救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

拉致問題-新政権に望むこと3(2024/10/11)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2024.10.11)

◆「次期自民党総裁、立憲民主党代表に望む」声明2

西岡 私が繰り返し申し上げているのは、今北朝鮮は状況を見ていると思います。
先ほど言いましたように、岸田総理は、「拉致と核を切り離して、拉致を先にや
ろうじゃないか」というメッセージを出した。「時間的制約」という言葉の中に、
そのメッセージを込めたわけです。

 そこには国際情勢の判断と、日本国内で起きていることの判断と2つあります。
国際情勢については、バイデン政権のもとで北朝鮮の核問題は全く動きがないと
いうことです。そこがトランプ政権との大きな違いです。

 バイデン政権は事実上北朝鮮を放置している。これは島田さん(救う会副会長)
が後ろにいますが、米政権の動きをずっとウォッチしており、中でもワシントン
では北朝鮮問題がほとんど話題になっていないのです。

 ウクライナ戦争があり、中東でハマスのテロから始まった様々な(イスラエル
に対する)テロや、その逆の攻撃があり、そして中国が次第に覇権主義を強め、
台湾に対する軍事侵攻も辞さずと言って、戦争の準備を着々と進めているという
ことがある中で、北朝鮮は放置されているのです。

 トランプ政権の時は核実験もし、ミサイルも撃っていましたが、日本海に落ち
るロフテッド軌道のミサイルは撃ちますが、それより遠くには飛ばさなかった。
核問題で非常に緊張し、核問題で米朝が話し合いをする状況でしたから、(安倍
総理が)「核問題で米朝が話し合いをする時に拉致問題も絶対に一緒に入れても
らわなければ困る」ということが大きな課題だったのです。

 岸田政権が置かれた状況はそうではなかった。核問題は動かないだろう、そし
て親の世代の方がどんどんお亡くなりになり、早紀江さんも去年一度倒れた。有
本のお父さんは96歳になった。親の世代が被害者と抱き合うことができなくなる
かもしれないという切迫感が国内で生まれた。

 そういう中で、拉致問題を「人道・人権」という枠で、安全保障と切り離して
先にやることができないかということを私たちは提言し、岸田政権もそういう方
向のメッセージを出した。

 そして菅政権の時からですが、北朝鮮に対して、「親の世代が存命の内に被害
者を返さなければ、日本の世論は反北朝鮮になりますよ」と。

 また早紀江さんがここにいらっしゃる中で言うのはいいことではないのですが、
「早紀江さんに何かのことがあった後に、めぐみさんが帰ってきても、日本の世
論は『よかった』とはなりませんよ。なぜ親が生きている間に会わせなかったの
かということになりますよ」と。

「そういうメッセージを北朝鮮に送ってください」と言いました。菅総理から
「送りましたよ」との返事がきました。私が調べたところでも、このメッセージ
は平壌の中枢に届いています。彼らは日本の世論を見れば分かるわけです。

 日本から多額の経済協力資金を取りたい。しかし、それは国交正常化の後だ。
そして日本は米が余っている。医薬品も余っている。人道支援が受けられるなら、
できることをしたい。それらを取るためには、日本の世論が、「よかったな」と
思わなければならない。それは、「親の世代が生きている間に拉致被害者を返す
ことだ」と平壌は理解した。

 そういう働きかけを菅政権以降やってくださっている。その次の岸田政権になっ
て、アメリカが動かないことが分かって、「時間的制約のある人道問題」という
言い方ら向こうから返事が来た。

 しかし今年の3月以降、「日本とは話をしない」と言いました。その後、接触
は続いたという情報を私も持っていますが、その後岸田政権の支持率が下がり、
9月に日本の総裁選挙があることは北朝鮮は分かっていますから、再選されるか
どうか分からない総理大臣と首脳会談をしても、そこで約束したことが守られる
か分からないという情勢になり、止まったのだと思います。そして、岸田さんが
総裁選に立候補しないことになりましたから、岸田政権とはやらないことになっ
たのです。

 一方、アメリカでバイデン政権が続かないことが明らかになりました。そして
トランプ前大統領の支持率がどんどん上がってきて、トランプ政権ができるかも
しれないということになった。

 石破政権は、「時間的制約がある」と、岸田政権に合わせてきた。もしトラン
プ政権になったら、トランプ氏は金正恩氏と会うと思います。金正恩氏もトラン
プ氏に会いたがっているという複数の情報があります。

 そうなるとハノイでの米朝首脳会談の再現になると思います。核問題をテーブ
ルに置いて米朝が話し合う。前回はトランプ大統領は拉致問題も出した。出すこ
とができた背景には安倍総理という前提があった。

 石破総理になって、トランプ大統領が当選した時、もう一度米朝首脳会談が行
われた時に、トランプ大統領が拉致問題をテーブルの上に出すかどうかです。一
方ハリス氏が勝った場合、バイデン政権の延長線上になるでしょう。

 そして、石破総理が言った「時間的制約のある人道問題」という言葉、岸田総
理が言ったその言葉がもう一度使われるかもしれない。

 北朝鮮とすれば、トランプ政権と核問題で、米朝で一定の妥結をする。そして
国連制裁のかなりの部分を緩和してもらう。そしてすぐ日朝首脳会談をして国交
正常化交渉に入る。その時拉致問題のカードを使う。そうしたら平壌宣言で約束
されている大規模な経済支援が貰える。但しそれは、親の世代が生きている間で
すよ、という仕組みはまだ効いている。

 ハリスの場合は、「時間的制約のある人道問題」という政策を着々と進めるし
かない。それは私たちが決めることではありません。アメリカが国民が決めた結
果となります。

 そこで、これをハンドリングする位置に石破総理が就かれて、そこで「最優先
課題だ」とおっしゃったわけです。これが今の状況です。

 残念ながらこの秋には嬉しい兆候はないのではないかと思います。それは9月
の自民党総裁選挙と、11月のアメリカの大統領選挙のあとに北朝鮮が方針を決
めるだろうからです。接触はあるだろうが、本格的な交渉にはならないだろうと
思います。

 しかし、日本から支援を貰うことをあきらめてはいない。だから来年、トラン
プ政権かハリス政権が成立した後、動きが出てくるだろうと思います。早紀江さ
んにもう少し頑張っていただきたいと思います。そして向こうにいる被害者にも
頑張ってほしいと思います。

 もう一つ、今国際情勢と国内のことを言いましたが、北朝鮮の状況があります。
日本からの支援を必要とする度合いは高まってきています。一番大きな要素は中
朝関係が悪いということです。

 ごく最近も韓国の新聞が報道していて驚いたのですが、中国当局が発表した8
月末までの中朝貿易の統計ですが、北朝鮮が中国に輸出した米の量は前年同時期
の輸出の90%です。北朝鮮で食糧難が続いている中で前年比10%しか米を輸出し
ていない。

 金正恩氏や側近が使うぜいたく品、北朝鮮ではそれを1号物資と言うのですが、
それを中国政府が押収して競売にかけてしまった。「1号物資だけは何とかして
ください」と北朝鮮の高官が交渉に行ったけれども、だめだった。私はこの話を
この集会でしましたが、最近韓国の新聞が書いています。

 北朝鮮のチャンマダン(市場)に中国製品がほとんどこなくなった。日用品は
ほとんど中国製品で、中国の人民元で買い物をしていたのです。すれがなくなっ
た。中朝国境が完全に壁で封鎖され、中国に逃げ出すことができなくなった。

 金正恩氏が中国に行って、「助けてください」と頭を下げれば変わるというよ
うな状況は全くない。プーチンさんはどこまで託せるか。北朝鮮は戦争で必要な
物だけを出し、それも助けるのではなく貿易をしているのです。そして小麦粉等
を買っている。

 そういう状況の中で、日本からは貰える。アメリカはトランプ大統領と会えば
友好的にはなるだろうが、トランプ大統領は安全保障は約束してくれるし、制裁
は緩和してくれるが、経済支援はしない。以前にもトランプ大統領はそう言って
います。

 日本は経済制裁で約束をしている。それには石破さんは今日の演説では触れな
かった。しかし、「時間的制約」はありますよと言った。これが今の状況です。

 そういう中で、小手先の「連絡事務所」等ではなく、日本は大戦略をとって、
今国際情勢がどうなっているか、米、中、ロシアとの関係がどうなっているかを
見て、また被害者家族がどうなっているかを見た上で、石破首相が先頭に立って、
全被害者を助けてほしいと思います。

以上です。ありがとうございました。

(4につづく)

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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿

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