特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」全記録
◆国内に相当数の協力者がいたはず
11年前、5人が帰国してから二月経って、新潟で二泊、一緒したことがありました。その当時はまだ私は救う会の事務局長で5人と一緒に2泊3日を過ごしましたが、その時旅館で、蓮池薫さんのお兄さん、前に家族会の事務局長をやった透さんが、部屋でこんなことを言いました。
「薫に、『何でお前しゃべらないんだ。本当のことをもっとしゃべればいいじゃないか』といったら、薫が答えたのは、『それは兄貴と自分がやってきたことをしゃべったとして、兄貴はそれに耐えていられるか』と言われた」と。
おそらくそれで話は終ったんだろうと思いますが、彼らが話せないこと、彼らの本を見ても聞きたいことを十分には話していないし、聞いても話せないし、私なんかには会ってもくれませんから。
一つは、国内の協力者の問題があると思います。国内に相当数の協力者がいなければ拉致などできる筈がない。海からあがってきた工作員以上に、私は国内の協力者の方がはるかに重要な役割を果たしていると思っています。そういう意味で、存在を否定せざるをえない何かの理由があるのではないだろうか。そして彼らを守りきれないこの国の現実があるのではないかと思っています。