特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」全記録
◆韓国人化教育を受けた北朝鮮人工作員
西岡 今日はたくさんの国会議員の先生方が来てくださっています。紹介略(31名の衆参議員と54名の議員秘書)。
それでは第1部「拉致の全体像を探る」を始めたいと思います。第1部はレジュメが準備されています。
まず韓国から、北朝鮮労働党対外連絡部の元工作員金東植さん(仮名)に来ていただきました。金東植さんは1981年から95年まで、対外連絡部の工作員でした。
我々は工作員というと金賢姫さんを思い出します。また安明進さんを思い出します。金賢姫さんは調査部所属の工作員でした。安明進さんは作戦部所属の戦闘員でした。金東植さんは連絡部所属の工作員で、現役工作員として2回、韓国に浸透する作戦に従事され、1回目は成功しましたが、2回目に韓国で銃撃戦になって逮捕されました。その後、韓国の安保機関に勤務しています。
実は、今年この本が出ました。『誰も私を届出しなかった』。90年代の韓国に浸透して、韓国の中で親北左翼活動をしている運動家に会って、地下組織を作ったりする活動をしていたんですが、「誰も私を届出しなかった」というタイトルです。
金東植さんの韓国語は、北朝鮮のなまりが一切ありません。韓国人化教育を受けたんです。韓国から拉致された高校生3人が、金東植さんの韓国語あるいは韓国人化教育の先生でした。
そして、金東植さんの金正日政治軍事大学の同期生は、日本担当で日本人化教育を受けました。我々専門家の立場では、「連絡部でも日本人化教育がされていた」ということが、初めて公開の席で明らかになることです。
それ以外にいくつかの日本人に関する情報、あるいは拉致被害者の活用法、そして拉致解決についての見解等をお聞きしたいと思います。