「もう我慢できない。今年こそ結果を!国民大集会」全記録
◆オールジャパンで北朝鮮に繰り返し伝えること
中山恭子(次世代の党、元拉致問題担当大臣、参議院議員)
皆様こんにちは。今日各地から、この国民大集会にご参加いただき本当にありがとうございます。心から感謝します。
今、北朝鮮との交渉が行われておりますが、拉致被害者を救出するためには、今まさに皆様のお力、お声が必要だと考えています。先ほどから、平沼拉致議連会長、安倍総理、山谷大臣、政府の方々も議連の方々も、本当にこの問題に真剣に取り組んでいることが伝わってきました。
ただ、今行われている日朝合意のままに進めば、被害者は誰も帰ってこないことになる可能性が十分あります。ここは皆様のお力で、日本の世論はそれを許さないということを、常に、常に声を出していただきたい。それがなければ、このままいけば、北朝鮮のペースで、なんとなくうやむやに解決と言われてしまう可能性があると考えています。
今日は、政府の思い、強い動きがあることは分かっていながら、敢えていくつかの点を申し上げたいと思いっています。
5月の日朝交渉の後、拉致問題に対する合意には、北朝鮮の主張通り日本政府は、調査委員会を立ち上げたということで、人的往来の規制解除、送金の下限金額の引きあげ解除、人道物資目的の船舶の入港許可を行いました。
特に船舶の入港については、私は北朝鮮側が被害者を帰国させるための行動をとったことが確認されない限り、許してはならなかったことだと考えています(拍手)。
北朝鮮が今年の初めから、非常に活発な工作活動をしているということが伝わっていました。この工作活動に今回負けたのではないか、そんな恐れすら持っています。
また報道では、今後報告書を出すからさらなる制裁解除をせよと要求しているということが伝えられています。次の制裁解除をするに当たっては、北朝鮮側が被害者を全員帰国させると決断すること、決断したとの何らかの証がない限り、次の制裁解除はしてはならないと考えています(拍手)。
今回の合意の中で、拉致問題は本当に脇の一部としてしか取り上げられておりません。その一つがこれだけだと言ってもいいくらいですが、北朝鮮側の措置として、第5番目の項目に、「日本人の生存者が発見される場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講ずることとした」という項目があります。
皆様いかがお考えでしょうか。これで日本人が帰国できると思われますか。今日は(曽我)ひとみさんも参加してくれておりますが、小泉総理が、日本の総理がジェンキンスさんに、「一緒に日本に行こう」と説得した時ですら、指導員のもとで30年も40年も監禁状態で暮らしている日本の人々は、指導員の言うとおりのことしか言葉を発せられない。
小泉総理があんなに言ってくれたのに、「日本に行きたい」と言えなかった。指導員から指導されていたのは、「なぜ今日、ひとみさんを連れてこなかったのか」、これを繰り返し言うだけだった。「もしあの時自分が、『日本に行きたい』と答えていたら、小泉総理と別れた後、自分たちは殺されていただろう」というお話をしてくださいました。
こういう状況にあるということを考えれば、北朝鮮の中で、被害者の去就の問題について検討する等という合意は、決してあってはならない合意なんです(拍手)。そもそも拉致問題は、先ほど松原先生、井上先生からもありましたが、外務省だけで交渉する問題ではありません。日本では、農水産品の問題であれば、農水省とその国の関係者の人たち、航空協定であれば国交省、自動車協定であれば経産省が一緒に交渉に入ります。
今回の問題も、先ほどからオールジャパンでという話がありますが、外務省だけではなく、拉致対策本部、そして議連、民間の北朝鮮に対する色々な知識のある方々、被害者について色々な情報を持っている民間の方々、そういう方々の知識や知恵も合わせて北朝鮮と交渉しないといけないテーマです。外務省がこそこそと動くような問題では決してありません(拍手)。
この問題は多くの日本の人々が、心から心配している問題です。その人々の支援を受けて外務省が交渉する、そういうテーマであると考えています。例えば、「今日交渉で北朝鮮がこう言っていたけどどうだろうか」というようなことを、みんなで考えて交渉する。この形がなければ、被害者救出に至らないと考えています。
今、安倍総理はこのテーマを最重要課題として指示を出したとおっしゃいました。大変ありがたいことと思っています。他のテーマに紛れて拉致問題を扱うということがあってはならない。拉致問題の解決にもいろいろありますが、被害者を全員救出することがなければ、北朝鮮との国交正常化もできない、色々な支援もできないということをしっかりと北朝鮮に繰り返し、繰り返し伝える必要があると思っていますが、それができていない(拍手)。
北朝鮮はこれまでの交渉のいつもの手段で、何かを得ようと、何らかの条件を出して得ようとしている。このやり方のまんまです、今の交渉も。ですからこのことを、みんなで、皆様のお力で世論が上がらなければ、今のまんま進んでしまいます。
今、本当に正念場ですので、皆様のお声をどんどん上げていただきたいと思っています。
また先ほど、山谷先生が早速ジュネーブに行ってくださったということですが、国連北朝鮮人権調査委員会が、今年3月に、北朝鮮が過酷な人権蹂躙を行っているという報告を出しています。
このような国際情勢の中で、今回北朝鮮が誠実な対応をせず、これまでのように何かを得るために拉致問題を使うということであれば、それは国際社会の中で益々北朝鮮が孤立し、金正恩第一書記、北朝鮮にとってもっとも大切な最高尊厳に深刻なダメージが与えられることになるんだということを、北朝鮮に、その都度、その都度、伝えていかないといけないと思っています(拍手)。
北朝鮮がまともな国として国際社会の中で存立するためには、拉致被害者は即時、一括して帰国させることである。これを繰り返し、繰り返し、伝えないといけないと思います。皆様からの声を是非お願いしたいと思います。
小泉総理が、「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」というフレーズを、何度も、何度も使われていたことを思いだします。「北朝鮮から拉致被害者の帰国なくして、拉致被害者の救出なくして制裁解除なし」というような、フレーズを(拍手)、所々で声を上げていただければ、北朝鮮も考えを変えてくれるかもしれない、考えを変えさせなければならない(拍手)、このことをもう一度心にしっかりとおさめて、この交渉に参加できるように、しっかり伝えていかなければいけないと思っています。
可能性はあると思います。正念場だと思いますので、これからもご支援宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。
櫻井 中山さん、ありがとうございました。オールジャパンで拉致問題に取り組むということの本当の意味を語ってくださったと思います。
次に、結の党の拉致問題対策本部長、青柳陽一郎さんにお願いいたします(拍手)。