「北朝鮮は今どうなっているのか?東京連続集会79」全記録
◆今年初め異常なほどのミサイル発射
平田 今日の司会の西岡会長が5分ほど遅れてきますので、まず惠谷さんに、北朝鮮をめぐる最新情勢について少し説明をしてもらいます。宜しくお願いいたします。
惠谷 治(ジャーナリスト)
数日前、北朝鮮が砲弾を撃って、韓国側が負けじと打ち返した小競り合いがこのところ数回続いてはいます。しかし、延坪島砲撃や天安艦爆沈のような局地戦的な様相に至るほどではありません。個人的には楽観しています。
しかし、3月の米韓合同軍事演習の期間、今年は異常なほど北朝鮮がミサイルを発射しました。過去に例がないほどの回数、発射数で、配布資料を見ていただければ分かると思いますが、これほどのミサイル発射はかつてありません。
米韓合同軍事演習はもう何十年来、毎年3月、4月にやっています。その間ミサイルを発射したこともありました。昨年も過去と同様3発くらいしか撃っていないんですが、金正恩が最高司令官と同時に第一書記という本当の意味の権力者になってから初めての米韓軍事演習だったものですから、非常に気負ったというか、騒いだわけです。
「休戦協定の白紙化」、これは一方的にできることではないのですが、勝手に言い始めて、そこからどんどん言葉がエスカレートしていって、いかにも戦争が起きるような状況が去年ありました。
結果的には何も起こりませんでしたが、その理由の一つは2月に実験した核実験の結果、中国から文句を言われたというか、報道ベースですが(中国にある北朝鮮の)口座が凍結されたり、中朝関係がうまくいっていない状況になりました。これに加えて、去年の暮の張成沢粛清で中朝関係がさらにおかしくなった。
今年に入って、ごく最近ですが、この1月から3月にかけて中国からの石油の輸入が一切行われてないと、韓国のKOTRAという貿易投資振興公社が発表しています。これは一体どういうことなんだろう。3か月も油を中国から入れていないとなれば当然ながらどこからか入れているはずです。
だいたい謎が見えてきたんですが、それをお話しする前に、今お話ししたことをもう一度言いますと、今年の在韓米軍の合同軍事演習では言葉上ではおとなしいというか、ほとんど騒いでいませんでした。しかし、ミサイル発射については過去にないほどの実験を行っています。
では西岡さんが来ましたので、いったん戻します。