「人道的なふりをし始めた北朝鮮への対応ー東京連続集会78」全記録
◆ニューヨークの安保理非公式協議に家族会として参加予定
増元照明(増元るみ子さん弟)
私は翌日、飯塚代表とは別に、タイ、ルーマニア、韓国の拉致被害者家族と日本の家族がルーマニア大使館に言ってお話をさせていただきました。ルーマニア代表部の大使は、「自分たちは毎日のように世界中の人権の問題を討議している」と。そして自国民の拉致に関してだけではなくて、本当に毎日大変なことをやっているんだよと、言い訳的なことを言っていました。
それでも、ガブリエル・ブンベアさんが直接、自分の言葉で伝えられたことに非常に感激したというか、感謝していただきました。これは日本の拉致被害者救出運動の盛り上がりが大きくなったことによって自分たちもこのように訴えることができたという感謝でした。
これを受けて、代表が言われたように、今後どうしていくかですが、昨日(委員の一人である)マルズキ・ダルスマンさん(国連人権特別報告者)とお会いしました。家族会の後NGOの方にも会っていただきました。北朝鮮の人権侵害を止める方法について議論しましたが、日本のNGOの方たちが色々な方法論を話されました。
中国を動かす方法として何があるのかということで提案がされていましたが、難民救援基金の加藤さんは、中国を動かすにはやはり人民が怒ることだとおっしゃっていました。
北朝鮮の脱北者者を中国政府が強制送還していますが、中国にお金で売られた脱北女性が中国人の子どもを妊娠して強制送還された場合には、強制堕胎をさせられている。この事実を中国に突きつけ、あなたはどう思うんですかという問いかけをすればいい。そして中国にも、朝鮮族から多くの拉致被害者がいるのですが、中国政府として自国民を守れないことをどう思うかと突きつけることによって、中国人の意識に、北朝鮮に拉致された中国人がいると分からせれば動かしていくことができるのではないか、と言っていました。
3月17日に人権理事会が行われ、28日に決議がなされ、その際特別報告者の任期が延長されて、その方が一月も経たないうちに日本に来られて、再び活動を活発化させています。来週には非公式ですがニューヨークの安保理の国々が会議を開きます。そこに私も参加します。
ここまでくると、国際社会はもう動かなければならなくない状況ができているのではないでしょうか。北朝鮮の人権状況は本当にすさまじく、人類史上まれに見る非常な状況となっています。「人道に対する罪」を問わなければならない状況になっていることを各国が認識し、これを放置しておいてはいけないという意識を確実に大きくしていくことです。
そして、そう時間をかけるわけにもいかないという思いを徐々に共有しています。ですから、国際的な圧力は必ず強まると思います。