「韓国から見た拉致問題?東京連続集会75」全記録
◆制裁は漢方薬のように効く
西岡 我々の頭の整理のために、敢えて黒田さんの持論じゃない部分もあると思いますが、話をしてくださっていますので、私たちの考えを言います。我々の運動方針としては、「制裁と国際連携の圧力で彼らを話し合いの場に引きずり出す」ということです。
今黒田さんがおっしゃったように、制裁に穴があいているじゃないかということをどう見るか。それはここでもずいぶん議論をしてきましたが、制裁は漢方薬のようなもので、制裁だけで政権が倒れることはないと思いますが、痛がっていることは間違いない。
2002年に比べて今はかなり強い制裁をしています。特に、朝鮮総連が今崩壊直前まできている。北朝鮮を80年代、90年代に支えていたのは朝鮮総連ですからそれはかなり痛い。つまり苦しめることが一定程度できていることが一つ。
もう一つは北朝鮮の経済が二重化されていて、庶民の生活と、核開発をしたりぜいたくな暮らしをするのは別です。金正日の秘密資金と言われるものがあって、それが外貨なんです。中国は外貨を渡していません。
今まで制裁が効いたのは実はアメリカの金融制裁です。あの時盧武鉉大統領まで動員して、制裁を解除しろとブッシュと30分話をしたとか、1時間したということになっていますが、それはつまり、外貨を使えなくしたからです。あの時、もう少しブッシュ政権に我慢があれば、拉致が動きそうになったわけです。
しかし、ブッシュ政権は核でなんとか成果を出そうと思って、核でもだまされて終ってしまった。しかし、北朝鮮が動いたことは間違いないです。
もう一つ制裁で動いた例は、1993年、94年の第一次核危機の時です。あの時も、朝鮮総連のお金を止めると公安警察が動いて、大変なことをやりました。そしたら金日成が出てきて、原子炉を止めるという譲歩までしたんです。
黒田 制裁が圧力になっているんだけど、制裁の結果として、拉致を取り返すことにつながるかどうか。例えば制裁を解除してくれれば日本人を返しますよと。そうなるのが一番好ましいんですが、その方向に言っていると。