日朝交渉をどう見るか?東京連続集会82 全報告
◆交渉が北朝鮮のプロパガンダに利用されている
結局北朝鮮のプロパガンダにわが外務省が乗せられて利用される。方や外務省は国連の人権理事会で北朝鮮人権非難決議の強化に関する政策もとろうとしています。これは整合性がないような気がするんですが、拉致被害者を救出するために今回北朝鮮に乗り込んで、徐大河という人物にというか、北朝鮮の中枢部に日本の強い意思を伝えること、そして調査の現状が今どうなっているのか、この2つの目的でいったとおっしゃっていました。
しかし、私が考えるに、北まで行って相手に日本の立場を強く伝えるのであれば、29日午前中に行われた分科会なんかやるべきじゃなかったと思います。もしこういう日程が入っていたとすると、我々は拉致被害者の問題を話に来たわけで、遺骨の問題、日本人妻の問題は拉致が全部解決しない限り話す必要もないし、次は行かないと強く言えばいいのに、受けてしまっている。なんでだろうかと思うんです。
おそらく外務省は、北朝鮮の今の現状を見聞きしたいと。本当に交渉が人質にされていますね。交渉を維持したいがために北朝鮮のペースに乗ってしまって、北朝鮮のプロパガンダに協力させられて、ピエロですよ。はっきり言って。
私は、外務省のみなさんに「もうあなたたちはだめだ」と言いましたから、31日はもう言う言葉もない感じでした。そして、分科会について、説明の時に我々に言っていなかったことがあとからぽろぽろとメディアに出ます。
「北朝鮮側が、2002年、2004年の調査は不十分だったと認めた」というのが自民党の拉致問題対策本部で政府が説明したことですが、その前に行われた家族会の説明会ではそんなこと一言も言わなかったですよ。
拉致の問題で北朝鮮側がそう言いましたということさえ我々には言わず、ただこの紙切れを呼んで、一番の成果は、「過去の調査結果にこだわることなく新しい角度からくまなく調査を深めていく」と北朝鮮側が言ったということだそうです。
調査委員会の一少将がこんな言葉を言ったからといって、誰が信じるんですか。それを今回の訪朝団の成果として発表するわけですよ。馬鹿じゃないかと思いますよね(拍手)。
こんなことを許しているから日本の姿勢が伝わらないし、交渉がまともな交渉になっていかないということをちょっと考えてもらいたいと私は思っています。