日朝交渉をどう見るか?東京連続集会82 全報告
◆はがゆさを感じた日朝協議
飯塚繁雄(家族会代表) みなさんこんばんは。いつもながら大変ありがとうございます。
今、日朝協議について報道等で話題になっています。しかし、結果を見れば必ずしも進んでいない。進展という言葉は使えない状況ですね。
日朝政府間協議は、ストックホルムでまた中国で協議をしてきましたが、その話の中では、「まだ初期段階で何も報告することはない」という話でしたね。この場において「初期段階」というのはあり得ないと思うんですが、向こうはそう言っています。
そういう協議を続けながら、「もっと知りたければ平壌に来い」とか「行きなさい」という話があって、10月28日、29日に訪朝して協議ました。
我々はその都度政府から報告を受けてはいますが、中味については全く具体的な話はありません。そして政府としては、「ああいう話をした。こういう話をした」と、日本からの言及を我々に知らせてきました。
日朝協議というのは、その都度何かを合意するということではないので、お互いに話したことをメモして持ち帰るというような程度だと思います。そういうことがずっと続いており、私たちとしては、はがゆさを感じていました。
今回、「詳しいことが知りたければ平壌に来い」という話について、家族会の中でも色々な意見がありますが、今この時点で平壌に行くことは時期尚早というか、拙速であるという判断で意見を申し上げました。家族会の大半はそういう意見です。
これは何を意味するかというと、事前に「平壌に来ればこういう報告を出しますよ」ということを確認して行くならば、報告を持ち帰ることができるわけですが、ただ「様子を見に来い」というだけでは被害者の名簿など具体的なものはないと感じたわけです。
また、もしかすると、平壌に行ったことで、北が日本政府や日本国民の焦りを、足元を見ながら何かをまた要求するという場面も想定されます。今回、特別調査委員会のメンバーに会ったようです。
委員長は徐大河(ソ・テハ)という人ですが、彼がどのくらい上に通じている人なのか、金正恩と太いパイプがあるのか、あるいはきちっと意見具申できるのか、それによって判断を加えながら具体的な調査報告ができるのか等、色々な心配がありました。