特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」全記録
◆海外の様々な情報機関からの情報収集を
上田 今日は多くの皆様、熱心にお集まりいただき大変ありがとうございます。また皆様には拉致問題の啓発、問題の解決に向けていつも大変なお力をいただいていることに厚く御礼を申しあげたいと思います。
今日は、第1部の方でも、貴重なお話をうかがうことができたと思っています。そして拉致問題は風化させてはならない。この問題は引き続き啓発に努め、国民の関心を高めていくことが重要なことだと思っています。
拉致問題の解決は、一義的にはどうしても外交問題ですから政府にやっていただかなければならないことです。そういう意味では、議会や政党が独自に何ができるのかと言われると、それはすごく限られていると率直に認めざるをえないと思います。
今、山谷先生からも話がありました拉致議連として、とにかく国際世論の啓発に努めていかなければいけないことですが、これは政府がやることをしっかりバックアップすることがまず必要なことだと思っています。
安倍総理が、「在任中にこの問題を解決する」という強い決意を述べられています。その政府の姿勢をしっかりとバックアップすることがまず第1に必要なことだと思います。
もう一つは、政府でも足りない部分があれば、また皆様のご意見も受け止めて、いい意味で政府に対しプレッシャーをかけ、もっとこういうところはしっかり取組んでほしいというようなことを要求していくことも重要なことと思っています。
政府が主体的に取組んでいくには、世論のバックアップも必要です。そういう意味では、家族会・救う会の愛様、またそれを応援している皆様としっかり連携しながら世論を高めていくことにも努めていきたいと思っています。
これまでの話を聞き、政府の報告も聞く中で、北朝鮮の中の情報が決定的に不足しているのではないかと実感します。政府として機密性が高く、公にできないこともたくさんあることは十分承知しています。
しかし、分からないことがあまりにも多すぎるのではないかと感じています。先ほど話があったように、一体拉致されたのは何人なのか、どこにいるのかも、それは分かっているのかもしれませんが、多分分かっていることには限界があるんじゃないかと感じています。
そういう意味では、政府として情報の収集は最優先で、もっと力を入れて取組んでもらいたいと私たちも再三要請をしています。もちろん、北朝鮮とわが国とは外交関係がありませんので、公式な情報は限られていると思います。
しかし、わが国の同盟国や友好国の中にも、北朝鮮と外交関係がある国もあります。そういうところとは、当然色々な情報の交換をしていると思っていますが、それもさらに強化をしてもらいたいし、また海外の様々な情報機関、インテリジェンスの分野でも情報収集を進めてもらいたいというのが正直なところです。
そして国会は与党も野党もないわけですので、与野党を問わず政党を超えた連絡会が設置されたことは、大きなはずみになっていくと思っています。なかなか議員、政党の側から提供できる情報は限られています。しかし、もっと政府にしっかり取組んでもらいたいということを求めることは、引き続きやっていかなければいけないと思っています。
また私たちには、政府とは違った色々な委員会があります。外国の議員の人たち、行政職など色々意見交換をすることもあります。
拉致問題について向こうが何もしないこともありますが、それでもこちらから投げかける。それについて何らかの情報を持っているということもありますし、また国際世論の醸成にもつながっていくだろうというようなことは、私たちがやらなければならない課題だと思っています。
非常に機密性の高いことを政府としてやっていただいていると思いますが、そういった場面をさらに力を入れて作ってもらいたいと考えています。また、行政機関の間で縦割り的なことがあって、色々なことがつまっているというようなことはあってはならないことだと思います。そういうこともこれから求めていきたいと思っていますので、政府としてもしっかり対応していただきたいとお願いします。
今日、お集まりの皆さんの熱意に私たちもお応えをし、政府とも協力をしながら、この問題の解決に向けて全力をあげていきたいと考えています。どうもありがとうございました(拍手)。
島田 続いて、松原仁衆議院議員、民主党拉致問題対策本部顧問、元拉致問題担当大臣に、大臣としての経験も踏まえて、今の状況でなしえなかったこともあろうかと思いますが、その辺も含めてご提案ください。