「アメリカから見た拉致問題?東京連続集会74」全記録
◆憲法を改正して国軍を作っておかないと
しかし、それも少しずつ変わり始めていて、櫻井よしこさんが理事長の国家基本問題研究所では、2009年に「北朝鮮崩壊事態に備えよ」という政策提言を出しています。また崩壊した時にどうなるかのシミュレーションをし、またアメリカでこういうシミュレーションがあり、中国でこういうシミュレーションがあるということを分析した上で、日本はどうするかという提言をしました。
次の年には、「混乱事態の時、被害者を救出するための特別法制」が必要だと。拉致被害者救出のための特措法が必要という提言もしました。それが安倍政権になってできた、拉致問題与野党協議会の中で、民主党の渡辺周議員の提案があって、政府の中でも混乱事態の時にどう救出するかということが表舞台でも議論され始めています。もちろん水面下では数年前からあったのですが。
私自身は、今出ている『月間正論』に、日本と韓国は北朝鮮が崩壊したり、あるいは北朝鮮が最後の賭けで韓国に攻めてきたりする時共に戦うのか、全体主義勢力に対し日本と韓国が共に戦えるのかいうテーマで50枚くらい原稿を書きました。
私の結論は、「困難だけれども戦える可能性がある」です。アメリカを媒介とする準同盟国が全体主義国家と対峙しているわけですから、戦えるんだったら戦えた方がいい、と。しかし、戦えないかもしれない。そのどちらの場合でも、憲法を改正して国軍を作っておかないと、朝鮮で有事が起きるというのはかなりの確率で迫っている。その場合に被害者をどう助けるか。核兵器をどう処分するのか、中国の影響力が半島全体に及ぶことをどう防ぐのかということです。
そういうことを前提として、憲法改正をどうするか、集団的自衛権の行使をどうするかについて書きました。
これは拉致のこととは離れますが、言霊から縛られることが少しずつ解放されてきているんじゃないかと思っています。