「横田めぐみさん拉致事件検証?東京連続集会76」全記録
◆北朝鮮はめぐみさん拉致を第1号とし拉致を縮小化
惠谷 みなさんご存知と思いますが、めぐみさんに関して、朝鮮労働党作戦部の安明進さんが、先輩の丁(チョン)教官から聞いた話があります。「無線操作しているところを目撃されて連れてきた」ということを安明進氏が手記に書きました。手記からは、3つの類型から言うと遭遇拉致と読み取れます。
しかし、めぐみさんがいなくなった当時から様々な情報があり、手記にはそう書かれていましたが、私は人定拉致ではなく条件拉致だと思いました。後でお話しますが、めぐみさんがどう拉致されたのか再検証したい、現場検証しようということになりました。
実は、めぐみさんについては、金正日が(拉致を)自白しているわけです。そのため、どういう拉致だったかは、さほど細かいことをチェックしていませんでした。私は、14、5年前、金正日が自白する前に仮説を書いたんですが、その後の様々な情報を加えるとどうも違うというところもありました。そこで今回西岡さんと再調査したわけです。
9月の国民大集会で3つの類型について話をした時に、横田早紀江さんが、「うちの子の場合は遭遇拉致だ」とおっしゃったのをよく覚えていまして、私は条件拉致と思っていましたが、明確にこうだと言えない状況でした。「無線操作をしていた時に目撃された」ということであれば、当時の現場が目撃できる状況かどうかです。
ちょうど11月15日、36年前の事件当日に合わせて行き、暗さがどうだったのかを見てきました。
西岡 北朝鮮はめぐみさん拉致についてどう言っていますか。安明進が教官から聞いたのとは別に、もう一つ遭遇説がありますね。日本に対する調査報告の中で、「見られたから連れていった」と。
惠谷 外務省の聞き取りの際に、北は、「偶然に連れてきた。秘密が漏れるのを防ぐために連れてきた。それが契機となって拉致が始まった」と発表していますね。
めぐみさんは1977年11月に拉致されましたが、10月に松本京子さんが拉致されています。9月に久米裕さんが拉致されています。この2件を否定するために、めぐみさん拉致が契機となったと主張しています。
西岡 北朝鮮はめぐみさん拉致が第1号で、それも偶然だった、見られたから連れてきた、意図的ではなかった、と拉致を縮小しようとしました。当初安明進が聞いていた話を巧妙に利用して、拉致を縮小しようとしているとも思えます。
日本政府の認定でも1月前に米子で松本京子さん、その1月前に石川で久米裕さん拉致があったわけです。しかし、その二人については、北朝鮮は未だに拉致を認めていません。