救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国際セミナー報告1(2024/12/16)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2024.12.16)

■開会

◆力強く共に行動する、そして結果を出す

櫻井よしこ(総合司会、ジャーナリスト)

 皆様こんにちは。これより開会させていただきます。テーマは、「北朝鮮の最
新情報を知り、全拉致被害者救出への方途を考える国際セミナー」です。どうぞ
よろしくお願いいたします(拍手)。

 国際情勢は今激動しています。北朝鮮はもはや韓国を同胞と見なさず、「敵だ」
と言い始めました。金正恩氏はロシアと結び、ロシアはウクライナ戦争で死力を
尽くしています。

 そしてよくよく見ると、ロシアがかなり力を落としていると見られます。シリ
アのアサド政権があっという間に崩壊しました。ロシアはもはや中東に介入する
余力はないと思います。

 中国もまたアサド政権支援に深くコミットしてきましたが、彼らもアサド政権
を救うことはできていません。

 そしてアメリカにトランプ政権が誕生します。私たちはトランプさんが一体何
をするのか、まだ見定めることができていませんが、力強い政策をとるのではな
いかと思います。

 韓国で尹錫悦大統領が戒厳令を敷いたことによってあっけなく崩壊してしまい、
これから先の韓国の政権は極めて見通しの暗いものになるのではないかと考えざ
るを得ません。

 このような情勢の中、私たちは拉致問題解決のために何ができるのか。共に考
えて、そして考えた先に力強く共に行動する、結果を出すことを今日はお互いに
確認し合おうと思っています。ではどうぞよろしくお願いいたします(拍手)。

■主催者挨拶

◆北朝鮮のくせ玉に騙されないで

横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)

 本日は家族会代表で兄の拓也が所用で参加できないので、私が代わりにご挨拶
をさせていただきます。

 大変ご多忙にもかかわらず、辻拉致問題担当副大臣に本セミナーにお越し頂き
ました。誠にありがとうございます。

 そして、今年も司会を櫻井よしこさんにお引き受け頂き感謝致します。今年は
韓国からは、自由北韓放送のイ・シヨン局長にお越し頂きありがとうございます。

 昨年もこの国際セミナーでご挨拶をさせて頂きましたが、拉致問題の解決に向
けて一つも進展していないことが残念でなりません。

 北朝鮮の冬は日本より厳しく、食糧そしてエネルギーが慢性的に不足しており、
日本人拉致被害者が厳しい環境の中で過ごさざるを得ないことが心配でならない
思いです。無事に生きていくことが出来るだろうかと毎日思っているところです。

 日本国内を眺めれば、今クリスマスの煌びやかなイルミネーションが輝いてい
て、そこには家族・恋人たちの笑顔で溢れていて、幸せ一杯です。しかし北朝鮮
ではこういった楽しいことは皆無であり、夢も希望も無く、今日をどうやって生
きていくのか、大丈夫だろうかといつも思っています。

 さて、去る11月23日に国民大集会という拉致に関する集会を開催し、石破首相
そして林拉致問題担当大臣にもお越しいただきました。また、各党からは拉致問
題対策本部の本部長や政党の代表の方にもお越し頂きました。

 岸田政権の時に、北朝鮮と水面下交渉が行われていたことは、岸田前首相そし
て北朝鮮の金与正さんの発言からも明らかになっていますので何らかの交渉があっ
たのは明らかです。それが石破政権に代わったことで交渉の糸が途切れることの
ないように継続した取り組みをお願いします。
林拉致問題担当大臣が留任したことは、この点についても大きな意味があると思っています。

 海外に目を向ければ、アメリカの大統領選挙でトランプさんが返り咲くことと
なり、ニュースを見ていると、政権移行チームが米朝トップ会談を検討している
と出ていました。そういう意味で日本もそこに力を入れていただきたいと思って
います。

 トランプさんは過去に金正恩へ3回も日本人拉致について言及して下さってい
るので、近い将来に米朝首脳会談が行われた時あるのであれば、是非強く迫って
頂きたいと思います。

 一方で、この問題は日本国が解決すべき問題であり、日本政府が何をするかを
明確に示してほしいと思っています。

 圧力と対話、アメリカそして韓国との連携、更に北朝鮮国内でクーデターや有
事となった時の日本人拉致被害者の救出をどうするのかを徹底的に詰めて頂きた
いと思っています。

 とりわけ韓国においては、尹大統領のご乱心により政治が著しく混乱しており、
来年春に大統領選挙が行われる可能性が高く、最大野党である「共に民主党」の
李在明さんが選出される可能性が高いとも言われています。この人は反日モード
で有名で、一気に日韓関係が悪化する可能性を排除できません。

 この人が大統領となり、そして北朝鮮で有事となった際に、日本人拉致被害者
を救出できるのかを、日本政府は徹底的に情報と人脈を駆使して、失敗のないよ
うに取り組んでほしいと思っています。

 今後、北朝鮮は日本人拉致問題を解決するかのように見せかけて、彼らにとっ
て都合の良い形で様々な「くせ玉」を投げてくることが予想されます。

 例えば、日朝双方に連絡事務所や合同調査委員会を設置しようとか、横田めぐ
みの娘であるキム・ウンギョンさんを訪日させて融和的な雰囲気を醸し出そうと
するかもしれません。決して日本政府は騙されないでほしいですし、「すべての
拉致被害者の一括帰国」は変わらない主張ですから、取組みを宜しくお願い致し
ます。

 我々家族会だけではこの問題を解決することはできませんので、皆様のご支援
があってこそ解決できると思っていますので、これからも引き続きご支援・ご声
援を賜れればと存じます。

 最後に、明日12月14日に日本政府主催の「拉致問題に関するシンポジウム」が
霞が関にあるイイノホールで行われます。

 入場は無料なので、お時間のある方は是非お越しください。どうぞよろしくお
願いいたします(拍手)。

櫻井 いつもご家族の声を聞くと、どうして拉致問題は解決できないんだろうと、
国家として本当になんとかできないのだろうかという疑問がわきます。

◆党は違えどみんなで拉致問題を解決する

古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)

 11月には国民大集会を開催しましたし、今日もこのような会合を開かなけれ
ばならないことは、拉致議連会長として、超党派の300人を代表して、本当に申
し訳ないと思います。

 被害者と家族のことを思うと本当に悲惨で、心が苦しめられる思いです。ただ、
拉致したというのは異常な独裁国家北朝鮮の金正恩です。その北朝鮮ですが、今
完全にロシアと握っています。

 ロシアは対空ミサイルを供与し、その見返りに北朝鮮は兵士を出しています。
彼らは多分、的替わりにされているわけです。もう人権などは全く関係ない。お
まけに「戦略的パートナーシップ」等と言っています。

 北朝鮮は全く人権無視ですね。一方国内を見ると、経済も食糧事情もガタガタ
で、在外公館の多くが閉鎖し、大使も戻ってきています。それから非人道的な粛
清がいっぱい行われている。

 それでも北朝鮮は核とミサイルを開発したら、国の大小を問わずアメリカと対
等に話ができると、この一心で徹底的に開発しています。

 我々拉致議連は毎年ワシントンを訪問しています。今年も行きました。横田さ
んや飯塚さんを初め、救う会の皆さんと共に、頻繁に意見交換しています。来年
トランプ政権ができますが、今度はマルコ・ルビオさんという上院議員が、国務
長官になります。

 アメリカ人で北朝鮮に拉致された疑いがあるデイビッド・スネドンさんに関し
て、上下両院で決議してくれとお願いしました。あの時は山谷えり子さんたちと
年に4?5回行きました。

 延べ100人くらいの上下両院議員と粘り強く交渉して、決議を勝ち取りました
が、あの時提案者として対応してくれたのがマルコ・ルビオさんなんです。そう
いう人が国務長官になるのです。彼と話した時も、「拉致はテロなんだ」という
趣旨を強く主張していました。それが強く印象に残っています。

 そういう方が国務長官になる。最高の人事だと思います。またトランプ政権の
時に主席大統領補佐官を務めたポッティンジャーさんとは何度か会いましたが。
熱心にトランプ大統領に拉致問題を訴えてくれました。その結果、国連演説で大
統領が、「13歳のかわいい少女が拉致をされて許しがたい」と発言してくれまし
たし、トランプ大統領の頭の中に拉致問題がしっかり入っています。

 今横田さんからお話があったように、金正恩委員長との首脳会談で、3回も拉
致問題に言及しています。

 1月に能登半島で地震があった時に、異例ですが、あの時金正恩委員長から
「岸田総理大臣閣下」という名前で見舞いの電報が来ました。驚きましたが、そ
の後いつもの通りの厳しい言葉に戻りました。

 私はこれは絶対何かあると思いました。本音を言うと、北朝鮮は間違いなく日
本の支援がほしいんです。だからこそ徹底的に厳しい言葉を発しているというこ
とです。

 11月の国民大集会には石破さんもお見えになりましたが、敢えて石破さんの前
ではっきり言いました。石破さんはかつて朝鮮と日本との日朝友好議連のメンバー
でした。北朝鮮にとっては石破さんは必ずしも敵ではない。だからこれを逆手に
取って、日朝首脳会談を行う材料にしてほしいと言いました。

 私は本音で言ったのですが、マスコミは嫌味のある表現で伝えていました。安
倍総理は徹底的に取組んでいましたが、ややもすると北朝鮮にとっては、「安倍
さんは敵だ」ととられかねない。しかし石破さんは、無印と言っては失礼ですが、
それを逆手にとってやればいい。

 ただ一つ。総裁選の時に言ってその後封印しましたが、「平壌に連絡事務所を」
というのはペケです。そんなことは時間稼ぎ以外の何物でもないのですから、私
はそのことも敢えて申し上げました。私は、永田町で怖い人間は一人もいません
から、主張すべきは主張していきたいと思っています。

 政府は、「あらゆる手段を通じて」と書いています。そうなんです。色々なこ
とをやっています。私も色々やっています。しかしこれは水面下で、水面上に出
てきたらもはや水面下とは言いません。政府の肩を持つわけではありませんが、
色々なことをしていることは是非ご理解いただきたいと思います。

 我々拉致議連も、政府の思い切った取り組みに関してはしっかり背中を押して
いきたいと思います。一方で、政府の動きがにぶければ徹底的に叱咤激励をする
ということもやっていきたいと思います。

 皆さんにお願いしたいのは、金正恩氏が狙っているのは拉致問題の風化なんで
す。これは絶対ダメです。一部の方がお帰りになってから22年目ですから、若い
方は知らないんです。小学校、中学校、高等学校でも徹底的に啓発活動をしてい
く必要があります。社会人ももちろんですが、いろんな方法で、「拉致は絶対に
許さない」という世論を高めていっていただきたいと思います。

 啓発活動の強化については私たちも応援していきたいと思います。引き続き我
々も超党派で、「党は違えど拉致問題を解決する」、このことについては寸分の
違いもありません。同じ気持ちでこれからも頑張っていきたいと思います。今日
この後、北朝鮮の実態もお話いただけると思いますので宜しくお願いいたします。
ありがとうございました(拍手)。

櫻井 今日は林官房長官が来られる予定でしたが、参議院の予算委員会があると
いうことで、辻清人副大臣にお願いいたします。

■挨拶

◆今後とも国際社会に働きかける

辻清人(拉致問題担当副大臣、衆議院議員)

 林大臣の代理として一言ご挨拶を申し上げます。家族会、救う会、そして拉致
議連の先生方、毎年セミナーを主催していただき、ありがとうございますと言う
よりは、本当に申し訳なく思います。

 拉致問題の本質は国家主権の侵害です。拉致被害者やご家族がご高齢となる中
で、時間的制約のあるひとときもゆるがせにできない人権問題であり、人道問題
です。

 先月の国民大集会には私も出席しましたが、石破総理が、「日朝平壌宣言を原
点とし、22年前に5人が帰った時の思いを実現すべく、機会を逃さず金正恩委員
長に対して呼びかけていく」ということでした。

 引き続き認定の有無に関わらず、すべての拉致被害者の一日も早いご帰国を実
現すべきということでした。

 また国際社会との連携について、先月石破総理が米国のバイデン大統領と日米
首脳会談において、拉致問題を含む北朝鮮の対応について、引き続き日米で緊密
に連携していくことで一致しました。

 1月にはトランプ新政権が発足しますが、今後ともアメリカをはじめとする国
際社会に働きかけ、拉致議連の先生方のご協力も仰ぎながら推進していく考えで
す。

 また横田哲也さんから先ほどお話がありましたが、明日14日から政府主催のシ
ンポジウムを開催いたします。被害者ご家族から生の声でご発信いただくと共に、
若い世代への啓発取組みの一環として作文コンクールの表彰式と、中学生サミッ
トに関する報告を行う予定です。インターネットでライブ配信も実施しますので、
是非ご視聴ください。

 引き続き全力で取り組んで参りますので、変わらぬご支援をお寄せいただきま
すよう宜しくお願い申し上げ、私のご挨拶に代えさせていただきます。ありがと
うございました(拍手)。

(2につづく)


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■石破首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 石破茂殿

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担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
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