「アメリカから見た拉致問題?東京連続集会74」全記録
◆13歳の男の子をほったらかして、13歳の女の子を助けるのに真剣?
島田 今の関連で、軍事力の話ですが、現在アメリカ国務省の国務次官をしているウェンディ・シャーマンという人がいて、北朝鮮に対する宥和派なんです。安倍首相から首相に復帰される前に聞いた話ですが、ウェンディ・シャーマンと議論した時に、安倍さんが「北に対してもっと圧力が大事だから制裁を緩めることはしちゃだめだ」と言ったら、シャーマンは「そんなことを言って、緊張が高まって、いざ軍事力でぶつかるという時にアメリカは戦えるけど、日本は戦えるのか」と言われて、安倍さんは腹が立ったけれども、確かにそう言われてしかたがない面があると忸怩たる思いをしたということです。
やはり集団的自衛権、憲法解釈をしかりして、いざという時に一緒に戦えるという体制を作らないとウェンディ・シャーマン的な嫌らしい突っ込まれかたをして答えられないという情ない状況が続くと思います。
下院について一言いいますと、下院議員にも拉致議連の方々がアプローチしておられるし、また在米日本大使館のスタッフの中にも熱心な方がおられるとうことです。
またそこにおられる古森さんの奥さんのスーザン古森さんは、救う会の在ワシントンアドバイザーという形で、いつもワシントンで議員と会う時は手伝っていただいています。
先ほど古森さんの話に出たデニス・ハルピンという下院外交委員会の重要スタッフをずっとやってきた人ですが、こういう人物は長くそのポジションにいいますし、極めて関係を密接にしておくことが重要だと思います。
そのハルピンさんが、もう亡くなりましたけど、ヘンリー・ハイドという下院外交委員長のスタッフをやっていた時、ヘンリー・ハイド委員長はぼくらや増元照明さんの話を聞いて、「拉致問題で決議案を下院で通すよ」と、ハルピンさんに命令して、ぼくとも少し協力して決議案を作って出せと。
その時ハルピンさんから連絡があって、「13歳で拉致された子どもが二人いますね」と。横田めぐみさんと寺越武志さんですね。「寺越さんはなんで問題にしないのか」と言われました。「これは拉致じゃないのか」と言われて、「当然拉致です。日本政府は認定できていない」と事情を話して、「恥ずかしい話だけどめぐみさんしか認定していない」と。
しかし、ハルピンさんとのやり取りの中で、「13歳の男の子をほったらかしいる国が、13歳の女の子を助けるのに真剣だと言ったら、それ通用しないんじゃないの」と。当然そういうことになります。だから寺越武志さんのことも、アメリカの下院の決議案には実名で載っているんです。
日本は認定していないけど、アメリカは認定しているという格好になっているんです。「決議案というのは大して意味がないもんだ」という人もいますが、それを作るのに中心になったデニス・ハルピンという人は、ヘンリー・ハイド委員長が亡くなった後、イリアナ・ロスレイティネンさんという委員長に代った時も、下院の重要スタッフとして残っていて、ロスレイティネンさんの時には、決議案から1ランク上げて法案を出してきて、「日本人拉致問題が解決しなければ、アメリカは北朝鮮と国交正常化しない」という内容にまで、続けて接触していると上がってくるわけです。その意味で地道に、拉致議連を中心に交流を深めていくことが大事だと思います。