救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「もう我慢できない。今年こそ結果を!国民大集会」全記録



◆合同調査委員会なんかいらない 申告→検証、申告→検証で

西岡 力(救う会会長、東京基督教大学教授)
 今日集会をずっと聞いていましたが、中心のテーマは、拉致問題は外交問題ではないということだと思います(拍手)。
 被害者を助けるための、犯罪者との交渉なんです。想像してみてください。犯人が人質を取って立て籠もっています。12年前、アメリカという強い国が、「このままでは爆撃するぞ」と言ったら、日本と電話がつながった。犯人との間に電話がつながったというのが今の交渉です。
 しかし、アメリカの圧力が去った後、10年間何も起きなかった。しかし今度は、拉致議連の先生たちが中心になって、独自に制裁ができる法律を作った。今、桜井先生の話にありましたが、日本というのは異常な国だったのです。制裁する法律がなかったんです。
 実は、国連の決議があったら制裁はできたんです。しかし、日本の安全保障のためには、制裁する法律がなかったんです。それで作ったんです。それを今、かけている。一歩一歩ですが。そして朝鮮総連の送金を止めた。国際社会の連携を作った。また犯人と電話がつながりました。
 我々が言うことは一つです。「全員返せ!」。ただ、残念なことに、全員の人数を我々は知りません。安倍政権は、古屋大臣のもと、「認定の有無に関わらずすべての被害者の安全を確保し、助け出す」という方針を決めました。
 そこで特定失踪者問題調査会は認定を求める運動を止めて、救出運動をすることになりました。しかし、人質全員を助ける時に、こちらにリストがないというのは、大変困難なことです。認定のない人も助けると安倍政権は言ったんですが、私が担当大臣だったら本当に眠れません。
 認定していない人をどうやって全員助けるのだろうか。本当に困難な課題を前にしているんです。ある政権を倒す方がもしかしたら簡単かもしれない。リストがない中で、全員の安全を確保して取り戻す。
 曽我ひとみさんのように、月を見て待っている人が一人でもいたらだめなんです。残念ながら曽我さんの名前は、2002年に我々のリストになかったんです。こういうことが今、目の前にあるんです。どうすればいいか。
 私は国会で呼ばれた時に何回も申しあげました。「申告→検証、申告→検証」の枠組みを作るしかない、と。犯人にすべての被害者のリストを申告させる。絶対に「合同調査委員会」を作ってはならない。
 今回宋日昊が、平壌で行った記者会見のほぼ全文を読みましたが、「合同調査委員会」を作りたくてしょうがないということが読み取れます。「日本は『生きてる』と言っているけれども我々には分からない。生きている情報を出してほしい。情報を共有しましょう」。
 「特別調査委員会が調査をしているんだから特別調査委員会に相当する組織を日本も作ってほしい。そこで話し合いましょう」。生存情報を共有して、特別調査委員会が2つできるということになれば、「合同調査委員会」になってしまいます。そんなことを認めてはならない。
 彼らが犯人なんですから、彼らが全員について調査をして、結果を申告させる。それを我々が独自に検証する。今回の合意について、中山先生が非常に厳しいことをおっしゃいましたが、私は一つだけ(北朝鮮を)評価できるのは、彼らが「検証(調査?)する。1回目の報告をする」、「特に認定被害者全員について」と言ったことです。
 微妙な表現ですが、特定失踪者など認定以外の人についても、1回だけは検証(調査?)する」と言いました。しかし、「1回検証(調査?)したものを報告を受ける。日本が確認する」とは書いてありますが、2回目については書いていません。
 そして彼らは、「最終的」、「最終的」という言葉を使っています。つまり、次が勝負です。我々は繰り返し、繰り返し、「あなたたちが犯人なんだからあなたたちには調査を続ける責任があるんだ。これが全員だと、ここにいるみんなが納得できるまであなたたちの調査は続くんだ」と(言わなければならない)。
 「申告→検証、申告→検証」という枠組みを維持できるかどうか。今回の宋日昊の会見を見ていても、今準備されているというものに、すべての被害者のリストは出ていないと思います。そういうものが出てきます。その時が勝負です。
 その時、「一人か二人入っていたから制裁の一部を解除しましょう、そうしないと特別調査委員会の活動がストップしますよ」等、いろんなことを言ってくると思います。
 絶対それに乗ってはだめです。困っているのは彼らなんです。困っている理由がなくなったら特別調査委員会はストップするんです。困っている理由がある間だけ動くんです。それなのにどんどんカードを切ったら動かなくなります。
 逆なんです。拉致は犯罪、犯人との交渉だと。今警官が取り囲んでいる。電話がつながった。「全被害者を返しなさい、一人でも傷つけたら絶対許しませんよ」と。
 一部の北朝鮮内部からの情報では、「生きている人を殺して遺骨を作ろうという計画さえある」と。日本の技術では、その遺骨が誰かだけでなく、いつ死んだのかだいたい分かるんです。
 そしたら、「何度で焼いたら、いつ死んだのか分からないのかを知るための実験をしている」という恐ろしい情報が北朝鮮の内部から入ってきました。
 そこで私は古屋先生(国家公安委員長)に、「日本のDNA技術はどうなんですか。警察の責任者として」と聞きました。「世界一の技術がある。いくら日本以外の国で実験しても、日本の技術でいつ死んだのか暴くことができる」という話を聞きました。
 今回出てくるものが、もしかしたら生きている人を殺して「遺骨」が出てくるかもしれない。それくらい厳しい状況なんです。まだ名前の分かっていない人を含めて、安全を確保して取り戻す。やっと犯人と電話がつながっただけです。
 本当に胸突き八丁だと思いますが、次に何か出てきた時に、これで終わりだと絶対言わせない。これが一定の進展だから制裁を解除しよう、人道支援をしようと絶対言わせない。すべての被害者が帰ってくるまで一切の制裁解除はない。
 逆に、少しでも嘘を付いたら今解除している制裁も、再制裁する(拍手)。これは先ほど古賀先生がおっしゃった、再入国許可を取り消すことです。向こうに彼らがいようと、取り消すことは体制さえあればできるんです。なぜなら、彼らが調査をすると言ったから制裁を一部解除したんです。その調査がでたらめだったら、堂々と再入国許可を取り消すことは、主権国家としてできるんです(拍手)。
 そういうものをすべてポケットに入れて、山谷先生が先頭に立って厳しい、厳しい、困難な戦いを戦っていただきたいと思いますし、我々も戦い続けなければならないと思います。
 曽我さんは、お母さんと時計のことを先ほどおっしゃいましたが、「私は夜、いつも月や星を見ていた。同じ月や星を故郷で見ているだろうなといつも思っていた」と。そして「故郷からいつ助けがくるんだろうと思っていた」と。
 浜本七郎さんも、地村さんたちが同じように、よじれるような思いで日本からの助けを待っていたと言われましたが、今北朝鮮にいる人たちが待っているんです。一番苦しいのは、めぐみさんや、八重子さんや、るみ子さんたちなんです。あるいは私たちが名前も知らない被害者なんです。
 その人たちを助けるのは私たち日本人の力でしかないじゃないですか(拍手)。本当にオールジャパンの力で日本人を助け出して、お祝いをしたいと思います。頑張りましょう(拍手)。
櫻井 本当に、私たちの決意を揺らがせることなく、全員を取り戻すまで頑張りたいと思います。
 ここで今到着しました衆議院議員の宮川典子さんをご紹介します。
 さて、私たちの決意を北朝鮮に伝えるためにも、決議案を声高らかに朗読してほしいと思います。拉致議連事務局長代理、民主党の衆議院議員、笠浩史さんです(拍手)。


  
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