特別セミナー「拉致問題の全体像と解決策」全記録
◆難しい状況だが、動きを見極め、間髪を入れず動く
中山 みなさん、こんばんは(拍手)。大勢来てくださいまして、本当にありがとうございます。
私自身は今、何と言っていいのか、非常に厳しいというか、難しいというか、本当にすぐにでも何とかしなければいけないのではないかという思いで、2、3日前から、どうしたらいいんだろう、どうやったら行けるんだろうと、まだ自分の中でも結論が出ないまま、時を過ごしております。
めぐみさんが11月15日に拉致された時から、今年でもう36年が過ぎます。今なお、こういった形で、北朝鮮の中の情勢も変わってきているということで、本当に厳しい状況だと考えています。
ずっと救う会で活動された佐藤勝巳さんが先日亡くなられました。1日も早くなんとかしなければと思いながら、なかなか思うようにできていないことを、非常にはがゆい思いで過ごしています。
北朝鮮の今の情勢を、どれだけ見極めることができるだろうか。新聞情報では、軍部の動きだろうと書かれています。これが今の金正恩第一書記に権力が集中したと見ていいのか。そうではなくて、軍部が実際には動かしているなら、第一書記が判断し、解決していく能力があるのか、ないのか。
金正日総書記の時には、総書記につながって、総書記の判断さえ取れれば、動かせるという可能性が十分あったと思いますが、残念ながら解決できなかった。
張成沢さんの場合は、日本の議員団がくれば歓迎しますという、そこまでの了解がとれていたということですので、その動きがすべて消えてしまっている。
北朝鮮の中の動きを、色々な形でこれまでの動きの中で想像してみても、いますぐというのは難しいという印象があります。
もう少し時間をかけて、北朝鮮の中をしっかり見極めないと、間違った動きになるかもしれないと、そんな思いがあります。
命が向こうにあるわけですので、うかつなことで間違えるととんでもないことが起きるかもしれない、また、時間をかけると、それも間違いかもしれない。その当りの判断を真剣に考え、見極めることが大変難しい状況だと見ています。
北朝鮮側から見て、拉致した日本人というのは、一般的に言われている人質とは全く違います。韓国が竹島を占領して、そこは韓国の島だと子どもたちにも教え込んで、決して離すまいとしている。あの状況にさらに輪をかけて、強い思いです。
先ほど日本に行くのは朝飯前というのは以前から聞いたことがありますが、だからといって北朝鮮の人たちが工作船を出し、海でおぼれるかもしれない、ある意味で命がけで日本に入ってきて、日本に入っても安全だと言いながら、何が起きるか分からない。資金とエネルギーをかけて日本から取ったものなんです。獲得したものです。何かと交換するために取ったものではなく、自分のものなんです。
そういう考え方の中から、拉致された日本の人々を救出してくる。何かと交換できるようなものではない。そこはしっかり認識した上で、私たちは世界と対峙し、交渉しなければならない。
そういう中で、今の張成沢さんのグループが、しかも非常に荒っぽい形で処刑され、その力削ぐ。その動きを間違わずにきちんと見極めておかないと、非常に危険なことにつながるかもしれない。そういう恐れが自分の中にあり、厳しい、難しい状況だなと、この2、3日ずっと、身体が凍えるような感じで、どうやったら見極められるのかという思いです。
この動きの中で、もう一つ、中国の動きを注目していかなければいけないと思っています。中国の本当に小さな動きでもいいので、中国がどういう形で動く可能性があるか。そこも非常に注意深く見ていないといけないと思っています。
そういう中で、必ず隙が出る筈だ、と。その隙を見逃さずに、救出につなげていかないといけない。本当に真剣で、命がけで、動きを見極めて、間髪を入れずに動く。こういった体制を政府にとってもらいたい。まさに今、真剣勝負の時かもしれません。
一刻も早くそれをしないといけないかもしれません。力を合わせて、知恵を出し合って、政府として動かないといけませんし、私たちもできる限りの協力をしながら、対応していかないといけないと思っています。
中途半端な話になりますが、みんなで頑張りましょう(拍手)。
島田 どうもありがとうございました。それでは続いて井上義行参議院議員、みんなの党北朝鮮による拉致問題対策本部長にお願いします。井上さんは第一次安倍政権の時に秘書官として北朝鮮を訪問された経験がおありですが、それも踏まえてお願いします。