北朝鮮の再調査結果、予想される問題点?東京連続集会81 全記録
◆国交正常化すれば拉致情報が出てくるというのは幻想
中山 当時その考え方というのが、国交正常化してから拉致被害者が出てくるという考えですが、それはありえませんと言いました。当時小泉総理が「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」とよく発言してくださいました。
拉致問題の解決にも色々な解決がありますので、どういう意味にとるかはそれぞれの部署によって違ったかもしれませんが、いずれにしても「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」というフレーズを繰り返し言ってくださいました。
その後、この考え方はすーっと消えてしまい、安倍政権では総理は当然のこととしてお考えになっているということですから、言わずもがなという雰囲気であろうかと思いますが、私は大臣の皆様にはこれを繰り返し言ってくださいとお願いしています。
拉致被害者が監禁された状態に置かれているのに国交正常化するということ、国交正常化してしまえばすべてが消えてしまうという非常に危険な可能性があるということを考えれば、このフレーズを多くの皆様にも言っていただきたいと思います。
拉致被害者全員が救出される、帰国することが前提条件なんだということを繰り返し伝えていかなければいけないと思います。私もそのつもりですし、皆様にもそのことをお伝えいただきたい。やはり言ってないと、国交正常化を先に進めてもいいと考える方々が増えてきますので。
西岡 イギリスは国交正常化して、平壌に大使館があります。平壌にいるイギリス大使が時々東京に来るんですが、「平壌にいたら北朝鮮のことが分からない」と。イギリスは拉致問題に大変同情的ですから、ある時イギリス大使館が家族会・救う会を呼んでくださって、平壌駐在の大使と懇談の機会を作ってくださいました。
その時、「自分たちは外交の場では拉致を含む人権問題をいつも北朝鮮に提起しているが返事は全くない」と言っていました。そして、「どこに行くにも監視がついている。北朝鮮の住民の普通の生活を見ることはできない。北朝鮮の政治状況は平壌では分からない。東京の方が情報がある」と言っていました。
国交正常化しても、そういう日本の大使がいるということだけなのです。そういう中で情報が出てくるだろうというのは全くの幻想だと私も思います。