次期総裁、次期代表に望む記者会見(2024/09/13)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2024.09.13-1)
■次期総裁、次期代表に望む記者会見
家族会・救う会は9月11日に記者会見をし、声明を発表しました。以下はその
概要です。
西岡 家族会・救う会の記者会見を始めます。実は、総裁選挙、代表選挙の前に
会見するのは初めてのことです。家族会の中から、テレビ等を見ていて、「あま
り拉致問題が議論されていない。最優先課題の筈なのに、少し不安を覚える」と
いう声があり、役員と相談して、誰がいいというようなことを言うつもりはあり
ませんが、家族の立場で今思っていることを選挙の中に反映してほしいというこ
とで会見をすることになりました。
まず声明を準備してきましたので、横田拓也家族会代表に朗読してもらいます。
(略:9/12の救う会メールニュース参照)
西岡 家族会のメンバーから一言ずつ今考えていることを話していただいて、質
問を受けたいと思います。横田拓也代表からお願いします。
◆「生きている間に会える自信が無くなりつつある」
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)
家族会の横田拓也です。本日はお時間を頂きまして有難うございます。
本日の記者会見、何故このタイミングで開催したかにつきまして、経緯を申し
上げます。
先週9月3日に隣にいる私の母・横田早紀江が次のようなことを口にしました。
「自分が生きている間にめぐみちゃんに会える自信が無くなりつつある」。
胸の内は、もっと重く、例えようのない苦しみと怒りに満ちているものと考え
ています。
岸田首相は、国民大集会やその他の公の場で、北朝鮮と水面下交渉を行ってい
る旨の発言をされ、北朝鮮の金与正(ヨジョン)副部長もそのことについては認
めていました。
外交交渉が一筋縄ではいかないことは重々承知しているものの、もしかしたら
この9月に日朝首脳会談を含めた大きな動きがあるのではないか、見える景色が
変わるのではないかとの微かな期待を持っていたのですが、8月14日に自民党総
裁選挙に立候補しない意向を表明されました。
今、報道は与野党の選挙の話題一色です。海外のニュースを見れば、米国大統
領選挙にほとんどの時間が割かれ、北朝鮮問題と言えば大規模な水害のニュース
が表面的に触れられている程度です。
水面下交渉はどうなったのでしょうか。選挙に時間と労力が割かれ、埋没して
いることは否めません。命のかかった問題が停滞することがあってはなりません。
こうした中、各党の立候補の方が出揃う中で、人権問題である拉致問題、命の
かかった拉致問題解決に触れる方が極めて少ないことに大きな不安を感じます。
北朝鮮の工作員が主権国家に侵入し、無実の13歳の少女が拉致されていること
件です。46年も人質として拘束されている命のかかった問題にもかかわらず、そ
れに関心を示さないことは看過することが出来ません。
姉は来月10月5日で60歳です。自由の無い絶望の地で、これほど苦しい時間を
強いられていることに与野党は真剣に向き合い、問題解決に向けて議論を重ね具
体的解決に導いてほしいと思います。
また改めて家族会・救う会の運動方針を申し上げます。
解決の定義は「全拉致被害者の即時一括帰国」です。「部分的解決」、「段階
的解決」は求めていませんし認めません。また時間稼ぎや幕引きの材料として使
われる合同事務所設置や調査委員会設置も求めていません。こうした騙しの工作
に乗ることが無いよう注意してほしいと思います。
横田家のケースで言えば、私たちが求めているのは横田めぐみ本人の救出と再
会です。めぐみ自身の救出の話をぼかし、ウンギョンさんの訪日や面会でお茶を
濁すことがあってはなりません。ウンギョンさんとの接点を持てば、監視員がい
る中で、「母めぐみは死亡しています」と強制的に発言させられ、世論を間違っ
た方向に導く危険性があります。
更に、大事なことは拉致被害者との再会の期限は親世代が存命・健在のうちに
と言うタイムリミットを設けていることです。万が一、親世代が健在な内に再会
出来ないことがあれば、北朝鮮への更なる具体的制裁強化を求めて行きます。こ
の点について、各党各候補の方は十分にご理解頂き、私たちの必死な思いを受け
止めてほしいと思います。
母
早紀江は88歳、有本明弘さんは96歳、どうか親子の再会が叶うよう引き続きの
ご支援を頂けますよう引き続き宜しくお願い致します。
◆本当に悲しい日本です
横田早紀江(横田めぐみさん母)
皆様こんにちは。今日もたくさんの方に来ていただき、本当にありがとうござ
います。今拓也がお話したのと同じですが、「拉致」という問題が日本の国にとっ
てどういうことなのか、ということなんですよね。
戦争も終わって平和になった。何から何まで物がそろっているという状態になっ
たこの平和な国の中に、相手の国家の指導者が指令を出して、考えをめぐらせな
がら、「こういう人を連れてきなさい」等、色々な条件を出して、たくさんのス
パイを日本の中に放ったわけです。
日本人はのんびり暮らしていましたし、私たちもそういう面があったと思って
います。しかし、一人、二人、そして三人、四人と、本当におびただしい日本の
若者たちが、皆様と同じような時期に、袋に入れられ、船に乗せられて、あちら
の国にとじこめられています。
そしてあちらの国のために仕事をさせられ、言うことを聞かなければ即座に殺
されたかもしれません。そういうことは考えたくないことなんですが、考えられ
ないような国家が近くにあったのだということを、私は本当に恐ろしいことだと
思っています。
子どもたちが今どのように生きているのか分かりませんが、一生懸命に勉強を
して役に立つようになった人たちは大切に扱われながら生きているんだろうと想
像しています。
何のために生まれてきたのだろう、と思います。「早く助けてください。早く
来てください」と毎日、夕焼けを見ながら、海を見ながら、山を見ながら、絶叫
するような思いで叫び続けてきたに違いないと思います。
たくさんの被害者たちを自分の頭の中に思い描いてみて下さいませんでしょう
か。こんなことは屁のようなことだと思わないで下さい。一人の人間がそのよう
な思いになった時に、どうしようもない不安、いつどうなるか分からない不安が
あると思います。
お母さんやお父さんがどんなに心配しているだろう。子どもたちはどうしてい
るだろうと思いながら、この47年間の長い年月が経ったのに、解決されない。考
えられないことだとお思いになりませんか。
3年、5年でも長いと思うようなことが、47年と言えば一人の生涯に近い年月で
す。その期間を親も子どもも、「何の罪もないのに」、そんな思いになりながら
絶叫し続け、泣き叫びながら眠っているんだと思います。これでいいんでしょう
か。
今度新しい総理が選出される日が迫って来つつありますが、たくさんの人たち
が、「我こそは」とか、「私がこの国を背負っていきます」、「こういう状況を
変えていきたい」と、色々な話をなさっていますが、47年間も苦しみ嘆いている
子どもたちの話をなさる方は一人もありません。
「これではだめだ。こんなことでいいんだろうか」と思いますが、はっきりと
口に出して言って下さる方が二人くらいはいらっしゃるかなと思っていましたが、
誰一人その話はされません。本当に悲しい日本です。
私たちの父や母は、日本の国の父や母は貧しい状況の中にあっても、毅然とし
て、命や思いやりを大事にして、身近なことでも自分のことと思って動いていた
のを私たちは見てきました。
どうしてこんな国になってしまったのだろう。命からがら助けを求めている人
たちを47年間放っておいて平気でいられるんだろうか。おいしいご飯を食べ、い
いお洋服を着て、楽しいことに恵まれ、思ったように学校に行って、そして自分
の職業に就いておられる筈なんですが、もっと真剣に拉致のことを考えていただ
きたいと私たちは願っています。
もっと政府に向けて、「なんでこんなにおとなしいんですか」、「どうしてこ
んなにたくさんの日本人が拉致され、まだ苦しんでいるのに、なぜそれを言わな
いんですか」、「日本人ではないんですか」と、そんな記事を書いていただける
とありがたいと思います。
本当にそれほど大変なことが起きているんです。拉致問題が解決されないまま、
今までのように47年、48年、49年、50年経ってもまだ解決しない。何にも動かな
い。向こうの国はどう思うでしょうか。
たくさん連れてきたけど、日本は何にもできないんだね。日本は国民を助けな
いんだね。そういう目で見ていると思うんですね。皆様のお子様やお孫様たちが
同じような目にあっても何もできないんだからやれ、ということになるんです。
そういうことをのんびり見ているわけにはいかないのです。一日一日が命がか
かっているのですから、どうか皆様、報道の力は大きなものですから、また向こ
うが悪いことをしているんですから、こちらは堂々と正義をふりかざして言えば
いいんですから、自分の子どもだったらどうするかを考えて、思いを持って報道
していただければと思います。
あちらの国も、大変なことになってきたなと思うわけです。そういう動きが日
本ではあまりにものんびりとしているので、47年間どんなに頑張っても何にも動
かなかった。向こうを脅威を感じていないのかもしれません。そういうことを真
剣にお考えいただきたいと思います。
今日はこれをお願いしに来ました。よろしくお願いいたします。
◆時間がない
飯塚耕一郎(田口八重子さん長男、家族会事務局長)
総裁選に関して、北朝鮮のことについてはこれまでになく発言がないように思っ
ています。しかし、 国内での啓発活動、対外的な発信はかなり出来上がってき
ていると思います。
今年に入って、2月の金与正談話を見ると、これまでにない変化の兆しが見受
けられ、何かあるのかなと思っていましたが、その後戻りました。北朝鮮は安定
した政権としか交渉しないという傾向があり、それは現在の状況を見ても明らか
です。そして安定した交渉がいつ始まるのかも分からなくなってしまった。
このような状況を残念に思いますし、我々は代表を含め各地でお話をさせてい
ただいていますが、本当に「時間がない」ことを繰り返しお話しています。
我々の目には見えませんが、北朝鮮で救出を待っている拉致被害者ですが、現
在私の母田口八重子は69歳ですが、平均では74.9歳で、極めて高齢の状況になっ
ています。健康状態も含めて心配な状況が続いています。できるだけ早く北朝鮮
の地から救出したいと考えています。
また新しい総理にお話をさせていただく機会があるかと思いますが、これまで
の報道を見ても、拉致問題に関する真剣さが個人的にも見えないので、日本国民
の命を救う、という日本政府として当たり前のことが果たしてできるのかという
ことが分かりません。疑問を持って接することになってしまうのかなと思ってい
ます。
新しい政権、この問題に関わる方々が緊張感をもって、家族の命があるからこ
そ(被害者と)我々が再会できること、あたりまえのことを踏まえた上で、一刻
も早く我々の家族、拉致被害者を救っていただきたいと思います。
◆制裁解除などもってのほか
横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)
皆さん、こんにちは。岸田政権の時に何かあるかなと思いましたが、岸田首相
でも解決するに至らなかった。残念でならない気持ちでいっぱいです。
岸田総理は水面下交渉を行っているとおっしゃっていましたが、その交渉を打
ち切らないでほしいと思います。ここまで来たのですから。
現在、自民党の総裁選に立候補した人の中には、「北朝鮮への制裁解除は排除
しない」、「一方的に制裁しても相手が出てこない。対話が重要だ」とおっしゃっ
ています。
これまで北朝鮮が行ってきただましの方式が分かっているのだろうかと残念な
気持ちです。どうかだまされないようにしてほしいと思います。
そういう考えを持った人が当選したら、どうなるか。北朝鮮が折れる時は圧力
しかないのです。これまでの歴史が示しています。今交渉が行われているか分か
りませんが、交渉の背景ににぎりこぶしを開かせる圧力があれば、交渉に乗って
くるわけで、制裁解除などもってのほかです。
国会議員全員が、我が国の主権を侵害され、自国民が拉致され、生命に危機が
及んでいることを認識していただきたいと思います。地方議員と異なり、国益、
安全保障を考えるのが国会議員ですから、最優先事項を維持してほしいと思いま
す。
これから立候補者が色々な報道の場面で出てくると思います。経済の話などが
なされると思いますが、「拉致問題についてどう見るか」を質問に入れてほしい
と、報道の上層部にお願いしてほしいと思います。
また、(北朝鮮や総連からの)欺瞞のアプローチにだまされることなく、怒りを
持って対峙してほしいと思います。そして、気概を持って交渉してほしいと思い
ます。
(2につづく)
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■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■次期総裁、次期代表に望む記者会見
家族会・救う会は9月11日に記者会見をし、声明を発表しました。以下はその
概要です。
西岡 家族会・救う会の記者会見を始めます。実は、総裁選挙、代表選挙の前に
会見するのは初めてのことです。家族会の中から、テレビ等を見ていて、「あま
り拉致問題が議論されていない。最優先課題の筈なのに、少し不安を覚える」と
いう声があり、役員と相談して、誰がいいというようなことを言うつもりはあり
ませんが、家族の立場で今思っていることを選挙の中に反映してほしいというこ
とで会見をすることになりました。
まず声明を準備してきましたので、横田拓也家族会代表に朗読してもらいます。
(略:9/12の救う会メールニュース参照)
西岡 家族会のメンバーから一言ずつ今考えていることを話していただいて、質
問を受けたいと思います。横田拓也代表からお願いします。
◆「生きている間に会える自信が無くなりつつある」
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)
家族会の横田拓也です。本日はお時間を頂きまして有難うございます。
本日の記者会見、何故このタイミングで開催したかにつきまして、経緯を申し
上げます。
先週9月3日に隣にいる私の母・横田早紀江が次のようなことを口にしました。
「自分が生きている間にめぐみちゃんに会える自信が無くなりつつある」。
胸の内は、もっと重く、例えようのない苦しみと怒りに満ちているものと考え
ています。
岸田首相は、国民大集会やその他の公の場で、北朝鮮と水面下交渉を行ってい
る旨の発言をされ、北朝鮮の金与正(ヨジョン)副部長もそのことについては認
めていました。
外交交渉が一筋縄ではいかないことは重々承知しているものの、もしかしたら
この9月に日朝首脳会談を含めた大きな動きがあるのではないか、見える景色が
変わるのではないかとの微かな期待を持っていたのですが、8月14日に自民党総
裁選挙に立候補しない意向を表明されました。
今、報道は与野党の選挙の話題一色です。海外のニュースを見れば、米国大統
領選挙にほとんどの時間が割かれ、北朝鮮問題と言えば大規模な水害のニュース
が表面的に触れられている程度です。
水面下交渉はどうなったのでしょうか。選挙に時間と労力が割かれ、埋没して
いることは否めません。命のかかった問題が停滞することがあってはなりません。
こうした中、各党の立候補の方が出揃う中で、人権問題である拉致問題、命の
かかった拉致問題解決に触れる方が極めて少ないことに大きな不安を感じます。
北朝鮮の工作員が主権国家に侵入し、無実の13歳の少女が拉致されていること
件です。46年も人質として拘束されている命のかかった問題にもかかわらず、そ
れに関心を示さないことは看過することが出来ません。
姉は来月10月5日で60歳です。自由の無い絶望の地で、これほど苦しい時間を
強いられていることに与野党は真剣に向き合い、問題解決に向けて議論を重ね具
体的解決に導いてほしいと思います。
また改めて家族会・救う会の運動方針を申し上げます。
解決の定義は「全拉致被害者の即時一括帰国」です。「部分的解決」、「段階
的解決」は求めていませんし認めません。また時間稼ぎや幕引きの材料として使
われる合同事務所設置や調査委員会設置も求めていません。こうした騙しの工作
に乗ることが無いよう注意してほしいと思います。
横田家のケースで言えば、私たちが求めているのは横田めぐみ本人の救出と再
会です。めぐみ自身の救出の話をぼかし、ウンギョンさんの訪日や面会でお茶を
濁すことがあってはなりません。ウンギョンさんとの接点を持てば、監視員がい
る中で、「母めぐみは死亡しています」と強制的に発言させられ、世論を間違っ
た方向に導く危険性があります。
更に、大事なことは拉致被害者との再会の期限は親世代が存命・健在のうちに
と言うタイムリミットを設けていることです。万が一、親世代が健在な内に再会
出来ないことがあれば、北朝鮮への更なる具体的制裁強化を求めて行きます。こ
の点について、各党各候補の方は十分にご理解頂き、私たちの必死な思いを受け
止めてほしいと思います。
母
早紀江は88歳、有本明弘さんは96歳、どうか親子の再会が叶うよう引き続きの
ご支援を頂けますよう引き続き宜しくお願い致します。
◆本当に悲しい日本です
横田早紀江(横田めぐみさん母)
皆様こんにちは。今日もたくさんの方に来ていただき、本当にありがとうござ
います。今拓也がお話したのと同じですが、「拉致」という問題が日本の国にとっ
てどういうことなのか、ということなんですよね。
戦争も終わって平和になった。何から何まで物がそろっているという状態になっ
たこの平和な国の中に、相手の国家の指導者が指令を出して、考えをめぐらせな
がら、「こういう人を連れてきなさい」等、色々な条件を出して、たくさんのス
パイを日本の中に放ったわけです。
日本人はのんびり暮らしていましたし、私たちもそういう面があったと思って
います。しかし、一人、二人、そして三人、四人と、本当におびただしい日本の
若者たちが、皆様と同じような時期に、袋に入れられ、船に乗せられて、あちら
の国にとじこめられています。
そしてあちらの国のために仕事をさせられ、言うことを聞かなければ即座に殺
されたかもしれません。そういうことは考えたくないことなんですが、考えられ
ないような国家が近くにあったのだということを、私は本当に恐ろしいことだと
思っています。
子どもたちが今どのように生きているのか分かりませんが、一生懸命に勉強を
して役に立つようになった人たちは大切に扱われながら生きているんだろうと想
像しています。
何のために生まれてきたのだろう、と思います。「早く助けてください。早く
来てください」と毎日、夕焼けを見ながら、海を見ながら、山を見ながら、絶叫
するような思いで叫び続けてきたに違いないと思います。
たくさんの被害者たちを自分の頭の中に思い描いてみて下さいませんでしょう
か。こんなことは屁のようなことだと思わないで下さい。一人の人間がそのよう
な思いになった時に、どうしようもない不安、いつどうなるか分からない不安が
あると思います。
お母さんやお父さんがどんなに心配しているだろう。子どもたちはどうしてい
るだろうと思いながら、この47年間の長い年月が経ったのに、解決されない。考
えられないことだとお思いになりませんか。
3年、5年でも長いと思うようなことが、47年と言えば一人の生涯に近い年月で
す。その期間を親も子どもも、「何の罪もないのに」、そんな思いになりながら
絶叫し続け、泣き叫びながら眠っているんだと思います。これでいいんでしょう
か。
今度新しい総理が選出される日が迫って来つつありますが、たくさんの人たち
が、「我こそは」とか、「私がこの国を背負っていきます」、「こういう状況を
変えていきたい」と、色々な話をなさっていますが、47年間も苦しみ嘆いている
子どもたちの話をなさる方は一人もありません。
「これではだめだ。こんなことでいいんだろうか」と思いますが、はっきりと
口に出して言って下さる方が二人くらいはいらっしゃるかなと思っていましたが、
誰一人その話はされません。本当に悲しい日本です。
私たちの父や母は、日本の国の父や母は貧しい状況の中にあっても、毅然とし
て、命や思いやりを大事にして、身近なことでも自分のことと思って動いていた
のを私たちは見てきました。
どうしてこんな国になってしまったのだろう。命からがら助けを求めている人
たちを47年間放っておいて平気でいられるんだろうか。おいしいご飯を食べ、い
いお洋服を着て、楽しいことに恵まれ、思ったように学校に行って、そして自分
の職業に就いておられる筈なんですが、もっと真剣に拉致のことを考えていただ
きたいと私たちは願っています。
もっと政府に向けて、「なんでこんなにおとなしいんですか」、「どうしてこ
んなにたくさんの日本人が拉致され、まだ苦しんでいるのに、なぜそれを言わな
いんですか」、「日本人ではないんですか」と、そんな記事を書いていただける
とありがたいと思います。
本当にそれほど大変なことが起きているんです。拉致問題が解決されないまま、
今までのように47年、48年、49年、50年経ってもまだ解決しない。何にも動かな
い。向こうの国はどう思うでしょうか。
たくさん連れてきたけど、日本は何にもできないんだね。日本は国民を助けな
いんだね。そういう目で見ていると思うんですね。皆様のお子様やお孫様たちが
同じような目にあっても何もできないんだからやれ、ということになるんです。
そういうことをのんびり見ているわけにはいかないのです。一日一日が命がか
かっているのですから、どうか皆様、報道の力は大きなものですから、また向こ
うが悪いことをしているんですから、こちらは堂々と正義をふりかざして言えば
いいんですから、自分の子どもだったらどうするかを考えて、思いを持って報道
していただければと思います。
あちらの国も、大変なことになってきたなと思うわけです。そういう動きが日
本ではあまりにものんびりとしているので、47年間どんなに頑張っても何にも動
かなかった。向こうを脅威を感じていないのかもしれません。そういうことを真
剣にお考えいただきたいと思います。
今日はこれをお願いしに来ました。よろしくお願いいたします。
◆時間がない
飯塚耕一郎(田口八重子さん長男、家族会事務局長)
総裁選に関して、北朝鮮のことについてはこれまでになく発言がないように思っ
ています。しかし、 国内での啓発活動、対外的な発信はかなり出来上がってき
ていると思います。
今年に入って、2月の金与正談話を見ると、これまでにない変化の兆しが見受
けられ、何かあるのかなと思っていましたが、その後戻りました。北朝鮮は安定
した政権としか交渉しないという傾向があり、それは現在の状況を見ても明らか
です。そして安定した交渉がいつ始まるのかも分からなくなってしまった。
このような状況を残念に思いますし、我々は代表を含め各地でお話をさせてい
ただいていますが、本当に「時間がない」ことを繰り返しお話しています。
我々の目には見えませんが、北朝鮮で救出を待っている拉致被害者ですが、現
在私の母田口八重子は69歳ですが、平均では74.9歳で、極めて高齢の状況になっ
ています。健康状態も含めて心配な状況が続いています。できるだけ早く北朝鮮
の地から救出したいと考えています。
また新しい総理にお話をさせていただく機会があるかと思いますが、これまで
の報道を見ても、拉致問題に関する真剣さが個人的にも見えないので、日本国民
の命を救う、という日本政府として当たり前のことが果たしてできるのかという
ことが分かりません。疑問を持って接することになってしまうのかなと思ってい
ます。
新しい政権、この問題に関わる方々が緊張感をもって、家族の命があるからこ
そ(被害者と)我々が再会できること、あたりまえのことを踏まえた上で、一刻
も早く我々の家族、拉致被害者を救っていただきたいと思います。
◆制裁解除などもってのほか
横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)
皆さん、こんにちは。岸田政権の時に何かあるかなと思いましたが、岸田首相
でも解決するに至らなかった。残念でならない気持ちでいっぱいです。
岸田総理は水面下交渉を行っているとおっしゃっていましたが、その交渉を打
ち切らないでほしいと思います。ここまで来たのですから。
現在、自民党の総裁選に立候補した人の中には、「北朝鮮への制裁解除は排除
しない」、「一方的に制裁しても相手が出てこない。対話が重要だ」とおっしゃっ
ています。
これまで北朝鮮が行ってきただましの方式が分かっているのだろうかと残念な
気持ちです。どうかだまされないようにしてほしいと思います。
そういう考えを持った人が当選したら、どうなるか。北朝鮮が折れる時は圧力
しかないのです。これまでの歴史が示しています。今交渉が行われているか分か
りませんが、交渉の背景ににぎりこぶしを開かせる圧力があれば、交渉に乗って
くるわけで、制裁解除などもってのほかです。
国会議員全員が、我が国の主権を侵害され、自国民が拉致され、生命に危機が
及んでいることを認識していただきたいと思います。地方議員と異なり、国益、
安全保障を考えるのが国会議員ですから、最優先事項を維持してほしいと思いま
す。
これから立候補者が色々な報道の場面で出てくると思います。経済の話などが
なされると思いますが、「拉致問題についてどう見るか」を質問に入れてほしい
と、報道の上層部にお願いしてほしいと思います。
また、(北朝鮮や総連からの)欺瞞のアプローチにだまされることなく、怒りを
持って対峙してほしいと思います。そして、気概を持って交渉してほしいと思い
ます。
(2につづく)
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■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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