特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」全記録
◆安倍総理は100数か国首脳に拉致を訴え
国際社会に対する訴えも極めて重要です。5月の連休の時は、初めて政府主催で、アメリカのニューヨークとワシントンで拉致問題のシンポジウムを開催しました。飯塚代表初め家族会の方、救う会、拉致議連の方々に出席していただき、私自身も行ってしっかり議論し、私からは、日本には拉致問題があり、北朝鮮に対しては拉致・核・ミサイルを包括的に解決することが基本方針だと訴えました。
よその国に頼っているだけでは拉致問題は解決できない。日本が主体的に北朝鮮と交渉することをアメリカの政府にも伝えて、十分な理解をいただきました。
総理は地域を俯瞰するような外交と言っていますが、実はASEAN諸国を初め、多くの国々を訪問して、また外国首脳を受け入れて、既に100数か国と首脳会談をしていますが、常にこの拉致問題については丁寧に説明しています。
またG8(主要国首脳会議、英国)の時には、(ハンガリーの)ビシェグラードまで行き、V4(東欧4か国)首脳との会議の共同宣言の中にも、拉致問題への協力を入れさせていただきました。
これらによって世界が、日本がいかに拉致問題を重要視しているかが皮膚感覚で分かっていただきました。もちろん国交がある国々、ラオス、ベトナム、モンゴルの首脳とは濃密な議論をして拉致問題への協力をお願いしています。
特にモンゴルはよくニュースになりますが、最初に総理が訪問しました。4月にエルベグドルジ大統領が再選をされた時には、私が安倍総理の親書を携えて就任式典に行って、夜には大統領とじっくり話し合いをしました。
大相撲の秋場所千秋楽の時は、エルベグドルジ大統領が非公式に日本に立ち寄りました。あの日は実は、白鳳が優勝を決めた日で、モンゴルのトロフィーが出ます。モンゴル大統領があの国技館に行ってトロフィーを渡せば、対外的には受けたかもしれませんが、それはしませんでした。
その時何をしていたか。総理の私邸で、二人でじっくり話し合いをしていました。こういうことを1つ取っても、海外の首脳は分かるんです。