特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」全記録
◆日本に多数の侵入ポイントがある
もう一つ。政府も何十年もの間隠してきた。日本は安全な国だという幻想をふりまいてきて、その間にたくさんの人が拉致をされ、あるいは別の被害にあってきたということがあったわけです。
その政府を作っているのは我々国民ですから、私たち自身の責任ということになりますが、そういうことが非常に大きかったのではないかと思います。
この間、山口で現地調査をやった時に、青海島(おおみしま)に侵入した、元北朝鮮の工作員だった李相哲(イ・サンチョル、仮名)さんが現場に行ってくれて、侵入した場所を見ました。
しかし、青海島には、もう一つ、韓光煕(ハン・グァンヒ)という元朝鮮総連の財政局の副局長が書いた本の中に出てくる鼻繰岩(はなぐりいわ)という別の侵入ポイントがあった。そこも行きました。
李相哲はそちらは前々知らなかったんですが、非常に感心していまして、「北朝鮮の工作機関がこういう場所をよく管理していたんですね」と。工作員が感心しているんですから相当なものです。
韓光煕だけで(侵入ポイントを)38か所、北海道から鹿児島まで設定したわけですが、そのポイント以外でもたくさんの人間が同じようなことをやって、そこから、これは李相哲が言っていましたが、1か所つかっておしまいということはありませんから「何度も、何度も入っていますよ」と言っていました。
何百か所に、月1かどうか我々には分かりませんが、厖大な数の工作員が出たり入ったりしながら日本人も連れ出していたか、あるいは出ていった日本人がまた戻ってきたこともあるんじゃないだろうかと思います。