「もう我慢できない。今年こそ結果を!国民大集会」全記録
◆ウンギョンちゃんとの面会に拍手を
平野フミ子(増元るみ子さん姉)
みなさんこんにちは(拍手)。私は星陵会館で話させていただいたのが最後になっていました。政権交代と、そして中川昭一先生の死に直面して、失意の状態でした。ここにいらっしゃる方も私の発言を聞いていらっしゃるかもしれません。
本当にどうしていいか分からない失意の状態の中で、「関係ないだろう」という野次が飛んだんです。私たちは普通のおばちゃんです。応援の野次はいくらでも私たちは嬉しいなと思います。でも、「関係ないだろう」とおっしゃられる方もおられるし、民主党にもすばらしい方もおられます。だからそれを分かっておっしゃったんだと思いますが、拉致被害者家族にとっては、信頼していた政権と信頼していた中川先生がなくなり、悲しい思いをしていました。
でもまたここに立つことができました。もう一回皆様に訴えることができて、幸せだなあと思っております。
そのきっかけを作っていただいたのが、横田ご夫妻のウンギョンちゃんとの面会です。家族会を結成してからもう17年、その間あの笑顔を見たことがなかったんです。早紀江さんと滋さんのあのにこにこした顔を見たことがなかったんです。だから本当によかったなと、今まで頑張ってきた褒美だなと私は思いました。
でも不安がよぎりました。ここにいらっしゃる方はそうは思っていらっしゃらないと思います。これで終わってよかった、よかったとは思っておられないと思います。普通の日本の方は、映像が流れたら、「ああよかった、よかった。これで拉致問題は解決した」という風に思われたんじゃないかな。
それが私はとても怖くて、どう言葉をなげかけていいか分かりませんでした。その時、横田家の拓也君が、「自分にもいっぱいメールが来た。よかった、とかったというメールが来た」そうです。それを見た時に、「これじゃいけないんだ」と官邸で言われました。
私が思っていたことを拓也君が言われたもんですから私も同調しました。日本人の世論というのはあやふやなものだということをこの戦いの中で何回も味わっております。今まさに横田さん夫妻が勇気をふりしぼって、自分たちのことだけ考える方ではありません、それは私たちが一番よく知っています。私はあの英断に拍手を送りたいと思います。
私たちの代わりに、「拉致被害者を全員返してください」と、ウンギョンちゃんの向こうにいる金正恩氏に伝えたかった。それしかなかった。それだけで横田夫妻は行かれたんだと思います。
私は、「めぐみちゃんがかわいそうだから」とおっしゃいました。本当に横田夫妻は、めぐみちゃんを探して、探して、今まできていらっしゃいます。ウンギョンちゃん、そしてひ孫ちゃんに会えたのは本当によかったとは思っておりますが、まずはめぐみちゃんにこのお二方にハグさせたい、羽田でハグさせたい、私はいつもそう思っています。