北朝鮮の再調査結果、予想される問題点?東京連続集会81 全記録
◆この合意では非常に危険
西岡 みなさんこんばんは。緊迫している中ですが、向こうが何を出してくるか分からないので何とも言えない気持ちで待っています。古屋大臣にここに来ていただいても、「言えません」とばかりおっしゃるのではないかと思って、今政府を離れて野党におられますが、第1次安倍政権の時に拉致問題担当首相補佐官をされた中山恭子先生に来ていただきました。
福田康夫政権の時には担当大臣、麻生政権の時には首相補佐官とずっとこの問題に関わってこられました。2002年に5人が帰ってきた時から、当時は参与という立場でしたが、私たちと一緒に、全員取り戻すことで戦ってくださった中山先生の目から見て、今の状況がどう見えるのかということを討論して、皆さんの頭の整理をして、何が出てきてもいいように、全員取り戻すためにどうすればよいかということを今日考えてみたいと思っています。
みなさんのお手元に3つの資料をお配りしました。まず、5月29日に日朝政府が合意した時の合意文書。そして7月1日に北朝鮮が日本政府に対して説明した「特別調査委員会」に関する説明の概要。これは政府が配ったものです。それともう一つ。メールニュースでは発信しましたが、実は合意文書が出て、2週間も経たない内に、維新の会として政府に申し入れをされました。長いものですが、一言でいうとこの合意文では危ないと読めたというものです。
維新の会の拉致問題対策委員会の委員長は中山先生でした。中山先生がこの合意文書を見て、「よかったですね」「期待しています」ではなくて、危ないところが多いと見られて、維新の会単独でこれだけの文書をまとめて総理に提出されたわけです。
その危ないのではないかという危機感は、今も変わっていないのではないかと思います。もちろんよくなってほしいし、全員取り戻したいと思っているんですが、取り戻すためには何が必要なのか、冷静に考えておくべきことを今日議論したいと思っています。
中山先生にまずお聞きしますが、5月29日の合意文書を見た時、一読されてどう感じられましたか。
中山 5月29日の夕方テレビで、「合意ができた」「多くの人たちが帰ってくるのでないか」という非常に大きな期待を持たせるような放送がありました。その直後に、どんな合意文書ができたんだろうと思って、手に入れて読み始めた途端に、「ちょっと待ってほしい。これでは被害者は誰も帰ってこれないんじゃないか」という印象が非常に強くありました。
読み始めた最初のところから「これはちょっと違うところがあるな」というのが第一印象です。前文、日本側が行う措置、北朝鮮側が行う措置ですが、読めば読むほど、これだけでは拉致被害者は帰ってこない可能性の方が強いという思いがあり、その問題点を慌ててまとめました。
実は6月1日に、茨城県の那珂市で「国民のつどい」があり、その時はみんな「よかった、よかった」という雰囲気でしたので、水を差すような形になったとは思いますが、「この合意では非常に危険がある」「懸念して対応しないといけない」と申し上げました。
そして維新の会として、安倍総理に、「注意してください」「これでは危ないです」という申し入れをしたのです。
西岡 茨城県での集会での映像をニュースで見まして、大変冷静に、心配だということを前面に出しておられ、私と同じ考えだなあと思ったことを記憶しています。
私が一番心配だったのは、「被害者の安全の確保」でしたが、まず維新の会としてどこが問題だと思ったのか。まず前文ではどこが問題だと思われましたか。