北の「特別調査委員会」をどう見るか?東京連続集会80 全記録
◆これは犯罪者との交渉、全員でなければだめ
どうしても交渉が始まると、「交渉事だから相手を動かすためにはアメとムチが必要だ」という発想が出てくるんです。しかし総理は、アメと言っても制裁を解除するというのは戻せるんですよと公開の席で言っているわけです。
しかし、外務省は、「今せっかく交渉しているんだから北朝鮮の回答が悪かったらというようなことは言わない方がいい」というふうに言う。伊原局長の一生懸命さを疑うわけではありませんが、交渉する役の人はそうなってしまいがちです。
そういうことと、何人帰ってくるとか、何人のリストがあるということが色々なところからリークされていることは、もしかしたら軌を一にしているのかもしれないと疑っています。
全員でなければだめなんだ、これは外交交渉ではなくて、被害者を取り戻すための犯罪者との交渉なんだということを、いよいよ強く言わなければならないのではないかと思っています。
しかし、先ほども言いましたが、その2行、「日本政府が認定している拉致被害者について改めて調査し、それぞれの被害者について入境からの経緯を調査し、確認する」とあります。「それぞれ」と書いてありますから12人全員の分が出てくる。
一体何人が出てくるのか。彼らの準備はすでに終わっていると思います。調査なんかする必要がないわけです。時間が必要だとすれば、証拠を捏造するためだけに必要です。
一方、残留日本人・日本人配偶者の調査は、大々的に今やっているそうです。これは特別調査委員会ができる前、6月から始まっています。先ほども平壌と連絡したという人から電話をもらったんですが、「保衛部は今パニックになっている」と。
資料に基づいて、残留日本人とか日本人配偶者のところに行くんだけど、日本人と言ったら罰せられるかもしれないと思って、「私は違います」とみんな否定する、と。それで苦労しているということでした。
特別調査委員会ではなく保衛部がやっているんです。彼らは、日本に出す紙とは別に、何かを準備しているんです。しかしここで、「それぞれの被害者について調査し確認する」と言った以上、何か準備をしている。
「拉致は解決済み」というところから、もう一度調査するというところまでは、圧力をかけた結果北朝鮮は認めたというのが今の状況です。いよいよこれからが勝負だと思います。