特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」全記録
◆情報を隠そうとする警察
拉致の問題は、やっているのは北朝鮮ですが、それ以上に日本の問題があるのではないか。国家による不作為の問題は山ほどありますが、一つだけ例を申し上げます。藤田進さんの件です。
去年の12月18日に、8年前に出た写真の(「同一人と推定される」という)鑑定結果を、警察が8年経って、藤田進さんのご家族に伝えました。写真が出た8年前にもやっていたんですが、それを8年経ってやっと伝えたということです。
その内容は、「ほとんど間違いはない」ということでしたが、そこで警察は、「外に言わないでくださいね」と言っていた。私がもしいたら、すぐに記者会見をやったんですが、藤田さんのお父さんはすごく真面目な人なので警察のいうことを聞いてしゃべらなかった。だからマスコミの方も前々報道をしなかった。
その後8月に、先ほど大臣のお話にもありましたが、COI(国連人権委事実調査委員会)の方が来るので、書類がほしいということを進さんの弟さんの隆司さんが言われて、しぶしぶ書類を出してきた。出してきた時も、「この書類のことは表に出さないでくださいね」と言われた。
結局、8年前に写真が出て、すぐに鑑定をやって、その結果が伝えられたのが、ちょうど1年前だった。それから1年間、「外に出さないでください」と言ったにもかかわらず、何の変化もあったわけではないという問題がありました。
もう一つ、不作為よりさらに始末の悪い、国家による偽造である山本美保さんのDNAデータの偽造事件。このことはもうご存知の方が多いと思いますが、未だに警察の関係者でも我々に、「誰が考えたって絶対決まってますよ」というんですが、それを一切認めないという状態が続いている。
この中にも警察の方がおられると思いますが、その方々がこの事件をやっているわけではないので、是非上に、「これはもうどうにかしたほうがいい」と伝えていただきたいと思います。
これは今やっている方々が悪いというんじゃなくて、昔やった不作為とか、あるいは誤った認定を認めることができない国家のシステムの問題です。さらに言えば、政治家がやっていただくしかないし、政治の場で進めていただくしかない。
これはある意味で政治生命に関わる問題ではありますが、ここにお見えの先生方にはそれをやっていただきたいと思います。ここに来ていない方々に言いたいんですが、来てない人には言えませんので是非宜しくお願いいたします。