日朝交渉をどう見るか?東京連続集会82 全報告
◆報告ができるような訪朝を
私たちは、今の段階ではあくまで安倍総理を信頼して期待しています。今回の訪朝の決断も、当然ながら安倍総理がされたわけでしょう。例えば我々が、「行くな、行くな」と言っても、「はいそうですか」とはいかないと思うんです。
安倍総理の意向としては、せっかく日朝協議がつながっているこの時期、全くゼロにはしたくない。何とか続けながら、協議の中から日本に有利な交渉をしていくべく訪朝させた。それも一理あると思います。
しかし、訪朝すればいいということではなく、向こうがどれだけ準備をしているのかを確かめてそれを受け取りに行くのならばいいんですが。北朝鮮当局に何かを申し入れたり、言及する場というのは今までなかったわけです。特に外交ルートでは全くなかった。従って、特別委員会のメンバーを通じて日本の意向を押し込んでいくために使ったと思います。
それはそれである戦術としていいかもしれません。しかし、これを受けてすぐ次の手を打っていかないと、また延び延びになってうやむやになってしまうことを私たちは心配しています。
とにかく、これまでの経緯をしっかり分析して、日本の態度をはっきりと示しながら、北朝鮮に対して今後どうしていくかということが見えるようにしてほしい。私がいつも言うように、いつまでに、何をし、そしていつまでに結果を出すというスケジュール的な考えがなければ、いつまでかかるのかということがいつもつきまとうわけです。
そういう意味で、早いうちに次の手を打つことを期待しています。これについては、専門家の先生方の意見がたくさんあるようですが、詳しい分析は、後ほど西岡会長たちからご説明があると思います。
とにかく我々は、思いというものを言い飽きたほど、皆さんにも政府にも言ってきました。あとは、「早く結果を出してください」と強く要請していくしかないんです。
それぞれの施策については、私たちがいちいち、「こうしなさい、ああしなさい、これはだめ」ということではないんです。家族会はもうさんざん色々な活動をしてきて、その結果今があることを考え、これまでの時間の重みはすごいものがありました。
当然ながら、じっと我慢しながらこつこつ活動を続けていく。苦しみながらも家族のために何とかしたいという気持ちであらゆる集会などの活動に参加してきたわけです。
国民の皆様のお力を借りるという意味では、啓発、啓蒙ということではいいと思うんです。そして、ここで私たちが騒ぐよりは、政府が我々の気持ちを踏まえ、分析や対応をする義務があるわけです。
極端に言えば、「私たちは疲れました。家でずっと待っていますから、政府の方々が命がけでこの問題を進めてください」ということにしようかなと思っています。これま今、私が思いついただけの話ですが、そのくらい長い間色々とやってきて、結果がまったく出ないこの状況を見た時に、相当疲れもします。病気にもなります。事実、家族会のメンバーは健康的には苦しくなっています。
そういう状況も踏まえ、私たちは「今年こそ結果を」というスローガンで色々な活動をしてきました。今年中に完全に解決というのは難しいとしても、解決への道筋が見えてきて、もう少しだなというようなものがあれば、私たちも元気が出ます。しかし、毎日毎日時間が過ぎていき、もう11月です。11月、12月で果たしてどこまで進展するのか。そういうことを心配している現状です。
とりあえず私から、今の家族の気持ちや日朝協議に関する心配事などをお話しました。みなさんからのご意見も含めて政府にぶつけていくことができます。専門家のご意見も含めてです。そういう機会を作ってもいいなと思っています。
ありがとうございました(拍手)。