「北朝鮮の「拉致解決済み」暴言に抗議し政府に毅然たる対応を求める緊急集会」全報告
◆北朝鮮との交渉を望むが、妥協、妥協の交渉を望んでいるわけではない
松木信宏(松木薫さん弟) お世話になっています。昔話になるかもしれませんが、小泉総理の訪朝(2002年9月)の後、家族会支援室ができました。当初から中山先生、井上先生もおられましたが、今の対策本部もそうですが、色々な省庁から来ておられます。自分のところの省益よりも家族のことを考えてくださっていたように思います。
その後ろに誰がおられたかという話を、元支援室の方に伺ったのですが、当時の安倍官房副長官です。だから一連の経緯は安倍総理はご承知の筈です。それでもなお北朝鮮に派遣しようと考えていらっしゃるのであれば、ここでけったら親の世代も会えなくなるかもしれない、それはしのびないというやさしさなのかもしれません。
今日は、同じ被害者家族である石岡さん(亨さんの兄の章さん)と電話で話したんですが、話していることは中山先生と全く一緒でした。「何で向こうの言われるままに事が進んでいかなければならないのか。おかしいじゃないか」と言っていました。
そこで私が、「ひょっとしてまた10年経ったら、親が会えなくなるかもしれない」と言ってみたんです。そしたら、「そんなことあるわけがない。北朝鮮が実を求めている。だから日本政府はもっと強く出ればいいんじゃないのか」と言っていました。
普通なら、逆の話をされるような方ですが、少し私もびっくりしました。しかし、北朝鮮という国は商売人だと思います。だから、どうしたら一番お金を手に入れられるかを考えている国だと思います。
そうなると、みすみす10年、日本からのお金を棚に上げるのか。私にはそうは思えません。だからやはり、中山先生がおっしゃっていたように、1回白紙に戻せばいいんだと思います。そうすればきっと動くのではないかと思います。
ただ、認定されている家族だけの話かと言えば、やはり認定されていない方のご家族もおられます。その中に10年待ちたくないという人がいらっしゃるかどうか定かでない中で、それを押し付けるのは少し気が引ける面はあるんですが、そういう覚悟をもった方がおられるでしょうか。やはりそこが大事だと思います。
私たちはさんざんやられています。横田家は1回ですが、うちは2回偽の遺骨を出されて、尊厳を踏みにじられていますから、これ以上ないと思いますが、3回でも4回でも持ってきなさいという気持ちでいます。
やはりそういう覚悟を持って臨んでいかないと。確かに我々は北朝鮮との交渉は望んでいますが、それは妥協、妥協の交渉を望んでいるわけではないんです。だから最低限の節度を持った交渉をしていただきたいと思います。
宋日昊氏が記者団を集めて色々言っていますが、その件について伊原局長は、「公式の場での発言ではないから正式な外交交渉の場での発言を優先します」と言っておられました。じゃあ、国連でのあの発言は何なんでしょうか。やはり日本を馬鹿にした発言をしているわけですから、政府としてきちっとしていただきたいと考えています。
母は1月に亡くなってしまいましたが、母は頑張って待ち続けました。今姉も身体を崩していますが、兄に会いたいという気持ちは人一倍あります。ただ、そこまで土下座してやることでもないと思います。我々も身体を大事にして兄を待ち続けますが、兄も頑張って待ち続けていると思います。
政府の方には、そういう気持ちも踏まえながらやっていただけたらなと思います。今後とも宜しくお願いいたします(拍手)。