国際セミナー「北朝鮮は世界の拉致被害者をすぐに返せ!」全記録
◆ブッシュ大統領「悪の枢軸」と似たタイミングに
松原 仁 拉致議連幹事長
今日はたくさんの国会議員が参加しています(紹介略)。
私は国連の報告書は、極めて大きな意味を持っているものだと思います。日本では、今日お集まりの方々を含む多くの方々がこの運動に協力してきました。北朝鮮は従来からこれを無視したとは言いませんが、あまり対応してこなかった。しかし、国連においてこのことが明解に評価され、日本の拉致解決の取り組みが国際社会から、これは大変なことだという認識を共有してもらったわけです。私はまず第1位に、国連の調査委員会の報告書は重いものがあると思っています。
このことをさらにどういうふうに敷衍をしていくのかが重要なことだと思っています。去る8月28日に、COIと議論をしましたが、山谷えり子さんが、今日は予算委員会で質問をしていますので今来ておられませんが、拉致議連というのは日本の衆参の中で最大規模の超党派の議連だということを言いました。
この間、拉致議連は、多くの議員が最も関心を持って、日本に対する主権侵害であり、日本人に対する人権侵害でもある拉致問題を扱ってきました。
また政府認定だけではなく、多くの拉致の可能性を排除できない特定失踪者という方々がおられる。今回の報告書でも、100名を超える人が間違いなく拉致されていると記載されています。さらに、この報告書は特定失踪者の家族の声を含めて記載されています。日本の政府認定をはるかに超えた部分で、国際社会が拉致問題を認め、北朝鮮に対して解決を迫ることになっていると思います。
カービー委員長も、早紀江さんの証言や安倍総理の拉致問題解決に向けた強い思いに大きく心を動かされたと言っています。従ってこれからは、日本の拉致解決の動きと、国際社会の拉致解決の動きを連動させながら私たちは心していかなければならないと思っています。
しかし、相手は北朝鮮で、そういうことにきわめて無関心です。先ほど西岡さんからも話があったと思いますが、中国と北朝鮮の間に一定の齟齬が生じているこのタイミングは、かつてアメリカのブッシュ大統領が北朝鮮を「悪の枢軸」と批判した時期に似ています。あの国は鞭がなければ解決しない国です。つまり、彼らを正当な対話に引きずり出すには、アメとムチ、圧力と対話と私たちは言ってきましたが、この圧力がなければ彼らはそれに応えようとしない。
今、かつてブッシュさんが「悪の枢軸」と言った時以上の中国との関係を考えると、北にとっては孤立感を深める状況です。さらにこの国連の最終報告書が調査委員会から出た。私は拉致問題解決の大きなタイミング、10年前と同じようなある種の環境になっていると思います。
ただ、最も重要なのは、制裁ももちろん大事ですが、世論の盛り上がりであり、日本の多くの皆様が拉致問題解決のために立ち上がるということが、問題解決に向かっての最大の圧力になると思います、
その思いを世界と日本が持つということは、解決に向かっての最大の圧力ですから、今日お集まりのみなさんを含め、是非、この報告書が出たことを皮切りにして、さらに1000万の署名ができましたが、もっと署名も集め、世論の圧力を高めて北朝鮮から拉致問題解決に向けてさらなる譲歩を引き出すように頑張っていきたいと思います。
私も担当大臣をした経緯を含め、できることはぜひともしたいと思っています。
宜しくお願いいたします(拍手)。
櫻井よしこ
松原さんがおっしゃるように、拉致問題では北朝鮮だけを見ているわけではなく、中国がどのように反応するか、他の大国がどのように反応するかということを注意深く見ながら、圧力をかけていくのか、扉を開かせるのかということが非常に大事なわけです。
その意味では今、北朝鮮は揺れに揺れている。国民が飢え、国際社会から絶対的に孤立している時に、スキー場を作ったり芝生を植えたりする指導者がいるわけですから、ある意味で拉致解決のチャンスが私たちの目の前にあると思います。
そこで朝鮮半島問題に非常に詳しく、拉致問題に心血を注いでこられた救う会会長の西岡力さんに、今何が起きているのか、私たちに何ができるのかお話をしていただきます。