特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」全記録
◆日本に入ってくる工作船は武装していなかった
惠谷 今の風山号事件で大事なことは、韓国軍に攻撃された時、日本へのテロ工作船は武装していなかったことです。つまり反撃できなかったのです。それで撃沈されました。しかし、その後も日本に入ってくる工作船は、武装していませんでした。というのも、巡視船に臨検された時に、武装していると問題が起きます。
しかし、武装していなければどうするか。問題なしです。ですから、以前は竹島の西を通ってきていたんですが、韓国に近いということで、今は竹島の東を通ってくるようになりました。
1998年に、能登沖で2隻の不審船事件がありましたが、それ以降、日本向けも武装するようになりました。つまり日本は非常にまねられていたということです。
西岡 つまり、韓国は軍隊が出て工作船を取り締まっているんですね。韓国にとって、北朝鮮との工作は戦争なんです。韓国軍が見張っている地域を避けてくるから、例えば鹿児島に来た工作船は、南浦(ナンポ)から揚子江の方に行きました。揚子江の河口に北朝鮮は工作基地を持っていて、そこで給油してきます。直接来れば鹿児島は近いんですが、韓国海軍が警備しているところは通らないということもあって、遠回りします。