「北朝鮮は今どうなっているのか?東京連続集会79」全記録
◆すげかえても厚遇する金正恩人事
西岡 そしていよいよ人事のことを聞きたいんですが、特徴的なのが黄炳瑞(ファン・ビョンソ)が次帥になり、金正日が金正恩の側近につけた崔龍海(チェ・リョンヘ)、軍歴が全くなかった崔龍海を軍の事実上のトップの総政治局長につけたわけですが、今回金正恩は金正日が張成沢と並んで側近に付けた崔龍海を軍のトップから外して、自分の子飼いの側近だった黄炳瑞を軍のトップ、総政治局長にした。これをどうみますか。
惠谷 張成沢が処刑される以前から、金正恩は、金正日、つまり父親が付けた側近あるいは後継者をどんどん外して、さらに新任した人物もまずかったとしてまた代えたりした。人事が猫の目が変わるように動いていました。
そしてだいたい自分の人事で、自分の側近を周りに備えたんですが、最終的にナンバー2と言われた崔龍海という男が手つかずで残った。それを黄炳瑞という自分の側近に近い男に代えました。
しかし、外された崔龍海は未だに金正恩の側近として、様々な視察に、驚くほど何回も随行しています。私服の時もあれば制服の時もあります。それまではずっと次帥の軍服を、大将の上の階級ですが、着ていました。外されて以降は、書記という立場で私服で、金正恩の隣に立ったり、座ったりしています。
軍の総政治局長という金正日の側近をすげかえたけれども、崔龍海は今の段階では非常に厚遇されています。外された人間がそれほど厚遇されているというのは過去に例がない異常な結果です。