救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国際セミナー報告5(2024/12/23)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2024.12.23)

◆国家としての資格を備える日本に

桜井 色々なお話を聞いて、やはり今、日本が国家にならなければならない、自
分たちの国民は自分たちの力で取り戻すんだ、と。領土も全部そうですね。その
ために、先ほども申し上げましたが、憲法改正を第一歩として、日本国が国家と
しての資格を備えるようにならなければならない。そういう時期だと思います。

 アメリカがどんなに助けてくれようとしても、世界がどんなふうに変わろうと
しても、私たちは自分の足で立つことができない国であり続けて、誰も救うこと
ができない。

  古森さんもおっしゃったように、第二次トランプ政権に希望が持てるとした
ら、その希望をもっと強くするためにも、まず私たちが本当の国にならなければ
ならないと思います。皆さん、ありがとうございました(拍手)。

◆最後の希望、あとはない

西岡 力(救う会会長)

 今古森さんから大変希望の持てる話がありました。アメリカの側から見た希望
です。そして李シヨンさんから、金正恩政権が崩壊に向かっているという報告が
ありました。このことを踏まえて、私も希望があるんじゃないかと思います。

 ただ古森さんが言った最後の言葉ですね。アメリカに訴えるべきことはもう締
め切りがきているんだ、と。この希望は最後の希望だということを、私たちはま
ず腹に据えなければならない。あとはない。

 私たちの解決の定義は、横田早紀江さんが来てくださいましたが、タラップか
ら降りてくるめぐみさんと抱き合うことです。明日政府主催のシンポジウムに来
てくださると聞いていますが、有本明弘さんが車椅子でも羽田まで行って、タラッ
プから降りてくる恵子さんと抱き合うことです。

 それ以外の特定失踪者の両親の方も、それから93歳になる曽我ひとみさんの母、
ミヨシさんがタラップから降りてくるひとみさんと抱き合うことです。やはり人
間ですから寿命があります。

 そういうことを考えると、今もう一度トランプ大統領が出てきた時に事態を動
かすことができなければ、私たちがここまで積み上げてきたものが崩れるかもし
れない、という強い危機感を持っています。

 私は議事録を見ていないので新聞の報道だけなのですが、少し心配な報道が昨
日の日本経済新聞にありました。一昨日の衆議院予算委員会で石破首相が、「首
脳会談は大切だ」と言ってくださった。連絡事務所のことは言及しなかった。そ
れは安心できるのですが、「首脳会談まで膨大な時間がかかる」とおっしゃった
と報道されています。そんなことを考えていたら締め切りに間に合わないでしょ
う。

 トランプ政権ができた、北朝鮮が苦しいというのはチャンスですから、これを
どう活用するか頭を絞ってほしいのですが、さっきの報道の話が事実かは分かり
ませんが、それは困ったなと思ったのです。だからこそ締め切りがあるんです。

 アメリカとの交渉の前に、国民みんなに、「明るい兆しが出てきたがこれが最
後なんだ」と伝えなければならないと思います。

 先ほど李シヨンさんがちょっと触れましたが、実は、ロシア、中国、北朝鮮の
関係はよくないんです。特に中朝がものすごく悪い。だから北朝鮮の人民は今苦
労している、と。

◆中朝関係が悪化

 チャンマダン(市場)でどういう商売をしていたか。国内ではとうもろこしや
米を生産していますが足りない。ねぎとか豆腐以外で、チャンマダンで売ってい
たのは、ほとんど中国製品でした。靴も服もボールペンも文房具も。

 それを中国から入れて、色々な所に行って高くして売ったり、あるいは昨日李
シヨンさんに聞いて驚いたのですが、北の人たちが自宅で刺?をしたりしていた
そうです。これは中国から刺繍してくれと布や針が来たそうです。それは夜やっ
た。

 職場に出ても、今5000ウォンから6000ウォンくらい給料をもらうことになって
いますが、米を1キロか2キロしか買えないわけです。職場に出ることは拘束され
るだけです。だから闇商売で食べていた。そういうことをやっている内に、労働
をすればお金がもらえることが分かってきた。

 中国からの材料を使って、ミシンを持っている人はミシンで紳士服等を作る。
かつらの加工等もしたそうです。家内制手工業がわっと広がった。人民元でお金
を貰う。チャンマダンでは人民元が流通している。

 そういうことがこの前まであったのです。それなりに経済は発展していたので
す。李シヨンさんは大学を卒業した後、食堂の経営者でした。どうやって資本主
義が発達したかよく知っているのです。でも発展して外貨を貯めると取り上げら
れてしまった。そのような中国との関係での発展が、中朝関係が悪くなってしま
いました。

 今コロナ禍も終わったのに、まだ中国製品は入ってきていません。中国が遮断
している。今年実は、北朝鮮がなけなしの外貨で、中国で色んな物を買いました。
しかし、その買った4億ドル分が、中国当局に押収されてしまった。

 北朝鮮で4億ドルというすごく大きな額です。これは韓国の報道にも出ました
が、買ったのは「1号物資」でした。「1号」というのは金正恩とその家族を指
す北朝鮮の暗号です。金正恩一家が使う物資が大連の港から船に積み込まれた。

 そこに中国の公安が来て、押収して競売して売ってしまいました。北朝鮮の公
安がすぐ来て、「これは1号物資だからなんとか見逃してくれ」と言っても、聞
いてくれなかった。

 昨日までは「1号物資」は見逃していたのです。玄松月(ヒョン・ソンウォル)
という人がいます。金正恩の随行秘書みたいな人です。彼女が秘書室長になった
という情報を私は入手したのですが、その玄松月に金正恩が1億ドル預けて、
「中国に行って、セメントを作る最新の工場の設備を買ってこい」と言った。

 これは国連制裁違反ですから表向きは買えない。だけど1億ドルで買った。そ
れを中国が、「国連制裁違反だ」と言って差し押さえました。金正恩はカンカン
に怒って、「お前何やってるんだ」と怒鳴ったどうです。

 それ以外にも、朴という軍人がいて、軍の貿易関係の仕事をしていて、別途1
億ドルもらって、ロシアにオーダーを出したのですが、不発弾ばかり多くてプー
チンからクレームが来た。

 そこでいい物を出さなければならない。いい物を出すためにはコンピューター
制御の最新の旋盤の設備を買いにいった。その男がもらった1億ドルで、ロンド
ンで株をやって失敗して、3000万ドルを持ち逃げしたが捕まった。秘密口座にお
金を入れていたのですが、中国がそれを返してくれない。7000万ドル分はプラン
トを買ったのですが、それも没収された。そういう話を聞いています。

 統計を見ても、中国は統計を9月に発表したのですが、中国が1月から8月まで
に北朝鮮に関する数字を見ると、米の輸出、とうもろこしの輸出、肥料の輸出は
前年比マイナス90%。いじめです。食糧支援するどころか、お金で買う貿易でも
前年比9割減です。そういう統計を中国が発表しました。

 中国は何を考えているのか。基本的には「改革開放をやれ」と言っているが、
北朝鮮はやらないということがずっと続いています。その後、プーチンと接近し
たことが習近平を怒らせた。

 「何をやるにも、戦略的なことをやる時は相談しろ」と習近平は金正恩に言っ
ていたわけです。2018年にトランプと会う前に、実は金正恩は北京に行ったわけ
です。その時の映像を見たら、あの傲慢な金正恩が、メモ帳を持って習近平の言
うことを書いているんです。

 北朝鮮では、金正恩が言うことを幹部が書くんです。金正恩が他人の話のメモ
を取る。習近平との力関係はそういうものです。でもそれを今回やらなかった。

 そして金正恩はトランプとの会談を待っているんです。でも習近平から見ると、
トランプは反中の親分です。中国を貿易で圧迫しようとしている。そこに金正恩
が行く。じゃあ、金正恩の核はどっちを向くのか、というところまで習近平は考
えている。だから今回、このタイミングで、朝鮮語で「頭の中を治す」というよ
うなことをやっています。

 それでも金正恩は、何かやる時一度も習近平の所に行かない。そして今もトラ
ンプを待っている。トランプを待っている表向きの理由の一つが分かりました。
今年の9月に金正恩は、ウラン濃縮施設を公開しました。どことは言いませんで
したが写真を出して、「ウラン濃縮施設を金正恩同氏が訪問されました」という
記事が出ました。

◆トランプ大統領との会談を待っている

 北朝鮮が公式に言っていたウラン濃縮施設は寧辺にありました。原子炉の横に
あります。アメリカの学者にもそれを見せた。2019年2月のハノイでの米朝首脳
会談で金正恩は、「寧辺にあるウラン濃縮施設を廃棄します」と言った。

 トランプ大統領は、「何言っているんだ。あなたは足りないよ。我々はあなた
たちのすることを1日レベルで見ている」と言って、次の日の昼ご飯を食べない
で帰ってしまった。

 帰った理由の一つは、別の場所にもウラン濃縮施設があったからです。アメリ
カは北朝鮮の中にスパイを入れているんです。どこにウラン濃縮施設があるか知っ
ていました。それは平壌の少し南の降仙(カンソン)にあります。そこは南浦の
鉄鋼工場の横で、鉄鋼工場の横に新しい建物が建っても怪しいとは思われない。
木を森の中に隠したようなものです。

 でもそれは、アメリカは2019年の時点で分かっていて、今回金正恩がウラン濃
縮施設を訪問した写真が出たので、アメリカと韓国の情報機関は、「金正恩が訪
問したのは降仙と推定される」と発表しました。

 私が聞いた内部情報では、「トランプさん、あの時は『降仙はない』と騙した
けれど、あなたの指摘が正しかった。あなたと会った時降仙までちゃんと報告し
ますよ」とのメッセージを金正恩が今年の9月に出している。

 そこでさっき島田さんが言った、「日本がやるべきこと」が出てくるわけです。
トランプ大統領と金正恩が何らかの会談をする可能性高まっていると思いますが、
その時に日本のお金を使う。94年の米朝合意の時と同じように。

 2019年に安倍総理が、「平壌宣言に基づいて国交正常化して過去を清算する」
と言っていることを使って、拉致問題を解決すると言ったわけです。今回もそう
いうことが起きるかもしれない。

 私は2019年の2月の直前に、日本政府とアメリカ政府の中枢から、「国交正常
化になったらいくら出せるのか」と打診がありました。信頼できる人からでした。
これをもう一度使おうとするはずです。

 その時に日本が、「出す条件はこれです」と言わなければならない。トランプ
大統領に打ち込まなければならない。「連絡事務所でいいですよと日本が思って
いる」と思われたら困る。そういうディールを考えておかなければならない。

 拉致問題でゼロ回答というのはトランプ大統領も許さないと思います。日本の
石破政権に浮遊している数字は何なのか。拉致議連はどうなのか。自民党はどう
なのか。拉致問題対策本部はどうなのか。そして国民はどうなのか。朝日新聞は
どう描くのか。当然そういうことを見ながら、平壌もワシントンも交渉すると思
います。

◆もう締め切りがきている

 私たちにとって最後のチャンスだ、と冒頭言いました。だから私たちは、「親
の世代が健在なうちに全拉致被害者の即時一括帰国が実現するなら、日本が支援
することに反対しないと、言っているんです。

 日本政府の拉致問題解決の定義は、3つあるわけです。1.認定の有無に関わら
ず全被害者の即時一括帰国と、2.真相究明と、3.実行犯の引き渡し、です。我
々は、「2と3は後でもいい」と今言っています。主権国家ですから2と3はいらな
いとは言いませんが、後でもいい。しかし、1は絶対に譲れない。1を分割して一
部というのはありえない。

 5人が帰ってきてからもう22年経ったわけです。また3人とかが帰ってきて22年
待つのか。そんな時間はない。だから「認定の有無に関わらず全被害者の即時一
括帰国」と言っているのです。そこを徹底的にアメリカに言ってもらわなければ
ならない。そのためには日本中が声を出さなければならない。

 最後のチャンスが来ていますが、自動的に解決するものではない。総理、議員
の先生方の戦いぶりにもかかっていると思います。

 私たちは2月に新しい運動方針を考え、その後訪米もしたいと思っています。
できる限りのことを、今しなくてはならない。もう締め切りがきているという危
機感を持って、皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います。ありがとうござい
ました(拍手)

以上



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