「北朝鮮の「拉致解決済み」暴言に抗議し政府に毅然たる対応を求める緊急集会」全報告
◆一人でも待っている人がいれば、解決じゃない
西岡 今の話を聞くと、私は曽我ひとみさんの話を思い出します。曽我ひとみさんは帰ってくるまで認定されていなかったのです。金丸信さんが訪朝した時、1990年の北朝鮮のテレビで報道されたそうです。曽我さんはそれを見ていた。
「日本から政治家が来たんだから私のことが議題になっているのではないかと心の中で期待していた。しかし、何も起きなかった」と言っています。今、認定に関わらず全員助けることになっていますが、認定でない被害者も北朝鮮でテレビを見ているんです。
「今回、特別調査委員会ができた。拉致の調査が始まった」と北朝鮮はテレビで報道しました。曽我さんと同じように、我々がまだ名前をつかんでいない人も、「交渉が始まったんだから当然日本政府は私のことを忘れるはずがない。日本国民は私のことを忘れているはずがない。家族は、私が死んだとか、いなくなったとか思っていないで、拉致されていると思って助けに来てくれるはずだ」と思っているんです。
曽我さんは認定されていませんでしたが、夜になって月や星をみながら、いつも、「日本からいつ助けがくるだろうかと、ずっと思っていた」と言います。認定の有無は関係ありません。北朝鮮に一人でも、不法に抑留された人が残っていれば解決じゃないんです。
一人でも、月や星をみながら、「日本から助けが来るだろう」と待っている人がいれば、解決じゃないということを心に刻みたいと思います。特定失踪者のご家族にもう一度拍手をお願いいたします(拍手)。
最後に、家族会代表の飯塚さんが、地方での講演からかけつけてくださいましたので、お願いいたします(拍手)。