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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

今後の運動方針と全拉致被害者救出への道4(2025/04/28)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2025.04.28)

■今後の運動方針と全拉致被害者救出への道4

◆「もしも米朝戦争になったら自衛隊が拉致被害者を救う」と河野統幕長

西岡 今の話を聞いていて、実は2017年の秋、米朝は戦争直前までいきました。
2016年、17年に北朝鮮は3回核実験をして、40発の弾道ミサイルを撃ちました。
そのかなりの部分がアメリカ本土まで届く大陸間弾道ミサイルでした。

 トランプ政権はすべての手段を使ってそれを阻止する、と。その「すべての手
段」には、軍事行動も含まれていました。空母が3隻朝鮮半島に出ました。そし
てB1Bという、世界で一番たくさんの爆弾(やミサイル)を積んでいる戦略爆撃
機が2017年の9月に、海の休戦ラインを超えて、北朝鮮の東にある、元山近くの
領海に近い所で示威行動をしました。

 私の情報では、半分くらいは推測も入っているのですが、多分その時金正恩氏
は元山にいました。金正恩氏に何かすることができるぞ、というメッセージを出
したのです。当時、「斬首作戦」という作戦があり、金正恩氏を殺害することで、
北朝鮮との戦争を終わらせる。ああいう独裁国家と戦争するときは、トップの首
を切ることが一番で、そういう作戦計画があったのです。

 その時日本は安倍政権で、これは「産経新聞」の阿比留瑠比(あびる るい)
記者と私との対談の本の中で書いていることです。この時に河野さんという海上
自衛隊出身の統合幕僚長がいました、河野さんはその時シンポジウムでワシント
ンにいました。そうしたら国防省が、「シンポジウムなんかしている場合ではな
い、来い」と言って、作戦の打ち合わせをしたのです。帰ってきた安倍さんにそ
の話を聞きました。

 河野さんは、本当に戦争をするかもしれない、と思ったそうです。その時河野
統幕長が、「もしも米軍が北朝鮮を攻めるようなことになったら、私は自衛隊を
使って拉致被害者を救いに行こうと思っている」と。まだ、安倍総理には言って
ない時です。「しかし、総理はOKしてくれる筈だと私は思っている」と、当幕議
議長が阿比留記者に話した。その記者が私にそれを話して、それが活字になった
ので、話しているわけです。「安倍晋三の歴史戦」という本です。人がいないわ
けではないんです。

 それくらい強い圧力があったので、金正恩は次の年にトランプ大統領と会った
のです。その圧力の一翼を自衛隊も担っていたのです。

 そういうことをあまり大きな声で言うことではなくて、今後そういうことにな
れば、助けに行くということを考えなければならないわけですが、今「話し合い
をしよう」と言っている時に、「おまえを殺すぞ」と我々が言っていることにな
ると、話し合いができなくなりますので、静かに準備しなければならないのです。

◆拉致被害者救出の「道筋」

 先ほど私は、有本のお父さんが林官房長官に、「道筋を示すべきだ」と言った
ことを紹介しました。私は、道筋があると思います。それは、家族会・救う会合
同会議で、いつも私が言っている話です。

 大きく言うと二つで、細かく分けると三つです。一つは朝鮮有事の時に、自衛
隊を使って助けに行く。平時に助けに行くことは事実上不可能です。

 しかし、有事の時は、ほっておいたらもしかして爆撃で、今まで生きてきたの
に死んでしまうかもしれない、ということもあり得ますから、集団的自衛権の一
部行使をした上で、作戦計画に日本も介入して、一翼を担う中で何ができるかを
考えるということです。

 実際、2017年の秋の時はそういうことがプレゼンス(国外における軍事的・経
済的影響力)に上がっていたということです。それは安保法制ができていたから、
そういうことができたのです。しかし、我々が有事を起こすわけではないので、
静かに準備をしておかなければならないのです。

 一方、小泉訪朝型の話し合いによって取り戻す方法。そのために世論を盛り上
げるのが、私たちがやってきたことです。その話し合いによって取り戻す道筋も
二つに分かれます。

 北朝鮮が動くのは、アメリカの強い軍事的圧力がかかっている時、そして生存
ができなくなるかも、と思った時です。アメリカが北朝鮮に圧力をかけるのは核
問題です。アメリカの安全にとって北朝鮮がアメリカ本土まで届くミサイルを持
つことは許せない。だからトランプ大統領は戦争の準備をしたのです。

 前のクリントン政権の時、1994年にも爆撃の準備をしました。小泉訪朝直前の
ブッシュ政権も、「悪の枢軸」演説をして、「北朝鮮はテロとの戦争の目的だ」
と言った。

 そういう強い圧力を背景にして、核問題は日本の安全にとっても大切ですから、
核問題をアメリカが交渉する時に、拉致問題も一緒に入れて、パッケージで交渉
するのが一つです。まさに2018年、19年にトランプ氏が金正恩氏と2回会った時
がそういうタイプです。

◆日朝が核と拉致を切り離し人道問題として北朝鮮の人道問題と交換する方法

 一方もう一つは、アメリカが北朝鮮に対する関心を失って、核問題が動かない
状況の中で、拉致問題を人道問題として核問題と切り離して、北朝鮮の人道問題
と交換するというやり方です。

 核問題が動かない中では、国連制裁がかかったままです。日本も国連制裁に違
反することはできない。しかし、使えるカードとして人道支援はある。大規模な
コメ支援や医療品、特にコロナ禍のもとで医療品の需要が高まっていた。それを
果敢に突いたのが岸田政権です。

 トランプ政権の時は戦争をしてでも核を止めさせるということでしたが、バイ
デン政権は事実上、軍事的圧力をかけて核を止めさせることを放棄した。北朝鮮
の金正恩氏もトランプ氏に対する執着が強いこともあって、バイデン政権とは交
渉しないという方針でした。

 岸田政権の松野官房長官が拉致担当大臣で、本当に一生懸命どうすればよいか、
拉致問題対策本部の石川事務局長とも相談して考えてくれたと、私は一方的に理
解しています。内容は分かりませんが、松野官房長官の所で、拉致問題について、
「時間的制約のある人道問題」と言おう、という戦略が立てられたわけです。

 それはバイデン政権の状況を見て、北朝鮮の状況も見て、様々なことを踏まえ
た上でそれをやろうとした。しかし、日本の総理大臣として、日本の安全保障に
とって核問題は重大な問題であり、アメリカはそれに強い関心を持っており、国
連制裁をかけるに当たって日本も先頭に立ったにも関わらず、核と拉致を切り離
して先に(日朝交渉を)やる決断をするのは、簡単なことではなかった。

 我々は、「拉致を先にしてくれ」といつも言いますが、安全保障も当然考えな
ければならない。当たり前のことです。最高幹部が考えなければならない中で、
岸田政権は、松野官房長官の集約の元、「時間的制約のある人道問題」というこ
とを、岸田総理が繰り返し私たちの国民大集会に出てきて、言ってくださった。

 そうしたら北朝鮮から反応があった。というのがこの間起きたことです。北朝
鮮も核を動かさない中で、大規模な食糧や医薬品を貰えるなら、日本とやっても
ようかと。

 そして菅政権以降、私は菅さんに直接頼みましたが、日本の世論は親の世代が
被害者と抱き合うことが解決だと思っている。親の世代が亡くなった後被害者を
返しても、日本は喜ばない。だから、「北朝鮮が日本からの支援がほしいなら、
親の世代が生きている間ですよと北朝鮮に伝えてほしい」と。

 菅総理が、「何をしたらいいのか言え」とおっしゃるので、そう答えました。
次に会った時に、「やりました」とおっしゃいました。菅政権のそういう打ち込
みがあった後、岸田政権が、「時間的制約」という言葉を使って北朝鮮から反応
があったわけです。

 向こうも、日本から大量の米や医薬品を取れる期限が来ていることが分かって
いて、それなら取っておこうかとなったわけです。だから私たちは運動方針で、
「人道支援に反対しない」と決めました。但しその条件は、親の世代の家族が存
命中に全被害者が一括帰国することだ」という方針を決めて、岸田政権を応援し
ました。

 その方針をバイデン政権に持って行って、アメリカが、「その方針を支持する」
と。アメリカが反対したら、北朝鮮は日本と交渉してもどうせアメリカの反対で
つぶれる、岸田政権との交渉はうまくいかないだろうと思う。我々は繰り返しバ
イデン政権に対してこれを説明しました。

◆核と拉致を同時に解決する局面に戻った

 しかし今、もう一度トランプ政権になりました。トランプ大統領は金正恩氏と
の交渉に興味を持っている。自分なら核を止めさせることができる、と。一方北
朝鮮も、「ニュークリアパワー・ネイション」と言って、核保有国として認めら
れているかのような発言をしている。

 彼の手口で、「金正恩に核保有の一部を認めてやるんだ」というメッセージを
一定程度送っているかもしれない。だから今は、安倍政権とトランプ政権の時の
ように、核と拉致を一緒にテーブルに置いて、解決するフェーズ(局面)に戻っ
たと思っています。

 その中で何をするのかということです。哲也さんは、「政府は何もしていない」
とおっしゃいましたが、今言ったようなことがあったのです。もちろん家族から
すれば、結果が出ていないじゃないか。だから政府は何もしていないとおっしゃ
るのは、全く理解できます。

 ただ道筋を立てて、その時その時の手を打ってきた。特に安倍政権からはそう
です。今もう一度トランプ政権になったところで、私たちは今後の運動方針を決
めました。前置きが長くなりましたが(笑)、それが今日の主題です。

(5につづく)


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