救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「北朝鮮の「拉致解決済み」暴言に抗議し政府に毅然たる対応を求める緊急集会」全報告



◆日朝協議はいったん中断し、拉致被害者救出に的を絞った交渉を行うべき

中山恭子 今松原先生からもご指摘がありましたように、現在行われている日朝協議は、この協議が続く限り拉致被害者が日本に戻ることは決してないと言っていいと思い、この交渉を見ています。
 昨年、張成沢氏が処刑され、その後北朝鮮と中国の間が非常に厳しい状況です。今年あたりから北朝鮮は、日本に接近し始めました。私はこの大きなチャンス、拉致問題を北朝鮮に強く訴え帰国を要求する大きなチャンスだと考えました。
 ただ、日本側が行ってきた交渉を見ていますと、このチャンスは全く活かせていない。北朝鮮は、今年の初め頃、非常に緊張した様子で日本に接してきたと見られています。拉致問題に関して相当の覚悟をしないと日本は動かないだろうという形で接触してきたと聞いています。
 ところが5月の日朝協議を始めてみれば、なんと日本は、北朝鮮の思う通りのことまで降りてくる。非常に拍子抜けした状態が北朝鮮にあったと考えられます。
 そしてその後、拉致被害者だけでない調査委員会を北朝鮮側が立ち上げるという報告だけで、これはまさに言葉だけですが、この言葉に対して日本側は3つの制裁措置を解除しました。
 北朝鮮として、思わぬ形でどんどん北朝鮮がほしいものがとれる、大成功の交渉だということで祝杯をあげているという話まで伝わってきました。そんな中で、また9月に日朝協議が開かれ、この会議では北朝鮮側が拉致問題を進展させる、被害者を帰国させるという証が何もないままでした。
 私は5月の日朝協議で合意したという話を聞いたとき、何らかの証をつかんでいたんだろうと考えていましたが、結局、決断をするという証が何もないままで制裁を解除氏、今度は私たちが「骨ビジネス」と呼んでいる、アメリカから相当の金額を得ていたものが終わったということで、今度は日本から巨額の資金を得られるであろうということについて、日本側に納得させていたというような話まで伝わってきています。
 そして今やはっきりと宋日昊大使は、「死んだ者は生き返るはずがないじゃないか」とか、国連の次席大使が、「拉致問題は完全に解決済みの問題だ」といったような発言を繰り返すようになりました。
 すべて北朝鮮の戦術に乗っており、しっかりした戦術で北朝鮮は動いていると考えられます。日本側はその戦術に乗って右往左往しているだけ。これは外務省だけに任せているからです。
 もちろん、外務省の能力や権限を越えた問題を扱っていることは松原先生からもお話がありましたが、ある意味でその結果が出ていると言えるかもしれませんし、もっと厳しく言えば、外務省が北朝鮮のそういった動きが分からない筈はないと見ています。外務省ですらそのことはよく分かっている筈です。
 じゃあなぜこのように、北朝鮮の言うがままの形で協議に応じているのか。これは2002年の時、私たちが非常に強く感じたことで、外務省にとってみれば日朝国光正常化が政府の仕事であり、日本国民を救出するということは自分たちの仕事ではないと。
 あの当時、「被害者が犠牲になってもしょうがない」という言葉が使われていました。場合によっては、その考え方が今の外務省の交渉の中にある可能性も考えられます。
 その後、2002年に5人が日本に戻った後、小泉総理が「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」というフレーズを使われました。ある意味では一つの歯止めになったかとは思いますが、今の政府のこの考え方すらないと言えるかと思います。
 北朝鮮に対して制裁をかけ、本当に困らない限り日本に対して譲歩してこないことは、よく分かっている筈です。それなのに制裁を解除し、言うがままに「調査団を派遣します」となり、「骨ビジネス」にも「政府事業としてやります」といったようなことを約束しているとしたら、これは拉致被害者が犠牲になっても国交正常化をすすめるほうが、政府としての大事な仕事だという方針が今も貫かれている可能性があると考えられます。
 大変恐ろしいことだと考えています。私たちは安倍総理が唯一頼みです。安倍総理も最近は、「交渉をしなければ続かないじゃないか」と言い始めたと報道されていますが、この交渉をいったん断ち切らない限り、拉致被害者救出の交渉を最初からやり直さない限り、拉致被害者が日本に戻ることはないと思います。
 ですから、拉致被害者救出の交渉をまず行い、拉致被害者が帰国することが確約されるまで、日朝の「骨ビジネス」などはちょっと待ってもらって、国交正常化もちょっと待ってもらって、その前に拉致被害者が帰国できるための交渉を日本政府としてやってもらうことが必要であると考えています(拍手)。
 従って、先ほど、次世代の党として政府に対する要請を山谷大臣、官房長官、外務大臣、安倍総理に対する要請文をお届けしました。何をしてもらいたいかというと、「拉致被害者に関する報告がなされなかった以上、これまでの交渉を一旦打ち切り、拉致被害者救出に的を絞った交渉を行うこと」、「このため、平成26年7月4日に解除した3分野の規制措置を再び課すること」(拍手)、
 「交渉に当たる組織については、拉致対策本部、警察、公安などを中心とした交渉団を編成し、北朝鮮側に対しても、今の交渉相手ではなく、拉致被害者解放について権限を持つ者が交渉を担うよう求めること」です。
 今一番大事なことは、私たちがこういう要請文を出したとしても、次世代の党がやっているだけか、ということで終わってしまう可能性があります。今の政府に対して、北朝鮮に対し拉致被害者を帰国させる交渉をするように強く訴えられるのは皆様のお声しかありません(拍手)。皆様がそのことを強く政府に向けて要請していただかなければ、政府が動くことはなかなか難しいと思います。
 皆様に心からお願いします。被害者救出のための交渉をまず行うことを政府に対して強く要望していただきたいと思います。それがないと、拉致被害者が彼の地でそのまま消えてしまうことになるかもしれません。何とかもう一度日本の意識を動かせたいと思っています。どうぞ宜しくお願いいたします(拍手)。
西岡 ありがとうございました。第一次安倍政権で拉致問題担当補佐官、そして福田政権で拉致問題担当大臣をされた中山先生の発言は大変重いと思っています。
 続きまして、第一次安倍政権で総理秘書官をされて、秘密交渉で平壌まで行かれた井上義行、みんなの党拉致問題対策本部長にお願いします(拍手)。

  
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