「寺越事件50年、今何をすべきか 東京特別集会」全記録
◆真相究明の対象として担当大臣が認めた
その点でも、政府は寺越事件を事実上拉致と認めた、拉致の範囲の中で真相究明すべきものだと認めたということは大きな進歩だと思います。
但し、3つ目の日本国籍の問題については、自分の担当ではなく法務省が関わっていることとして即答はいただけませんでした。
また、外雄さんの奥さん、在日朝鮮人の人ですが、その人の意向がどうなのか、あるいは本人たちの意向はどうなのか、という話もされたので、その意向は北朝鮮の地で聞いてもだめです。本当のことなんか言えないんだから。だから要請の4がある。最低でも第三国に出してから本当のことを聞いてください、と。
ジェンキンスさんがいい例だ、と。小泉首相が平壌で会って、「日本に来なさい。私が保証する」と言っても来なかった。しかし、インドネシアに出たら、本当のことを言って日本に来た、ということは言いました。
そして、こういう要求を北朝鮮にしてほしいということについては、「一つの選択肢として視野に入れて考える」と明言されました。
繰り返しになりますが、「寺越事件の解決なくして拉致問題の解決なし」ということを今日明らかにしていただいたのは大変よかったと思っています。
特に我々としては、安倍内閣の間に全面解決を求めているわけです。北朝鮮が一度、「死んだ」と言った人たちを、「生きていました」と言って返すことは大変大きなことです。彼らにとっては大きな譲歩です。それが起きる可能性が十分あると思っています。
その場合に、例えば(横田)めぐみさんが帰ってきたら、日本では大騒ぎになります。そうすると真相究明が忘れられてしまう。北朝鮮が譲歩するのは二度はないと思います。めぐみさんたちを返す時に、真相究明も拉致の解決に入っているんですよと言ってもらわないと置き去りになってしまうんです。
今、日本政府の参与という人が平壌に行っています。中味は何も分かりませんが、動きが出てきた時に置き去りになされない一つの布石を打ったと思っています。
そういうタイミングであれば、武志さんたちを第三国に出せと要求できる。そういう点で大変ありがたいこと、とはいえ、担当大臣としてはこういうことを言うのは当たり前のことですが、事情がよく分かった方々でよかったと思っています。