特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」全記録
◆自衛隊に拉致問題に関する任務付与を
もう一つ。(拉致問題)対策本部についても、国民に誤解があります。もともと対策本部というのは帰ってきた方々の支援室から始まっているわけで、それに広報業務が加わって、後になってから情報業務が加わった。
でも国民の大部分は、拉致問題対策本部は拉致被害者を救出するために情報の収集や交渉に当たっていると思っています。そのギャップが私は非常に大きな問題だと思います。そうでないなら、そうでないとはっきり言って、じゃあどうすべきかということを考える必要があるのではないだろうかと思っています。
主権侵害の認識の問題。今自衛隊を邦人保護に使おうという議論が出ていますが、そうは言っても、現実に具体的にどうするかという訓練を自衛隊がしているとは思われません。私も予備自衛官のはしくれですが、自衛官でも拉致問題に関心を持っている人間は少ない。普通の国民と基本的には変わらないとおうような状態です。
自衛隊への拉致問題に関する任務付与もない。今度のコンサートで、(海上自衛隊音楽隊の)三宅由佳莉さんが歌を歌うんですが、これが任務付与だということだけにはなってもらいたくないと思いますので、本当に必要な任務付与をしていただきたい。
今日、拉致被害者が出てきそうだということで、じゃあ自衛隊が準備して、明日(北朝鮮の)元山に行けるか。行ける筈がないわけで、最初から準備して、計画を作って、それを立て直していくということが必要で、さらに言えば、法的な整備をやる時間よりも、その時には総理大臣の決断が重要であると思っています。
敢えて「オールジャパン」ということを強調するために言っておきますが、今私は安倍総理にそこまでの決断はできていないと思っています。そえだけの覚悟が今総理にはないと思っていますので、それを持っていただかなければいけない。持っていただけるかもしれないし、持っていただくことを期待していますが、これは国民の世論、声によると思っていますので、「任しておけばいい」ということには絶対になっていただきたくないと思います。