救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「すべての拉致被害者を救出するぞ! 国民大集会」全記録



◆どん底に沈めておいて上にあげ、感謝感激させる卑劣なやり方


浜本七郎 私からひとこと挨拶させていただきます。今日は台風の中、足元の悪い中、私個人もああ嫌だなと心の隅で思っていた嵐の中を、こんなにたくさん来ていただいた。我々のことを、国民全体のことを、拉致問題のことを真剣に考えて、ここに出席している方々だと思います。本当に感謝します。ありがとうございます(拍手)。
 先ほどの、惠谷さんと西岡さんの話のつづきですが、実際には夕方に拉致されました。清津は日本海を一晩走れば着くところです。しかし、昼間は日本海のど真ん中に停泊していたそうです。そして夜になって清津に着いた、と言っています。
 清津に着いてお互いの安否をお互いに聞いたら、「富貴恵は返した」、「保志は返した」と。その時本当に自分はどう思ったのか。本当に一人ぼっちになった。心底から憎悪と悲しさと、淋しさと怖さと、全部ひっくるめてわーっときた。
 平壌に連れていかれて、招待所で1週間泣いたと言っています。23歳でまだ世間のことも何も知らない女の子ですから、実際のことろは1週間泣いて、泣いて、涙が涸れてもどうすることもできない。
 北朝鮮人って全部が全部悪い人じゃないんです。人間の心底は、いい人ばかりがいる。一部が悪さをしている。そう思いたいです。そういう中で、まかないのおばさんが、「いつまでも泣いていちゃだめだよ」、「自分の気持を取戻しなさい」と言われてやっと、泣いてたって前に進まないし、後ろにも行けないし、ということで一生懸命朝鮮語を勉強したそうです。
 1年4か月経って、三顧の礼じゃないですが、3回、いい人がいるんだけど結婚しないか、と言われました。2回目も同じことをいわれました。同じように断りました。
 二人は6月30日に結納をかわしているんです。「私には、結婚相手で決まっている人がいるから結婚しません」と。それで3回目に、「実は保志はいるんだよ」、「富貴恵はいるんだよ」ということで、感謝感激するんです。先ほど言った通りです。
 どん底に沈めておいて、上にあげる。そうするとどういうことが起きるかというと、金正日に感謝の念を抱くわけです。そういう卑劣なやり方をしている。まるでやくざと同じようなやり方です。そういったことで過ごしてきた。
 昨日、蓮池薫さんが静岡で講演しましたね。最後にこう言っています。「命のほかは全部剥奪されて生活していた」と。この言葉は、ものすごく重いと思います。実際にこの35年間、未帰国になっている方も、同じような思いで生活しているのではないかと思われます。
 私は、この中で、羽田で抱きしめた唯一の一人です。そういう仲間が本当にもっと増えたらなと、一人でも二人でも、十人でも二十人でも百人でも、帰国してくれたらなと願っています。
 話は戻りますが、今の安倍政権、あれほど諸外国を歴訪している人はいないと思います。これは何を求めているかというと、日本の国益を守るためです。その安倍総理に交渉の席に立っていただきたい。それをするには、台所である内閣府、そして政治家たち、我々も含めて尻をたたいて頑張ってやっていきたいと思います。
 皆さんも是非、応援を宜しくお願いいたします。ありがとうございます(拍手)。


  
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