救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「よど号犯による拉致事件を考える 東京連続集会73」全記録



◆よど号犯は労働党の手先政党、自主革命党の党員を増やすために拉致



西岡 みなさんこんばんは。昨年から、一つひとつの事件をもう一度見直してみようというシリーズを始めています。今回はよど号犯による拉致を検討します。

 その一つの契機は、『産経新聞』が拉致問題のプロジェクトチームを作って連載をしているんですが、「再び拉致を追う」というシリーズの第6部で、『「よど号犯」らへの教示』と題する、私に言わせれば「特種記事」を書いたものです。この「教示」の意味をきちんと把握しておきたいというのが今日の中心課題です。
 また神戸から、熊本からご家族にも来ていただきましたので、今ご家族が考えていらっしゃることなども後で一緒に聞きたいと思います。
 明らかになったことは、よど号犯の拉致も金正日の指令によって行われていたことです。その「拉致しろ」という文書があった、ということです。
「よど号犯」への教示というのが、その文書です。タイトルは「日本革命に関する根本問題」で、きちんと表紙がつけられて平壌にあるよど号犯たちの拠点、彼らが日本革命村と呼んでいたところのガラスケースに展示されていた。金正日のサインがあったということです。
 実は私は、「日本革命に関する根本問題」という文書を金正日がよど号犯グループに出したということを90年代から、ある筋から聞いて知っていました。家族会・救う会ができる前に既に私が入手していた情報ですが、1978年5月6日にその文書が出たということです。
 その後家族会・救う会ができて活動を始め、3年経った2000年5月に、八尾恵さんが「現代コリア研究所」を訪問しました。当時救う会は事務所がなくて、「現代コリア研究所」に救う会の事務所を置いていたんですが、我々に会いたいという話でした。
 それで当時の救う会会長の佐藤現代コリア研究所所長、私、そして当時救う会事務局長の荒木和博さんの3人で八尾恵さんに会いました。八尾さんは拉致救出運動に協力したいと言いました。
 当時北朝鮮で生まれた(よど号犯の)子どもたちがまだ北にいて、その子どもたちと連絡もとらしてもらえないということで、よど号犯グループと八尾さんはもめていて、「自分は被害者だ」と言っていました。
 それで私は、「あなたは被害者の部分もあるけれど、加害者の部分もあるんではないか。救出運動に協力するというのならば、できれば警察に言って話をしてほしい。それができないなら記者会見をするなりして、よど号犯グループがやったことにあなたがどう関与していたのかということをきちんと話してほしい」と言いました。
 そして八尾さんに、「あなたは日本革命テーゼ(日本革命に関する根本問題)という文書を持っていますか」と聞いたんです。そしたら、「文書なんかありませんよ。全文暗記しています」と言いました。
「ああそうか。革命運動について私もちょっとうかつだったなあ」と。文章で何か持ってはいないんだと。ここで「産経新聞」(25.03.25、配布資料)には、「暴力革命までする準備をしろ」ということも(指令に)書いてあった、ということです。
 そういう危険なものは日本に入ってくる時は紙では持ち込まないんです。しかし、全文暗記しているわけです。私は当時、その文書に基づいてよど号犯グループが自主革命党という労働党の手先になる政党を作って、その党員を増やすためにヨーロッパで拉致をしたという話を既に90年代に聞いていたわけですが、それは間接的に聞いていたことで確認がとれていなかったんです。
 しかし、八尾さん本人が文書は全部覚えていますと言ったので、これは間違いないなと思ったんです。そしてそのことを自白してほしかったんです。「金正日の指令文があったんだ」と。私が「あなたには加害者の部分がある」と言ったのはそのことを根拠にして言ったわけです。
 その後2年くらい経って、八尾さんは、「有本さんの拉致に自分は加担していました」という証言をし、有本さんのご両親の前で謝罪もし、また『謝罪します』という本も書きました。
 しかし、その中にも、「日本革命に関する根本問題」のことは書いてなかったんです。もちろん、金正日が拉致に加担したということを書くというのは命がけだと思います。あの世界にいた人はそういうことを分かっていると思います。金正日を個人的に攻撃するということは、あの世界では一番してはならないことですから、テロの対象になるかもしれないと八尾さんは思っていたのかもしれない。
 しかし、『謝罪します』という本を書いているのに、誰が命令したのかという基本的なことを書かないというのは、私は納得ができませんでした。
 逆に言うと、「日本革命に関する根本問題」という文書がある。そして金正日が日本に対して何をしようとしていたのかということを有本さんや松木さんや石岡さんは知っているわけです。そのことを隠そうとしていたからこそ、生きている人を「死んだ」と言ったのではないか。
 つまり、田口八重子さんや横田めぐみさんは、実際に北朝鮮のテロに関与している人物のことを知っているわけです。工作機関で工作をしている人を。そのことを隠したいと思っていた。1976年の、「工作員の現地化」指令を隠したいと思っていた。

  
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