「韓国から見た拉致問題?東京連続集会75」全記録
◆死んでいないということ
西岡 既に見本本ができていて横田さんのところには先週お送りしてありまして先に読んでいただいていたんですが、ご感想を聞く前に私が少しだけ解説をさせていただきます。
この本では2003年の初めに金正日から、めぐみさんが生きていた場合と死んでいた場合の損得を調べて分析しろという指示が出たということです。同じ文書で、めぐみさんの両親を対象にした対日心理戦も統戦部に指示したそうです。
めぐみさんの両親には、対南工作部署が見つけ出したい弱点や人格的な瑕疵がなかった。そこで統戦部はめぐみさんのお母さんを、日本の右翼にもてあそばれている田舎の無学な夫人、あわれな犠牲者だということに落としこむことで世論の分裂を醸成しようとしたが、それさえ初期の段階であきらめてしまった、と彼は書いています。
後者の部分については2011年のシンポジウムの時に彼が話をしてくれましたが、「2003年の初めに金正日から、めぐみさんが生きていた場合と死んでいた場合の損得を調べて分析しろ」ということは、既に「死亡」と発表していたのに、「生きていた場合」について分析したところで、もしも死んでいたことが事実であれば、そのことを分析する価値がないわけですね。
死んだということを日本の世論にどう納得させるかということを分析しなければならないという点で大変貴重な情報ではないかと思います。
また、最近私が入手した情報では、金正恩政権も、死亡と言っている8人について、その人たちを返した場合の損得を内部で分析しているという非公式の情報もあります。
もちろん未確認なものです。当時中にいた人の直接の情報と、私の情報は少し違いますが、「損得を分析しろ」ということは死んでいないということです。
金正恩政権も同じようなことを考えているのではないか、生きていることは間違いないのではないかと、このことも含めて私たちは思っております。
では横田さんに一言ずつご感想をお願いします。