決めるものではなく、被害者が決めるもの
です。

 今こそ政治力・外交力が求められています。この中で一番大切になるのは岸田
首相のリーダーシップと自らの言葉に熱量を込めた言葉の力です。日朝両国が双
方に抱える人道問題を解決する事で両国が明るい未来を描けるのだという展望を
強く発して欲しいと思います。

 そして金正恩委員長においては、過去の世代が行った人権侵害事案をあなたの
代で解決させる事で、力強いリーダー像を国内外に示し、娘のキム・ジュエさん
にも正しい父親像を示して欲しいと思います。

 引き続きの皆様のご理解とご支援を頂けますよう宜しくお願い致します。あり
がとうございます(拍手)。

◆米NSC、国務省、財務省、上下両院議員等と面会

西岡力(救う会会長)

 4月29日から16件の面会となりましたが、実は私と島田さんは1日早く行
き、二人だけで1件面会しました。

 参加したのは、参加者は家族会から横田拓也代表、飯塚耕一郎事務局長、救う
会から私と、島田洋一副会長、拉致議連から古屋圭司衆議院議員(訪米団長)、
山谷えり子参議院議員、塚田一郎衆議院議員、北村経夫参議院議員。政府拉致対
策本部から平井康夫内閣審議官、井関至康内閣参事官(政策企画室長)ほか4名、
外務省から今回初めてですが、前田修司北東アジア第二課長が参加していただき
ました。

 昔は北東アジア課は一つで、韓国と北朝鮮をやっていましたが、今忙しいとい
うことで、第一と第二を作り、第二課が北朝鮮担当です。北朝鮮担当の課長が、
全部の日程を付き合ってくださいました。

 異例の体制で今回の訪米をバックアップしてくださり、在米日本大使館もバッ
クアップしてくださいました。これだけの人に簡単に会えないわけですが、アポ
を取ってくださったので会えました。バックアップしてくださった対策本部の皆
さん、外務省の皆さん、そしてアメリカの関係者の皆様に感謝したいと思います。

 いつも「訪米アピール」を持っていくのですが、次のページに、「尊敬するア
メリカ合衆国の政府、議会、専門家の皆さま」と書いたものがあります。これを
英語にして全面会者の方にお渡ししました。

 冒頭見てお分かりのように、「昨年に続き訪米し、この間の北朝鮮による日本
人拉致問題をめぐる状況をお伝えします」として、昨年以降何があったのかが書
かれています。そこに新運動方針のことも書いています。

 つまり今回初めて会った方もいらっしゃいますが、私たちは2000年から毎
年、少なくとも1回、ある時は2回、3回と訪米していますので、特に国務省の
やホワイトハウスのNSCの関係者等は大変理解が深くなっています。

 「13歳の少女が拉致されています」等と言う必要はなく、向こうから「この
1年にあったことを聞かせてほしい」とここ数年言われていましたので、そうい
う形式のアピールになっています。

 アメリカ政府、議会関係者、そして北朝鮮問題の専門家等は旧知の仲で、共に
被害者を助けることを考えてくださる人たちで、そういう関係ができているわけ
です。

 今は民主党政権ですが、共和党政権の時も同じ関係で、ある面で党派を越えて
同盟国日本のすさまじい人権侵害に同情心を持って、できることをしようという
姿勢がどなたにもあったと感じることができました。

 アメリカ政府では、国務省に3回行きました。4月30日のダニエル・クリテ
ンブリンク国務次官補、日本で言うと局長級ですが、アジア政策を担当している
人ですが、「ちょうど議会で自分宛に質問があって呼ばれており、一番厳しい時
間なんだ」と言いつつ、「一目でも皆さんに会いたいと思って」と言って忙しい
時間なのに、キン・モイ国務省筆頭次官補代理と共に来てくださいました。去年
も会っていただき、じっくりと話を聞いてくださいました。

 同じ日の午後に、ウズラ・ゼヤ国務次官にも、別途会いました。人権や民主主
義を担当する次官で、そういう観点からお話していただきました。

 翌5月1日、ジュリー・ターナー北朝鮮人権問題担当特使と国務省で会いまし
た。だから国務省に3回行きました。国務省は、「テロとの戦争」以降、セキュ
リティが非常に厳しいのですが、我々がバスで行くと、国務省の実務者の人が来
てくれて、セキュリティを通らないで横から入れてくれました。

 国務省の人たちはブルーリボンバッジを付けていました。日本から拉致の代表
団が来るときは、ブルーリボンバッジを付けて迎えようということに国務省はなっ
ていますので、ブルーリボンバッジには何の意味があるのかも説明する必要がな
い状況です。

 今民主党政権ではありますが、人権という切り口での議論が多かったですね。
国務省の中でも、そういう議論が多かったです。

 次に、ミラ・ラップ=フーパーNSC上級部長とはホワイトハウスの横の建物
でお会いしました。

 次のページに「産経新聞」に私が書いた記事がありますが、その写真の中央で
白い服を着ておられる女性がフーパーさんです。日本の拉致問題について、真剣
にお話を聞いてくださって、話が終わった後拓也さんの所に来て、「私にも娘が
いる。母親として身につまされて話を聞きました」と言ってくださいました。や
はりブルーリボンバッジを付けてくださっていました。

 5月2日木曜日には、財務省を訪問しました。実は、財務省が北朝鮮に対する
経済制裁を担当しています。その制裁を担当している、財務省外国資産管理局長
にお会いしました。北朝鮮が不法に外貨を入手しているとの観点からお話を聞き
ました。

 以上が政府関係者です。

 次に議会で、ジル・トクダ議員という民主党の下院議員で、ハワイ出身の議員
ですが、下院で日本人拉致問題が早期に解決するようにアメリカも協力するとい
うような内容の議会決議案を作り、自分の名前で出した方です。まだ賛同者があ
まり多くないので、それが議会で採択されるかどうかはまだ分かりませんが、我
々が行った時に、そういうのを出していることが分かりました、在米日本大使館
の働きもあったと思いますが、感謝しています。

 ラリー・ブション下院議員とビル・ハガティ上院議員は共和党の議員ですが、
ハガティ上院議員は、トランプ大統領の時に駐日大使でした。家族会にも何回も
会ってくださっていますし、新潟の拉致現場にも行かれた方ですので、何も説明
する必要はなく、新しい運動方針を聞いていただいて、「よく分かる」というこ
とでした。

 一人ひとりと握手して、写真も撮っていただき、すぐに我々にくださいました。
政治家はすごいなと思いました。他の先生は議員会館で会うのですが、ハガティ
先生だけは、会館内の特別会議室をとってくれて、専属のカメラマンを連れてき
ていました。

 さらにマーク・タカノ下院議員(民主党)、ホアキン・カストロ下院議員(民
主党)、そしてトッド・ヤング上院議員(共和党)とも、それぞれお会いすること
ができました。

 4月29日には、グレッグ・スカラトー米国北朝鮮人権委員会事務局長、北朝
鮮の人権活動をやっているNGO(非政府組織)のリーダーです。この人は面白
い人で、ルーマニア人です。韓国に留学して、アメリカで博士号を取って、アメ
リカでNGO活動をやっています。

 「ルーマニア人にも拉致被害者がいる」と昔伝えたら、深く関心を持ってくれ
て、日本政府がやっている12月の人権週間の国際セミナーではよく司会をやっ
てくださいます。あるいは国連でやっているセミナーでも協力してくれています。
人権問題専門家の方です。

 この人に会った時、我々の運動方針について話したら、「あなたたちの運動方
針は理解できる。なぜなら日本政府は世界で一番強い制裁をしていて、みなさん
が独自制裁と言うのは国連制裁に違反していない。そのことを私はアメリカの中
で説明しているんです」と言っていました。こちらが言いたいことを全部知って
いるんだなと思いました。専門家だからそうなんでしょうが。

 彼は韓国語がぺらぺらなので、韓国語で話したかったのですが。ルーマニア人
とワシントンで韓国語で話をするというのはなかなか乙な物ですよ。

 それからリチャード・アーミテージ元国務副長官はちょっとお歳を召されたか
なという感じがしましたが、「また来たのか」と言って会ってくれて、開口一番、
「早紀江さんは元気にしてるのか」と言っていました。

 アメリカがテロ国家指定を北朝鮮にしていたんです。当初の理由は、「大韓機
爆破事件」等で、明示的には日本人拉致が入っていなかったのですが、アーミテー
ジ副長官が、「日本人拉致も理由だ」と明示してくださいました。毎回お会いし
ている、古くからお世話になった方です。

 スザンヌ・ショルティ北朝鮮自由連合会長もNGOのリーダーで、敬虔なクリ
スチャンですが、2005年に、「日米韓は拉致解決にどう協力できるか」とい
う国際集会に来てもらいました。

 家族会の話を聞いてもらったら、帰りに飛行機の中でずっと泣いていた。客室
乗務員の方が、「親戚に不幸があったのですか」等と聞いたら、「拉致被害者が
北朝鮮から帰ってこられないんだ。その話を聞いたのだ」と言ったというエピソー
ドがある方です。

 心が温かい人でアメリカ人ですが、ずっと朝鮮人の人権問題、特に脱北者問題
に対応している人です。私たちも関係している韓国の自由北朝鮮放送という短波
ラジオをアメリカでも支えてくださっている人でもあります。

 そして久しぶりにチャック・ダウンズ元米国北朝鮮人権委員会事務局長に会い
ました。スカラトーさんの前任者です。アメリカ人で北朝鮮に拉致された可能性
が高いという「スネドン事件」は、日本ではかなり有名で、拉致問題対策本部に
も来てくれましたが、「スネドン事件」を最初に掘り起こしたのがダウンズさん
です。元CIAにいた方です。

 今は田舎にいるんですが、我々が来るというので、結構車で時間がかかったと
思いますが、久しぶりに会えました。

 あと、ニコラス・エバーシュタッドAEI上級研究員とブルース・クリングナー
・ヘリテージ財団北朝鮮問題担当上級研究員は、アメリカの中で有名な北朝鮮問
題の専門家です。彼らとはそれぞれ、我々の新方針や北朝鮮情勢についてゆっく
り話し合いました。

(2につづく)

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■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿

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