救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

拉致問題-新政権に望むこと1(2024/10/07)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2024.10.07)

■ 拉致問題-新政権に望むこと1

今回の東京連続集会は、新しい自民党総裁、内閣総理大臣が決まった直後に実
施されました。北朝鮮は日本の総理が誰になるか、また11月の米国大統領選挙の
行方を見て、次の政策を建てようとしていると思われますが、この新しい状況の
中で、どのようにして拉致被害者救出を可能にするかを考えます。

また、7月に韓国政府から脱北者として初めて国民勲章冬柏章を授与された自由
北韓放送の金聖ミン(王へんに文)氏に、「自由北韓放送20年と拉致問題」と題
して、特別講演をしてもらいました。

家族会からは横田拓也代表、横田早紀江さん、横田哲也さんが参加。概要以下
の通り。

西岡力(救う会代表)
 みなさん、こんばんは。今日の報道で色々なことが出ています。私は一昨日、
石破総理から就任挨拶の電話をいただきました。岸田総理からも、菅総理からも
いただいていましたので私的なものではないのですが、その内容がニュースにな
るようなものではなかった、というのが私の認識です。

 横田代表にも早紀江さんにも電話がありましたので、それぞれのお話も踏まえ
ながら石破政権にどういうことを期待しているのかについて、まず家族会の皆さ
んにお話ししていただきます。

◆動きがあるかもと期待していたが
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)
 皆様こんばんは(会場から、こんばんは)。家族会代表の横田拓也でございま
す。本日もお集まり頂きまして誠に有難うございます。

 岸田前首相は、国民大集会やその他の公の場で北朝鮮と水面下交渉を行ってい
る旨の発言をされ、北朝鮮の金与正副部長もそのことについては認めていました。

 北朝鮮との外交交渉が一筋縄ではいかないことは重々承知しているものの、も
しかしたらこの9月または10月に日朝首脳会談を含めた大きな動きがあるのでは
ないか、見える景色が変わるのではないかとのかすかな期待を持っていたのです
が、岸田首相が8月14日に、自民党総裁選挙に立候補しない意向を表明しました。
これを受けて、水面下交渉は事実上止まってしまいました。

 その後、自民党総裁選挙が行われ、石破首相が誕生しました。私たち家族会が
設立されたのが1997年で、そこから数えて石破首相が13人目の首相となります。

 これだけ多くの方々に「家族を取り返してほしい」「再会させてほしい」「北
朝鮮に強い姿勢を迫ってほしい」と訴えて来ましたが、結果的には2002年9月に
開催された日朝首脳会談以降、5人の拉致被害者しか取り返すことが出来ていま
せん。

 2002年から早くも22年が経過し、その中で家族会初代代表の横田滋、二代目代
表の飯塚繁雄さん、そして有本恵子さんのお母様他の方々が他界され、家族会の
残された親世代家族は横田めぐみの母早紀江88歳と有本恵子さんのお父様明弘さ
ん96歳お二人のみです。高齢化という厳しい現実からは逃げることは出来ず、時
間的制約がある問題です。

◆日朝国交正常化した後に拉致問題が解決は幻想
 姉横田めぐみは明日10月5日で60歳を迎えます。とても信じられません。13歳
の中学生の少女が日本国内から拉致されたにもかかわらず、47年近くも助け出す
ことが出来ない状態が続き、十分な食料・充実した医療環境がない中で毎日を必
死に生き延びているのだと思います。発言の自由・移動の自由は?奪され、逃げ
ることも許されない現状です。まさに正に明るい未来を描けない毎日が続いてい
るのです。

 なぜ助け出すことが出来ないのか、日本政府はどこまで本気で戦っているのだ
ろうか、毎日そのことを思っています。

 拉致問題解決において、最初に人権問題である拉致問題を解決した後に日朝国
交正常化という考え方が一つ、もう一つは日朝国交正常化した後に人権問題であ
る拉致問題が解決できると言う考え方、前者が「入り口論」、後者が「出口論」
と言われています。

 これまでの日本と北朝鮮との間の交渉の経緯、米朝間の交渉経緯を見ている限
り、北朝鮮が善意の解釈で自分達の非を認めて物事を動かすことは決してありま
せん。つまり「出口論」という幻想に期待して、日朝国交正常化した後に拉致問
題が解決するのだと言う考えは絶対に成立しないことを十分に理解する必要があ
ります。

◆北朝鮮は拉致被害者の動向を全員把握している

 この点で、時折話題として出て来る「連絡事務所の設置」、「合同調査委員会
の設置」という聞こえの良い考え方は、全く北朝鮮の政治体制を考えた場合は無
意味であると共に、単に北朝鮮が企んでいる時間稼ぎや幕引きに加担することを
意味します。

 彼らは厳重な監視下で拉致被害者の「誰が、どこで、いつ、何を」しているか
を把握しています。人質として厳重管理しているのです。どこに居るのかを把握
しています。あたかも、どこに居るか分からないと言う嘘の前提に立ち、連絡事
務所の設置や合同調査委員会の設置というアプローチは彼らの工作活動に手を貸
すことになるのです。

 従って、家族会も救う会も拉致議連も日本政府も、一枚岩になって「全拉致被
害者を即時一括帰国せよ!」と言い続けることが重要です。石破首相の強いリー
ダーシップに期待したいと思います。

 そして家族会の方針に沿った強い外交を日本政府には貫いて頂きたいと思いま
す。国民の皆様もどうか私たちを引き続きご支持頂きたく思います。

 母とめぐみが再会できるよう、拉致被害者と家族が再会できるよう引き続きの
お力添えを頂きたいと思います。

◆連絡事務所設置で誤報

 最後に、西岡会長からもお話がありましたが、一部の新聞記事で石破首相が家
族会に対して連絡事務所の設置や合同調査委員会の設置を説得したという形の記
事が出ていますが、これは正確ではありません。

 10月2日17時30分少し前に、石破首相からお電話を頂きました。私からは首相
就任の祝意を伝えた上で、「私から一言お伝えしても良いですか」と断りをした
上で、「どうぞ」と言われたので、「家族会としては、連絡事務所の設置や合同
調査委員会の設置には賛成していない」ということを私の方からお伝えしました。
総理側から「そういうことをする」と私たちが聞かされたのではありません。一
部の新聞記事はニュアンスが異なっているので、その点は皆様方にもご理解を頂
きたいと思っています。

 今、日本でも首相が代わって、アメリカでも大統領選がまもなくあるという国
際政治の力学、動きが変わろうとしていますので、こうしたチャンスは北朝鮮に
とってもチャンスになるかもしれませんので、私たちは原則論を曲げることなく
貫いていく。そして皆さんも、「私たちの同胞を全員返せ」ということを言い続
けること、これを皆様にも引き続きお願いしたいと思っています。

 これからもよろしくお願いいたします。ありがとうございます(拍手)。

◆今なお続いている拉致

横田早紀江(横田めぐみさん母)

 皆様、こんばんは(会場から、こんばんは)。お忙しい中、このようなたくさ
んの方にお出でいただきまして、本当にありがとうございます。

 拉致問題は、本当に考えられないような大きな問題でありまして、もう47年
と考えられない程長い年月で、人の一生のような長い年月が経っています。

 何にも悪いことをしていない子が、学校から帰ってくる途中で、車で連れ去ら
れ、船で北朝鮮に連れていかれたまま、考えられない日々が過ぎてしまいました。

 何にも分からない。煙のように消えたままで、20年の間全く分かりませんでし
た。どうして、どこに消えたのだろう。何も残っていない。足跡もない。私たち
は子どもたち二人を連れて、近くの護国神社や海岸を泣きながら探しまわって、
「めぐみちゃん、めぐみちゃん」と叫びながら、毎日のように探していました。

 警察も一生懸命探してくれましたが、何にも分からないことが不思議で、北朝
鮮に拉致されたことが分かった20年間は、私たちは狐につままれたような感じで、
何という人生なんだろう、何だろうこれはという苦しい中を、みんな力を合わせ
て、たくさんの方に助けていただいて生きてくることができました。

 北朝鮮に行っていた。そして曽我さんとか、蓮池さんとか、たくさんの日本の
若い方々が向こうに連れていかれて帰ってこられないことが明らかになって、信
じられないような思いでした。

 こんなことがあっていいのかな、と。それが今なお続いているのです。一部の
方は帰ってこられましたが、金正日に許されて帰ってきましたが、後の人たちは
「死亡した」と言い続けてここまできています。

◆「日本はこんな姿でいいのですか」と総理に

 私たちは色々な希望を持っています。(拉致被害者は)あちらで学ばされて、
一生懸命政権を支えているのだろうと、私は思うことにして、「必ず助け出して
あげます」と、そのことだけを考えて今日までやってくることができました。

 本当に日本中のたくさんの方々が、ひどい話ですが、さらわれていったままで
す。謝ることもなく、また報酬の種にしようと思っているようです。本当に恐ろ
しいことだと思います。

 世界中がこのことを知ることができるようになったのも、(救出)活動のおか
げで、皆様のご支援のおかげです。この大きなことを全世界が知るようになった
ことに、感謝しています。

 あきらめずに、今度の石破さんに、祈る思いで、力一杯頑張っていただきたい
と思っています。「日本はこんな姿でいいのですか」と私は思わず、(石破総理
に)言ってしまいましたが、「本当に何十年も放っておいていいんですか、外か
ら見たら恥ずかしいことですよ」と言いましたが、そうお思いになると思います。

 お子様がいる皆様も同じ思いだと思います。人間の根源を蹂躙していることで
す。向こう(拉致被害者)も待っていると思いますから、「必ず取り返す」とい
う思いを秘めて戦ってほしいと思います。

 これからもどうかよろしくお願いいたしますありがとうございます(拍手)。

◆13歳の少女が還暦を迎えるとは

横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)

 みなさん、こんばんは。冒頭に司会からご案内がありましたが、韓国から金聖
ミン(キム・ソンミン、王へんに文)さんがいらしています。この東京連続集会
にも何回かお越しいただき、北朝鮮での地獄のような生活とか、色々は話をして
いただきました。

 その、「地獄のような生活」が今現在も北朝鮮の国民の皆さまが強いられてい
るわけで、私たちは日本人拉致被害者を取り戻すことが第一義ですが、二番目に
全員の不幸な方々を救うのも大切なことだと思っています。

 金聖ミンさんの母国である北朝鮮という国が、一日も早く平和な国になるよう
に私たちは拉致問題解決を通して、できればなと考えています。

 明日10月5日で、姉の横田めぐみが還暦になります。13歳の少女が還暦を迎え
るということは、本当に「むごい」の一言に尽きます。

 明日は新潟で毎年やっていますが、「お帰りなさいコンサート」があり、毎年
行っています。毎回、姉の同級生の方々と話をしていますが、本当に「お帰りな
さい」と言えればいいなと思うものの、今年も実現できませんでした。同級生も
そう思っていると思います。

 日本政府がどう頑張っても、北朝鮮が120%抵抗している限り解決しないので
すが、今のやり方だけで本当にいいのかについて色々な集会の度に申し上げてい
ます。「様々な手段を尽くしてもだめだった」ということではなく、あらゆる手
段を尽くしてほしいと思っています。

 石破首相は拉致問題の解決を、政権の「最優先事項」として、これまでの首相
が出してきた方針を継続してほしいと思います。またこれまでの交渉の糸を切ら
すことなく対処してほしいと思っています。

 先ほど兄からも話がありましたが、日朝双方の連絡事務所ということですが、
反対ということは同じですが、あの国に事務所を設置したとしても、日本の調査
官にどれだけのことができるかということがあります。何もできないのではない
でしょうか。

 それならやる意味はないと思うのですが、なぜやろうと考えるのか。これから
も国会議員の先生方に会うこともありますので、その主張を述べていきたいと考
えています。

◆必ず取り戻す

 北朝鮮という国では10月7日に最高人民会議が開かれ、憲法の改正等を決める
ということが報道されましたが、どれだけ時間をかけても何も解決策はでないと
思います。トップの方針が変わらない限り何も変わりません。

 金正恩がリーダーとして日本人拉致問題の解決をはかることで、日本からの経
済支援が得られ、国際社会に合流することで色々な国々からも支援が受けられ、
初めて開かれた国になると思っています。

 ロシアやイランと組んでいるのが正しい選択ではなく、何が正しいことか分かっ
てはいるでしょうから正しい選択をしてほしいと思っています。

 北朝鮮の状況がどう変わろうと、日本の政治がどう変わろうと、私たちは国民
に理解をしてもらい、政府のポスターの通り、「必ず取り戻す」ことであり、絶
対に揺るぎません。

 しかし、家族会だけでは達成できませんので、これからもお力をお貸しいただ
きたいと思いますので、宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍
手)。

(2につづく)




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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿

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