「韓国から見た拉致問題?東京連続集会75」全記録
◆絶対神が、100億ドルがほしくて生まれて初めて謝罪したのに
西岡 みなさんこんばんは。張真晟さんがかけつけてくださいましたので、本題に入る前に、この本に出ている横田めぐみさんに関する情報等について、著者の張真晟さんに話をしてもらいます。
張さんには、我々の集会に二度来ていただいておりますが、この東京連続集会は初めてです。2009年と2011年の国際セミナーに来ていただいています。そこで出なかったことが一部ありますので、めぐみさんに関することで今日「産経新聞」に一部でましたが、その話をしていただきます。
張真晟 私が北にいたときは、統一戦線部に勤務していました。しかし私はその中で対日担当ではありませんでした。対南担当で、その中でも文学分野を担当していました。
私は韓国に来てから、国情院傘下の国家安全保障研究所に勤務していましたが、一昨年そこを辞めまして、今は「ニューフォーカス」というインターネットニュースをやっています。
研究所にいた時は、国情院傘下の内規があり、活動に制約がありましたが、研究所を辞めた後、本を書けるようになったわけです。
めぐみさんについてこの本で書いた情報は、小泉総理が最初に訪朝した後、日本の世論が反北になって思う通り事態が進まないので、金正日が、めぐみさんが生きていた場合と死んでいた場合の損得を調べて分析しろという指示を統一戦線部に下したということです。
担当者は私たち文学における心理戦を担当している者の意見を参考にすることがあるわけです。文学をやっているものは、創意性があるということで参考意見として、私たちに、めぐみさんが生きていた場合と死んでいた場合の得失を討論してみようという話がありました。
しかしそれは私が直接担当した業務ではなかったので、この本では短く書きました。2年前に西岡先生との話の中で、このような話をしたと私は記憶しています。
なぜ金正日がそのような指示をしたのかについては、次のように考えられます。金正日の生涯には謝罪ということはありませんでした。なぜなら彼は北朝鮮で絶対神だったからです。
当時日本との会談で100億ドルを得ることができると金正日は考えていて、午前の会談で日本側から謝罪を求められ、午後、彼は100億ドルがほしくて生まれて初めての謝罪をしたわけです。
彼が生まれて初めて謝罪したにもかかわらずうまくいかないということで、金正日としては何とかしなきゃならないという心理からそのような指示を下したのではないかと思います。
また私はこの本でめぐみさんの死亡説について否定的に書いたのは、彼らが死亡していると言って出してきた根拠について、北の観点から見ると大変否定的だということからです。
めぐみさんは北朝鮮において特別な管理の対象で、また夫の金英男(キム・ヨンナム)も南朝鮮(韓国)出身の拉致被害者ですから特別の管理の対象だった。それなのに北朝鮮が出してきた資料は、めぐみさんを一般人のように扱って死亡したと言っている。そのことについて私はこの本の中で否定的に分析しました。
私がもう少し拉致被害者について知っていればもう少したくさん書けたんですが、私の知っている範囲で書きましたのでこうなりました。以上です。ありがとうございます(拍手)。