国民大集会報告2(2024/11/27)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2024.11.27)
■国民大集会報告2
◆政府にはまなじりを決して交渉を
古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)
今年1月に能登半島で地震があった時、岸田前総理あてに、「岸田総理大臣閣
下」として金正恩氏からお見舞い電報が来ました。これは異例のことです。これ
はサインですので、私たちはよく考えていく必要があります。何らかのメッセー
ジなんでしょう。
しかしその後は、またいつものように厳しい態度に変わっています。北朝鮮は
支援がほしいんです。だからこそ厳しい態度に出る。日本を無視する。その裏返
しは日本の支援がほしいということだと思います。
石破総理は、敢えて申し上げますが、日朝友好議連に入っておられます。これ
に色々な批判があります。しかし、私はこれを逆手に使っていただいて金正恩と
首脳会談への突破口になんとしてでもつなげていただきたいと期待します。
もう一つ。先ほど拓也さんも言われましたが、平壌に連絡事務所を設置するこ
とは、これは時間稼ぎだけで全く効果はないと思います。これは家族会も救う会
も同じ考えで、このことを敢えて指摘しておきたいと思います。
拉致問題は、「時間的制約のある人道問題」です。先ほど西岡さんからも、
「親が生きている内に返さないと、これは解決ではない」とありましたが、その
通りです。だからこそ私たちは、「時間的制約のある人道問題」と言っています。
政府はあらゆる手段を使って、今協議をしていると思います。水面下でも色々
な取り組みをしていると思います。これは大いに進めていただきたい。水面下の
交渉が、水面の上に出てきたら、もはや交渉ではない。ここをしっかり押さえて、
政府にはまなじりを決して交渉していただきたい。
我々拉致議連も、そのためなら政府をしっかり支援し、背中を押していきたい
と思っています。今日は全国各地から地方議会の皆様がお越しになっています。
被害者が帰ってきてから22年経ちました。
特に若い世代は拉致のことを知らない人が多いと聞きます。だからこそ、学校
や地域や自治会が、あらゆる場面を通じて、絶対にこの拉致問題を風化させない
ようにしなければならない。なぜなら金正恩が狙っているのはその「風化」だか
らなんです。
風化をさせないために、各地域で色々な資料ができています。パンフレット、
DVD、映画、歌等いろいろあります。こういうものをしっかりと最大限活用して、
全国で啓発活動を行ってほしい。「絶対に拉致は許さない」と。これは単なる誘
拐ではなく、国家によるテロなんです。こういうことを若い世代にもしっかりと
啓発活動をしていただきたいと思います。これは北朝鮮が一番嫌がることである
ことは間違いない。一番嫌がることをやることが拉致問題の解決につながるので
す。是非議会や市町村長さんとも連携してやっていただきたいとお願いを申し上
げまして、拉致議連会長としてのご挨拶に代えさせていただきます。今日はあり
がとうございました(拍手)。
◆「めぐみは生きている」との叫び声を聞いたことが私の原点
石破茂(内閣総理大臣、政府拉致問題対策本部長)
初代の拉致議連の会長をいたしておりました内閣総理大臣石破茂であります。
本日の国民大集会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
先ほど来、お話がございますように、先月17日、拉致被害者家族会及び救う会
の皆様方と官邸において、お目にかからせていただきました。ご家族の皆様方か
らは、いまだに肉親と再会することができないという苦しみ、あるいは拉致被害
者の帰国実現まで決して諦めないという切実な思いを聞かせていただき、もう時
間が残っていないという切迫感を共有したところでございます。私からも、この
内閣におきます拉致問題の解決に向けた決意をお伝えいたしました。本日改めて
切実なお声を聞かせていただいたところであります。
もう22年も前のことになりますが、2002年に当時の小泉総理が訪朝をなさいま
した。帰国されたときに飯倉公館あるいは首相官邸においてご家族の皆様方にい
ろんな情報が伝えられました。それを聞かれたときに、今日もご臨席をいただい
ている、先ほどご挨拶をなさいました横田早紀江さんが、私はその場面はありあ
りと覚えているのですが、「私は信じない、そのようなことは信じない。めぐみ
は生きている」というふうに叫ばれた、あえて叫ばれたと申し上げますが、それ
が私のこの問題に取り組む原点でもあります。
あの言葉は耳に残って離れることがありません。私はその時、今は亡き横田滋
さんの隣に座らせていただいておりました。本当に繰り返しになりますが、あの
叫びを忘れることはないし、これは全ての日本国民が共有せねばならないことだ
というふうに思っているところでございます。
いまだにそれ以降、ご帰国が実現をいたしておりません。それはなぜ実現をし
なかったのかということをきちんと我々は検証していかねばならないと思ってお
ります。こうして国民集会が開かれ、全国各地において思いを共有する方々が大
勢おられるにもかかわらず、なぜ実現をしていないのか。
今、古屋会長のお話もございましたが、我々政府としてどのようにして北朝鮮
と向き合うべきなのかということ、そのことをもう一度よく検証し、方策という
ものを考え、実現に向けて努力をいたしてまいります。
◆拉致は国家主権の侵害以外の何物でもない
日朝平壌(ピョンヤン)宣言に基づきまして、拉致、核、ミサイルといった諸
懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するとい
うことは基本方針でございますが、私ども日本人は国家主権って何だろうかとい
うこと、つまり学校で、小学校でも中学校でも高等学校でも国民主権ということ
は教わるんですが、国家主権とは何かということをきちんと教わったという人は
あまり多くないのかもしれません。国家主権の要素って三つありまして、一つは
領土です。一つは国民です。一つは統治の仕組みです。この三つをもってして国
家主権の3要素というふうに申しております。
拉致問題は、国家による我が同胞の拉致なのであって、それは国家による拉致
なのですから、これは単なる誘拐事件ではございません。日本国の国家主権の侵
害以外の何物でもないということであります。従いまして、ご家族がご高齢とな
ります中において、時間的制約のあるこの問題は、日本国民全ての国家主権の侵
害であるという共通認識の下に、解決に向けて心を一つにしていかねばならない、
かように考えている次第でございます。
そしてまた、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の方々の一日も早い
ご帰国を実現をしていかねばならないと思っております。政府として、政権とし
て断固たる決意の下、皆様方と連帯をしながらこの問題の解決に向けて取り組ん
でまいります。
◆先頭に立ち、この問題の解決に取り組む
また今、古屋会長からも言及がありましたが、北朝鮮とロシアとの関係、これ
は決して看過すべき問題ではございません。なぜこの2か国が連携をしておるか
ということ、そのことは我が国の独立にかかわる重要問題であります。このこと
をよく認識しながら国際社会と連携をしながら取り組んでまいります。
先般、ペルーを訪問をさせていただきました。APEC(アジア太平洋経済協力)
あるいはG20で多くの首脳と会談をしたところでありますが、合衆国のバイデン
大統領、あるいは韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、そういう方々とこ
の問題について意見交換をし、緊密に連携をする、単なる連携のみならず解決に
向けて共に取り組むという意識を共有させていただいたところであります。
中国の習近平国家主席とも会談を行いました。そこにおきましても、この問題
を提起し、意見交換を行ったところであります。多くの国々と国際社会と共に連
帯をしながら取り組んでまいります。
長引けば長引くほど、日朝が新しい関係を築こうとしてもその実現は困難だと
いうふうに考えているところでございます。相互不信の連鎖があることは間違い
ございません。そしてそれにより状況は複雑化をいたしております。もう一度、
日朝平壌宣言の原点に立ち返り、22年前に思い描きましたそのような思いを、大
局観を持っていかに実現をするかということが重要であります。この機会を逃す
ことがないよう、金正恩(キム・ジョンウン)委員長に対しても呼び掛けてまい
ります。
個人と個人の関係でもそうでありますが、実際に会いもしないで、見もしない
で、相手を非難していてもこれは始まるものではございません。私は本当にこの、
正面から向き合うことによって、皆様方と共にこの思いを実現してまいりたいと、
かように考えておる次第でございます。多くの歴史を振り返ってみましても、首
脳による戦略的な決断に基づく実行が時代を動かすというふうに思っております。
先頭に立ち、この問題の解決に取り組んでまいることを申し述べる次第でありま
す。
本日は大勢の方々が全国からお集まりになりました。これが国際社会を動かし、
国民世論を統一し、この問題の解決に向けた大きな力になるというふうに心から
思う次第でございます。
時間はあまり多く残っておりません。政府として国家主権の問題であるという
ふうな認識の下、この問題解決に取り組んでまいります。どうぞ今後とも皆様の
お力を賜り、国家としての尊厳を、そしてまた一人一人の人権を確実にするため
に共に戦ってまいりたいと存じます。どうぞ宜しくお願いを申し上げます(拍手)。
◆認定の有無に関わらず
林芳正 (拉致問題担当大臣、内閣官房長官、衆議院議員)
民大集会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
総理からもお話がございましたが、先月日には拉致被害者家族会及び救う会の
皆さまと、そして今月19日には特定失踪者家族会及び特定失踪者問題調査会の皆
様と私自身官邸でお会いさせていただきました。
ご家族の皆様からは、何としても肉親との再会を果たしたい、こういう切実な
思いを改めて直接聞かせていただいた所です。
明日、米子市で開催されます「国民のつどい」にも参加させていただくことに
しております。松本京子さんの拉致現場を視察させていただく予定です。
引き続き、認定の有無に関わらずすべての拉致被害者の一日も早い帰国を実現
すべく、全力で果断に取り組んで参ります。
拉致問題は過去の歴史上の事件では決してなく、今なお被害者が自由を奪われ、
ご帰国できない状態が続いている現在進行形の問題であると全国民の皆様にご認
識をいただく、このことが大変重要でございます。
政府としては、こうした「国民のつどい」や舞台劇公演、映画上映会等を全国
の地方自治体や民間団体の皆様と協力して開催をしているところでございます。
特に重要となっている若い世代の皆様への啓発につきましては、教員等を対象と
した研修、そして今年も行わせていただきました「中学生サミット」、さらには
中学生、高校生を対象とした作文コンクール等の取組みを行っております。
また来月14日には拉致問題への理解、関心を高めるために、「すべての拉致被
害者の一日も早い帰国の実現に向けて」をテーマに、東京で政府主催のシンポジ
ウムを開催いたします。
同シンポジウムにおきましては、拉致被害者のご家族の皆様の生の声を発して
いただくと共に、作文コンクールの表彰式、そして「中学生サミット」に関する
報告、有識者による講演が行われる予定でございます。ユーチューブのライブ配
信も実施を致しますので、是非多くの皆様にご来場、またユーチューブを通じて
のご視聴をお願い申し上げます。
拉致問題の解決を願う国民の皆様から、これまでに1882万筆を超える署名を頂
いておりまして、大変心強い後押しとなっております。こうした一つひとつの署
名に込められた思いをしっかりと受け止めて皆様と心を一つにして取り組んで参
りたいと思っております。
日朝間に存在してきた相互不信を打ち破り、双方にとって明るい未来を実現す
るためには、先ほど総理からもお言葉がありましたが、わが国が主体的に行動す
ることが必要であります。
問題解決に向けて、総理の指示の下で、政府一丸となって取り組んでまいりま
すことをここにお誓い申し上げます。
今後ともご協力いただけますようお願い申し上げまして、私からのご挨拶にさ
せていただきます。どうぞよろしくお願いいたします(拍手)。
◆2002年、「遺族」を「家族」に訂正
西岡 ここで第1部を終了いたします。石破総理大臣と林官房長官が退席されま
す。皆さん、拍手でお送りください(拍手)。
2002年9月17日に小泉訪朝があったのですが、その1日前に日比谷公会堂で国民
大集会をやりました。その時、主催者挨拶をしたのが今の石破総理でした。拉致
議連の会長でしたので。
その17日に、今思えば悔しいのですが、確認されていないのに「死亡通告」さ
れたわけです。そして国会議員会館で記者会見をしましたが、その時も家族会・
救う会・拉致議連主催の記者会見でした。そして当時の石破会長が横田滋代表の
隣に座っていたんです。
そして滋さんは泣き崩れてしまった。滋さんは政府を信じていたから、「死亡」
と言われて、亡くなったと思っていたんです。夫婦喧嘩していましたよ。早紀江
さんは、「信じません」と言った。滋さんは、「政府が確認したと言ったんだか
ら」と言っていました。
早紀江さんには「母親の直感」というのがあるんです。泣き崩れた滋さんの後
ろからマイクを取って、「私は信じません。生きています」と言ったのを、石破
総理(当時の会長)が覚えていると今おっしゃったんです。私が会見を仕切って
いましたからよく覚えています。新聞記者が泣いていましたよ。
もう一度言いますが、確認していないのに、「確認した」としか言えず、当時
の政府には(拉致問題に対応する)体制がなかったのです。
次に日の朝、亡くなられた安倍晋三副長官がホテルに来てくれて、「確認して
いない」と教えてくれたのです。マスコミはその時、「遺族」と言っていたんで
す。死亡者の遺族と言っていたから、安倍さんが教えてくれたので緊急記者会見
をして、「遺族と言わないでください。北朝鮮が『死亡』と通報した家族」と言っ
てください。『被害者家族』と言ってください」と言った記憶があります。
(3につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■国民大集会報告2
◆政府にはまなじりを決して交渉を
古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)
今年1月に能登半島で地震があった時、岸田前総理あてに、「岸田総理大臣閣
下」として金正恩氏からお見舞い電報が来ました。これは異例のことです。これ
はサインですので、私たちはよく考えていく必要があります。何らかのメッセー
ジなんでしょう。
しかしその後は、またいつものように厳しい態度に変わっています。北朝鮮は
支援がほしいんです。だからこそ厳しい態度に出る。日本を無視する。その裏返
しは日本の支援がほしいということだと思います。
石破総理は、敢えて申し上げますが、日朝友好議連に入っておられます。これ
に色々な批判があります。しかし、私はこれを逆手に使っていただいて金正恩と
首脳会談への突破口になんとしてでもつなげていただきたいと期待します。
もう一つ。先ほど拓也さんも言われましたが、平壌に連絡事務所を設置するこ
とは、これは時間稼ぎだけで全く効果はないと思います。これは家族会も救う会
も同じ考えで、このことを敢えて指摘しておきたいと思います。
拉致問題は、「時間的制約のある人道問題」です。先ほど西岡さんからも、
「親が生きている内に返さないと、これは解決ではない」とありましたが、その
通りです。だからこそ私たちは、「時間的制約のある人道問題」と言っています。
政府はあらゆる手段を使って、今協議をしていると思います。水面下でも色々
な取り組みをしていると思います。これは大いに進めていただきたい。水面下の
交渉が、水面の上に出てきたら、もはや交渉ではない。ここをしっかり押さえて、
政府にはまなじりを決して交渉していただきたい。
我々拉致議連も、そのためなら政府をしっかり支援し、背中を押していきたい
と思っています。今日は全国各地から地方議会の皆様がお越しになっています。
被害者が帰ってきてから22年経ちました。
特に若い世代は拉致のことを知らない人が多いと聞きます。だからこそ、学校
や地域や自治会が、あらゆる場面を通じて、絶対にこの拉致問題を風化させない
ようにしなければならない。なぜなら金正恩が狙っているのはその「風化」だか
らなんです。
風化をさせないために、各地域で色々な資料ができています。パンフレット、
DVD、映画、歌等いろいろあります。こういうものをしっかりと最大限活用して、
全国で啓発活動を行ってほしい。「絶対に拉致は許さない」と。これは単なる誘
拐ではなく、国家によるテロなんです。こういうことを若い世代にもしっかりと
啓発活動をしていただきたいと思います。これは北朝鮮が一番嫌がることである
ことは間違いない。一番嫌がることをやることが拉致問題の解決につながるので
す。是非議会や市町村長さんとも連携してやっていただきたいとお願いを申し上
げまして、拉致議連会長としてのご挨拶に代えさせていただきます。今日はあり
がとうございました(拍手)。
◆「めぐみは生きている」との叫び声を聞いたことが私の原点
石破茂(内閣総理大臣、政府拉致問題対策本部長)
初代の拉致議連の会長をいたしておりました内閣総理大臣石破茂であります。
本日の国民大集会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
先ほど来、お話がございますように、先月17日、拉致被害者家族会及び救う会
の皆様方と官邸において、お目にかからせていただきました。ご家族の皆様方か
らは、いまだに肉親と再会することができないという苦しみ、あるいは拉致被害
者の帰国実現まで決して諦めないという切実な思いを聞かせていただき、もう時
間が残っていないという切迫感を共有したところでございます。私からも、この
内閣におきます拉致問題の解決に向けた決意をお伝えいたしました。本日改めて
切実なお声を聞かせていただいたところであります。
もう22年も前のことになりますが、2002年に当時の小泉総理が訪朝をなさいま
した。帰国されたときに飯倉公館あるいは首相官邸においてご家族の皆様方にい
ろんな情報が伝えられました。それを聞かれたときに、今日もご臨席をいただい
ている、先ほどご挨拶をなさいました横田早紀江さんが、私はその場面はありあ
りと覚えているのですが、「私は信じない、そのようなことは信じない。めぐみ
は生きている」というふうに叫ばれた、あえて叫ばれたと申し上げますが、それ
が私のこの問題に取り組む原点でもあります。
あの言葉は耳に残って離れることがありません。私はその時、今は亡き横田滋
さんの隣に座らせていただいておりました。本当に繰り返しになりますが、あの
叫びを忘れることはないし、これは全ての日本国民が共有せねばならないことだ
というふうに思っているところでございます。
いまだにそれ以降、ご帰国が実現をいたしておりません。それはなぜ実現をし
なかったのかということをきちんと我々は検証していかねばならないと思ってお
ります。こうして国民集会が開かれ、全国各地において思いを共有する方々が大
勢おられるにもかかわらず、なぜ実現をしていないのか。
今、古屋会長のお話もございましたが、我々政府としてどのようにして北朝鮮
と向き合うべきなのかということ、そのことをもう一度よく検証し、方策という
ものを考え、実現に向けて努力をいたしてまいります。
◆拉致は国家主権の侵害以外の何物でもない
日朝平壌(ピョンヤン)宣言に基づきまして、拉致、核、ミサイルといった諸
懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を実現するとい
うことは基本方針でございますが、私ども日本人は国家主権って何だろうかとい
うこと、つまり学校で、小学校でも中学校でも高等学校でも国民主権ということ
は教わるんですが、国家主権とは何かということをきちんと教わったという人は
あまり多くないのかもしれません。国家主権の要素って三つありまして、一つは
領土です。一つは国民です。一つは統治の仕組みです。この三つをもってして国
家主権の3要素というふうに申しております。
拉致問題は、国家による我が同胞の拉致なのであって、それは国家による拉致
なのですから、これは単なる誘拐事件ではございません。日本国の国家主権の侵
害以外の何物でもないということであります。従いまして、ご家族がご高齢とな
ります中において、時間的制約のあるこの問題は、日本国民全ての国家主権の侵
害であるという共通認識の下に、解決に向けて心を一つにしていかねばならない、
かように考えている次第でございます。
そしてまた、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の方々の一日も早い
ご帰国を実現をしていかねばならないと思っております。政府として、政権とし
て断固たる決意の下、皆様方と連帯をしながらこの問題の解決に向けて取り組ん
でまいります。
◆先頭に立ち、この問題の解決に取り組む
また今、古屋会長からも言及がありましたが、北朝鮮とロシアとの関係、これ
は決して看過すべき問題ではございません。なぜこの2か国が連携をしておるか
ということ、そのことは我が国の独立にかかわる重要問題であります。このこと
をよく認識しながら国際社会と連携をしながら取り組んでまいります。
先般、ペルーを訪問をさせていただきました。APEC(アジア太平洋経済協力)
あるいはG20で多くの首脳と会談をしたところでありますが、合衆国のバイデン
大統領、あるいは韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、そういう方々とこ
の問題について意見交換をし、緊密に連携をする、単なる連携のみならず解決に
向けて共に取り組むという意識を共有させていただいたところであります。
中国の習近平国家主席とも会談を行いました。そこにおきましても、この問題
を提起し、意見交換を行ったところであります。多くの国々と国際社会と共に連
帯をしながら取り組んでまいります。
長引けば長引くほど、日朝が新しい関係を築こうとしてもその実現は困難だと
いうふうに考えているところでございます。相互不信の連鎖があることは間違い
ございません。そしてそれにより状況は複雑化をいたしております。もう一度、
日朝平壌宣言の原点に立ち返り、22年前に思い描きましたそのような思いを、大
局観を持っていかに実現をするかということが重要であります。この機会を逃す
ことがないよう、金正恩(キム・ジョンウン)委員長に対しても呼び掛けてまい
ります。
個人と個人の関係でもそうでありますが、実際に会いもしないで、見もしない
で、相手を非難していてもこれは始まるものではございません。私は本当にこの、
正面から向き合うことによって、皆様方と共にこの思いを実現してまいりたいと、
かように考えておる次第でございます。多くの歴史を振り返ってみましても、首
脳による戦略的な決断に基づく実行が時代を動かすというふうに思っております。
先頭に立ち、この問題の解決に取り組んでまいることを申し述べる次第でありま
す。
本日は大勢の方々が全国からお集まりになりました。これが国際社会を動かし、
国民世論を統一し、この問題の解決に向けた大きな力になるというふうに心から
思う次第でございます。
時間はあまり多く残っておりません。政府として国家主権の問題であるという
ふうな認識の下、この問題解決に取り組んでまいります。どうぞ今後とも皆様の
お力を賜り、国家としての尊厳を、そしてまた一人一人の人権を確実にするため
に共に戦ってまいりたいと存じます。どうぞ宜しくお願いを申し上げます(拍手)。
◆認定の有無に関わらず
林芳正 (拉致問題担当大臣、内閣官房長官、衆議院議員)
民大集会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
総理からもお話がございましたが、先月日には拉致被害者家族会及び救う会の
皆さまと、そして今月19日には特定失踪者家族会及び特定失踪者問題調査会の皆
様と私自身官邸でお会いさせていただきました。
ご家族の皆様からは、何としても肉親との再会を果たしたい、こういう切実な
思いを改めて直接聞かせていただいた所です。
明日、米子市で開催されます「国民のつどい」にも参加させていただくことに
しております。松本京子さんの拉致現場を視察させていただく予定です。
引き続き、認定の有無に関わらずすべての拉致被害者の一日も早い帰国を実現
すべく、全力で果断に取り組んで参ります。
拉致問題は過去の歴史上の事件では決してなく、今なお被害者が自由を奪われ、
ご帰国できない状態が続いている現在進行形の問題であると全国民の皆様にご認
識をいただく、このことが大変重要でございます。
政府としては、こうした「国民のつどい」や舞台劇公演、映画上映会等を全国
の地方自治体や民間団体の皆様と協力して開催をしているところでございます。
特に重要となっている若い世代の皆様への啓発につきましては、教員等を対象と
した研修、そして今年も行わせていただきました「中学生サミット」、さらには
中学生、高校生を対象とした作文コンクール等の取組みを行っております。
また来月14日には拉致問題への理解、関心を高めるために、「すべての拉致被
害者の一日も早い帰国の実現に向けて」をテーマに、東京で政府主催のシンポジ
ウムを開催いたします。
同シンポジウムにおきましては、拉致被害者のご家族の皆様の生の声を発して
いただくと共に、作文コンクールの表彰式、そして「中学生サミット」に関する
報告、有識者による講演が行われる予定でございます。ユーチューブのライブ配
信も実施を致しますので、是非多くの皆様にご来場、またユーチューブを通じて
のご視聴をお願い申し上げます。
拉致問題の解決を願う国民の皆様から、これまでに1882万筆を超える署名を頂
いておりまして、大変心強い後押しとなっております。こうした一つひとつの署
名に込められた思いをしっかりと受け止めて皆様と心を一つにして取り組んで参
りたいと思っております。
日朝間に存在してきた相互不信を打ち破り、双方にとって明るい未来を実現す
るためには、先ほど総理からもお言葉がありましたが、わが国が主体的に行動す
ることが必要であります。
問題解決に向けて、総理の指示の下で、政府一丸となって取り組んでまいりま
すことをここにお誓い申し上げます。
今後ともご協力いただけますようお願い申し上げまして、私からのご挨拶にさ
せていただきます。どうぞよろしくお願いいたします(拍手)。
◆2002年、「遺族」を「家族」に訂正
西岡 ここで第1部を終了いたします。石破総理大臣と林官房長官が退席されま
す。皆さん、拍手でお送りください(拍手)。
2002年9月17日に小泉訪朝があったのですが、その1日前に日比谷公会堂で国民
大集会をやりました。その時、主催者挨拶をしたのが今の石破総理でした。拉致
議連の会長でしたので。
その17日に、今思えば悔しいのですが、確認されていないのに「死亡通告」さ
れたわけです。そして国会議員会館で記者会見をしましたが、その時も家族会・
救う会・拉致議連主催の記者会見でした。そして当時の石破会長が横田滋代表の
隣に座っていたんです。
そして滋さんは泣き崩れてしまった。滋さんは政府を信じていたから、「死亡」
と言われて、亡くなったと思っていたんです。夫婦喧嘩していましたよ。早紀江
さんは、「信じません」と言った。滋さんは、「政府が確認したと言ったんだか
ら」と言っていました。
早紀江さんには「母親の直感」というのがあるんです。泣き崩れた滋さんの後
ろからマイクを取って、「私は信じません。生きています」と言ったのを、石破
総理(当時の会長)が覚えていると今おっしゃったんです。私が会見を仕切って
いましたからよく覚えています。新聞記者が泣いていましたよ。
もう一度言いますが、確認していないのに、「確認した」としか言えず、当時
の政府には(拉致問題に対応する)体制がなかったのです。
次に日の朝、亡くなられた安倍晋三副長官がホテルに来てくれて、「確認して
いない」と教えてくれたのです。マスコミはその時、「遺族」と言っていたんで
す。死亡者の遺族と言っていたから、安倍さんが教えてくれたので緊急記者会見
をして、「遺族と言わないでください。北朝鮮が『死亡』と通報した家族」と言っ
てください。『被害者家族』と言ってください」と言った記憶があります。
(3につづく)
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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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