特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」全記録
◆拉致を指令した父親を否定することができない
ですから、今現在は、拉致問題解決が非常に困難な時期だと思います。しかし、北朝鮮は日本人だけを拉致したのではないという事実を知る必要があります。北朝鮮は最近、アメリカ人を拉致しましたし、過去には多くの韓国人も拉致しました。従って、それらの国との国際協調をより積極的にすれば、解決への道が開かれるのではないかとも思います。
ただ、拉致問題の解決において、北朝鮮の金正恩政権には大変否定的な側面があります。金正恩は自分の父親から政権を渡されたので、自分の父親を否定することができないと思います。
解決のためには「死んだ」と言っていた人たちが、実は「生きていた」というふうに、彼らに否定させなければならないのですが、それが困難だということです。
しかし私は、皆さん方が今までしてきたように、日本政府と皆さん国民が解決のために努力をしていくならば、解決の日が来るだろうと信じています。ありがとうございました(拍手)。
西岡 体系的にお話をしていただきました。田中実さんの写真は見ていただきましたが、顔には記憶がないということです。但し、招待所の中で、「タナカ」と呼ばれている人がいた。その人は工作員の日本語の先生だったということが確認できたということで、その人が田中実さんなのかどうかについては今の段階では言えません。
もう一つ、招待所の中では本名は使わない。仮名を使うということですが、調査部では、仮名どころか日本人も朝鮮名を使っているんです。田口八重子さんは李恩恵で、佐藤とかは言っていない。しかし、連絡部ではシステムが違う。「タナカ」という日本名を使っていた。
さらに、金東植さんの韓国語の先生も拉致被害者だったんですが、その内一人は、苗字は本名を使っていた。ですから、本名を使うこともあるという話もしてくださいました。
今の段階で言えることはここまでで、これ以外のことは情報はありませんが、様々なパズルのような情報を集めてみて、真実に迫るしかないと思っています。
続きまして、救う会では拉致の全体像をさぐるプロジェクトをやってきました。その一員である惠谷治さんから、今の段階で我々が掴んでいる調査結果、北朝鮮による拉致の全体像について報告させていただきます(拍手)。