日朝交渉をどう見るか?東京連続集会82 全報告
◆家族会が聞かされていないことが出てくる
外務省の家族への説明会の中で言わなかったことが漏れているという状況がありますが、なぜ私たちに同じことを言わないのということです。外務省の隠蔽体質ですよ。はっきり言って。
できればうるさ型の家族会の人にはあまり言わないのか、何らかの作戦があるのか分かりませんが、外務省は今後すべての内容を公表すべきだと思います。北朝鮮がどのように言ったのか。
我々に対する説明の中では、分科会の中で、北朝鮮サイドは「骨ビジネスと言われているものはいっさい考えていない」と言っていたということでした。「それを文章で合意したのか」と聞くと、「口頭で話した」というのです。「今後遺骨に関してわが国はいっさい請求しない」と文章に書かせればいいんです。それもしない。
そして分科会について、お話だけは聞いてくる。これで本当に日本の意志が伝わるんでしょうか。伝わらないと思いますよ。日本政府は、拉致の問題が重要だと、「3月の段階から言っています」と伊原さんは我々に常に言っていました。
北朝鮮との合意の中で、共通認識として、拉致の問題が最優先ですと我々は常に言っています、と。北朝鮮もそれは認識しているはずだ、と言っていたにも関わらず今回の結果です。北朝鮮に再度認識させるためになんて馬鹿じゃないかと私は思いますね。何のための交渉なのか。そしてその交渉を人質にとられて、北朝鮮に呼びつけられてプロパガンダに協力させられる。ここでどうにか転換をしなければいけない時期ではないでしょうか。残念でなりません。
確かに安倍さんでなければ解決できないと私たちも思います。他の政治家の方たちでは、権力を持っても難しいでしょう。だから今の政権の中で解決してもらわなければならない。
今日本政府が「オールジャパン」と言っているのであれば、与野党全ての適任者を前面に立てて、外務省はオブザーバー、事務処理をしてくれればいいんです。拉致問題だけで北朝鮮に交渉を迫っていくべきです。
それで北朝鮮が応じなければ、さらなる制裁をかけるべきです。北朝鮮がこれまで真摯に行動したのは、アメリカの金融制裁の時だけです。自分の体制でお金が回らなくなって本当に危なくなった時期だけです。
これに対してアメリカが反論したのであれば、アメリカに対して説得すればいいじゃないですか。もう一度金融制裁を日本とともにやりましょう、と。もう一度テロ支援国指定を日本とともにやりましょう(拍手)。その動きを強めていけばいいのです。
同盟国であるアメリカを説得できないのに、北朝鮮なんか説得できるわけげないです。これは本当に残念なんですが、今週、先週と北朝鮮問題を取り上げたテレビの中で、どうも融和的な話がいっぱい出てきているんですね。今週のBSイレブンもそうでした。
拉致問題を解決するためには北朝鮮への支援が必要ということです。インフラでも何でも北朝鮮が望むものを与えればいいと言っていました。学術会議で、和田春樹とともに訪朝した人たち、武貞秀士さんもそうでした。
武貞さんの一番の間違いは、「制裁をかけて解決したことはない。だから融和的にすることが必要だ」ということです。しかし、北朝鮮に関してこれまで徹底した制裁をやってこなかったじゃないですか。イラン・イラクもそうですよ。徹底した制裁をかけていますか。どこかで漏れがあるから、北朝鮮もイランもイラクも降参しなかった。イラクに関しては武力制裁をしましたが。
北朝鮮に対して徹底的な制裁をする国が増えるようになれば、それは違う展開になるはずなんです。日本もここで体制を立て直して、オールジャパンというのであれば、与野党の中で北朝鮮と対峙して一歩も引かない。そして交渉に転換すべきです。