国際セミナー「北朝鮮は世界の拉致被害者をすぐに返せ!」全記録
◆日本国の責任、日本国への期待に応えて
櫻井よしこ
子どもたちがある時いなくなる。突然旅先から帰ってこなくなる。消息が何もない。まさか、まさか、北朝鮮という国家が国家犯罪としての拉致をしている等誰も知らなかったわけですね。
日本国の拉致に関する歴史を振り返ってみますと、私たちの国は、本当はもっと早く、北朝鮮に拉致されているという事実を認識することができていた。その情報は明確にあったわけです。
今考えてみると、なぜあの時に私たちの国のメディアも政治家も、そのことに真正面から取り組まなかったのかと悔やまれるばかりです。その時の問題というのは、国家というのは何かということ。誰もが十分には認識していなかった。それが問題なんだろうと思います。
有本さんが思いのたけを伝えました。日本国は憲法を改正してまともな国になってくれと。早紀江さんがおっしゃったこともそうです。私たちは、国家が何であるかということに気が付かなければならない。このことを私は一番最初に早紀江さんに、頭をなぐられるような形で教えてもらったと思います。
そうしたことからもう何年もたち、何十年もたっています。ようやく今、国際社会がここの場所にたどり着きました。国連のジュネーブの北朝鮮の人権に関する調査委員会が、さっき土井さんがおっしゃったように、非常に完璧なまでのレポートを出してくれました。
これは日本国から拉致された人々だけではなく、韓国のいわゆる朝鮮戦争の時に拉致された人々のことにも詳しく触れています。韓国から戦後拉致された人々の話も非常に詳しく触れています。その他の国々、国際社会のすべての被害者について、国連のジュネーブの調査委員会はすばらしい報告を出してくれました。
ここまで来ることができたこと、それ自体大きな喜びであり、成果です。私たちはこれを何とかして、何としてでも、現実の国際政治に反映させ、拉致問題を解決しなければなりません。
そしてその局面にあって、2時から始まったこの国際セミナで、幾度も指摘されたのは、その中における日本国の責任、日本国への期待なんです。もちろんアメリカ、中国にも動いてもらわなければなりません。ロシアを動かすことも大事です。でも今、日本国が頑張れば、日本人が頑張れば、何とかこの報告書を形にすることができるのではないかと思います。
ぜひそのようにしたいと思います。そのための家族の皆さんも、政治家の皆さんも、国民の私たちも、もう1回力をこめてこの拉致問題に関わっていき、支え続けていきたいと思います。
この3時間のセッションの中で、私たちはこれから何をすべきかということを決めたいと思います。国際拉致解決連合の声明を読み上げていただきたいと思います。増元照明さん宜しくお願いいたします。
西岡
家族の方は全員、壇上に上がってください。